見出し画像

恋人なんていらない、って正気?

恋愛って疲れる。とにかく疲れる。

ちょっとしたことで不安になるし、思い通りにならなくてモヤモヤするし、気も遣うし、どうでもいいことで相手を疑ったり、疑われたり、好きになったり、嫌になったり。「恋ってもっと楽しいものだと思ってた」「幸せになるために付き合ったんじゃなかったっけ」「一体なんの修行なのか」。

でも、どんなイライラもモヤモヤも、一緒にいる瞬間の満ち足りた気持ちにかなわない。



大好きだった人がいた。私より20センチは背が高くて、見上げる横顔が好きだった。真冬のどんなに寒い日でも、暖かい手が好きだった。おちゃらける言葉が好きだった。会った瞬間に抱き締めてくれる大胆さが好きだった。弱音を吐く言葉に、不安を口に出してくれることに、たくさんのことを考えさせられた。一緒に過ごす夜が好きだった。

あの街灯を、今でも覚えてる。



彼とは上手くいかなかった。綺麗な別れでもなかった。死ぬほど泣いた。毎日泣いてた。最後の言葉は、「また連絡する」だった。もう、二度と連絡はできない。


でも、大人になった今、あの恋があってよかったと心底思う。綺麗事じゃなく、心の底から思う。教えてもらったこともあるし、気付いたこともある。人生に無駄なことなんてないかどうかを決めるのは、自分次第だと思う。



その後、夫と出会い、毎日楽しく暮らしている。そりゃ喧嘩することもある。イラつくこともある。嫌になることもある。でも、夫が好きだ。

私を喜ばそうと大好物のチョコレートを何でもない日に買ってくるところが好きだ。明日の私が楽できるようにと、夜中に洗濯しておいてくれるところが好きだ。私が行きたいと言ったら、どこへでも連れて行ってくれるところが好きだ。サプライズが好きで「生まれてから1万日記念」とかワケ分からんお祝いをしてくれるところが好きだ。バカ騒ぎして2人で大笑いしたあと、「好きだよ」と抱き締めてくれるところが好きだ。


私は、自分のことが大好きだ。出来ないこともたくさんあるが、優れていると感じる部分もある。自分を誰より認めている。でも。


どんなに私が優れていても、夫が私にくれる感情は、私一人ではどうやっても手に入らない。どんなに優秀な人でも、一人じゃ絶対手に入らない。


たった一人と出会う。難しくて、しんどくて、ワクワクするね。


この記事が参加している募集

振り返りnote

間違って押しちゃってください