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「人はどこまで合理的か」・スティーブン ピンカー 心理学博士、ハーバード大学教授(著)を読んでの文 2

* この書を読んでの 印象に残ったことと、感想・考えを書いていきます。

△ 第四章に ピンカー博士、メディアには その報道(事柄)での総数と割合。そして、その長期の傾向を出すべきと 主張されています。
※ 私見では、前記のことは 全くの正論と思います。
・しかし、それでは 何故 地球温暖化問題では、地球は百数十年ごとに温暖化と寒冷化を 繰り返す傾向を無視するのか?何故 水蒸気の温室効果は、CO2の10倍あると いわないのか?(太陽活動 活発化で水蒸気増加)非常に疑問です。(ピンカー氏は、CO2での温暖化 肯定派)
あとに出てくる、ベイズ推論の周辺確率が全然 違ってくるでしょうが、と 言いたくなります。
※ しかしながら、CO2 出しっぱなしはよくない。海洋酸性化 問題ありで。
(人類の発展を邪魔しない程度に、抑制的にがよい)

△ 本書中 ピンカー博士は、何かの条件・状況を考えずに、確率のみだけで判断すると、大変悪い結果になると 言われています。
※ やはり 正しい情報と実践知(経験値)がいると考えられます。

△ 第四章には、あと 確率計算での事例。それから、偶然の一致は よくあることであるの例が、紹介されています。(ためになる 事例です)

△ 第五章には、事後確率を求める ベイズ推論(推定)のことが 書かれています。そして S・ピンカー博士、ベイズ推論は 全人類が学ぶべき理性の道具であると、主張されています。
※ ベイズ推論の 事後確率は(=)事前確率(基準率とも)х データのゆう度(もっともらしさ度合)÷ 周辺確率(全てのデータでの確率)と。
・ベイズ推論は、新しい情報・データが入るたびに、確率を更新していくものであると。(現実的推論)

△ S・ピンカー博士は、人々がベイズ推論ほか 統計的能力を身につける ことは、社会のためであるし 教育の優先事項であるとの考えです。そして、人々の理性能力を もっと高めることが必要と 訴えられています。
・(統計的思考は、子供には ゲーム形式で教育とのこと)
※(その通りだと思います。あとは 物語の読み聞かせで、抽象的思考力UPが いると考えられます・グループでの話し合いもよい)

△ 第六章には、プロスペクト理論と、フレーミング効果のことが 記されています。(面白い内容です)

△ 第七章には、信号検出理論
・正規分布での 人間の対応のこと。そして DNA鑑定でも人為的ミスで、間違いが起こることが紹介されています。

※ 日本では、普通のペットボトルのお茶から、覚醒剤 陽性反応が出た。というところ(警察)も ありますが。
(もちろん 一部のことですが)

△ 第八章では、世間に一番なじみのある、ゲーム理論のことが 書かれています。
・混合戦略、エスカレーション ゲーム(チキンゲームも)、サンクコストの誤謬、囚人のジレンマ、共有地の悲劇の 各事例です。

△ 第九章には、独裁者(独善者)は、浅はかな因果論に飛びつくと 書かれています。
あと、平均への回帰 の事例が説明されていて、興味深い内容です。

△ 九章には、回帰分析(回帰方程式・単純だが有効と)の事柄が、詳しく説明されています。
・分析で 要素と変数ものが多いときは、AIが得意とのこと。
しかし、人間でないと 分析できないものもある とのこと。(今のところ)

※ 私的に(ある程度 情報ある時)一個人での 何かの決定は、4分割・8分割法 などのマトリックスでよいとも 考えます。
(表に書くことすら してない人 結構いる)

△ 第十章では、トランプ 前大統領の批判が、多数 載っています。

※ 私見では 確かにトランプ氏は、アメリカ第一主義で おかしな発言があり(狂人戦術もありで)非難に あたいしますが、ここでは ハーバード大学に多額の寄付をする人々にも、注目をするべきです。
・金融系は、反トランプ多い。
・TECH系企業の者は、リベラル多い。
※ 個人的には、アメリカのリベラル的 意見の方が 好感持てますが、一方的な見方はリスクがあります。そして、トランプなら ウクライナ戦争 起きなかった、とも 言われています。

△ ピンカー博士、本書で陰謀論を全て否定的ですが、なかには 本物の陰謀もあると 言っております。
(その通りです)

△ アメリカでも、デマや迷信・陰謀論(説)を信じる人は 一定数いると。そして 陰謀論でよく出てくるのが、ユダヤ人、ギルドだと。私見で日本では、ロスチャイルド、フリーメイソンです。

△ 第十章には、人間の認知の歪みのこと、バイアスでの事柄が、多数 説明されていて 面白い内容です。
(例)・マンスプレナー(他人を見下し 知ったかぶりで 偉そうにする者)
・人の 認知バイアスでの平均の錯覚 
・マイサイドバイアス(人は 客観的 公平さではなく、自分が属している または信じている ものが正しい か、気高いものであれば いいと。対するものは、反発するか無視する)

△ マイサイドバイアスについては、その代表例が、政治的立場での 右派(保守)と左派(リベラル)の対立だと。
そして どちらとも、自分たちに 道徳的優越性がありとのこと。(アメリカ)

※ このことで 私が思うのは、昔の人種・宗教・性別 による対立・差別よりは 健全ともいえます。あくまで ルールとマナーを守ったうえのことですが。
(昔の過激派のリンチなど、とんでもないことです)

△ 人間は(専門家でも)何かの確率を求めるとき、その者の 希望的ものが反映されるとの、心理学者(スタノヴィッチ)の言葉が載っています。

※ こうゆうことがあるので、世の中には 、中立的・客観的 第三者機関が必要ということに なります。今現代では、様々な第三者機関があります。

△ 第十章には、国家主義者のこと、オープンマインド(柔軟な頭、偏らない心)のこと、人は いつもエンタメ(娯楽)を求めること、フェイクニュース拡散者 のことが、書かれています。(納得の内容です)
・それから十章には、ピンカー博士 教育課程に 統計的思考と批判的思考を、身につけるものがいると 訴えられています。

△ 本書中の、バートランド ラッセルの言葉が印象的です。
〈信念とは 正統な証拠に基づく〉
※ 証拠にも いろいろありますが。
(それで もめるとも)

△ ピンカー博士、熟議民主主義が必要であると。
※〈熟議民主主義〉
他者の意見に耳を傾けながら、自分の考えも見直す という態度もって、議論をする。
・これには 合理性がいるとのこと。

※ 私見では  、この合理性を持ち続けるためには、知識・情報を常にアップデートしていくという 考え・気持ちがないと 無理と思われます。
(自分の仕事のこと だけでなく)

△ ピンカー博士 談で、私的に喩えにしてで、〈過ちては 改まるに 憚ることなかれ・論語〉的ことを、応援する 誘因づくりと、制度設計がいることを 主張されています。(正論です)

△ 第十一章には、認知の錯覚(バイアス)は 一般人だけでなく、専門家でもあると。
認知の錯覚を避けるには、合理性がいる。そして 合理性には、知性だけでなく 思慮深さや偏見のない心と、形式論理や確率、因果分析などのツールを、使いこなすことが いるとのこと。
※(あとは、正しい情報取得法とパターン認識が、必要と考えます・頻度などは 正しいデータから取得)

※ この書を読んでの 感想の一つは、素晴らしい考え(アイデア)のものは、
世の中に広めることが 大事と思われます。
(スティーブン ピンカー博士の様な 啓蒙主義 必要)


※ 本書中 ピンカー博士は、客観性を重視する ウィキペディアでさえ、おかしなものがあると おっしゃています。
しかし、これは ピンカー氏の好みの問題であると いえます。
・ピンカー博士 自身、マイサイド バイアスからは誰も逃れられないと、言っています。(ハーバード大学教授)

△ 第十一章には、道徳の進歩のこと、そして 歴史上の 道徳的啓蒙活動をされてきた人達(偉人)のことが紹介されています。
(さすがは知の巨人です・よく知ってらっしゃる、という内容です)

△ ピンカー博士は、現実 諸問題のことで 、実現可能な改善策をみつける、健全な議論が必要と 説かれています。
(合理性の力 必要だと)

※ 私見で 前記のことは 、議論のなかで よいアイデア出し合い、多数決でもよいので よいものは試し持ってでも前に進めるべきです。(改善・訂正ありきで)そして 権益者の都合を避けるために、情報公開は必須です。(正しい情報は必須)
それから、人の欲・得での 議論・主張の偏りを抑制するには、科学技術の発展、経済・生活レベルの向上、人々の知的レベル・道徳観の向上が 必要と考えられます。
・衣食足りて礼節を知る 的ことは、現代でも有効と考えます。

△ ピンカー博士 結びの言葉に 
・人間は合理性(理性)があるから公正なことを つかめると。そして、人は 合理性の法則と 制度を発見した種族であり、それがあるので 真実である現実と向き合う ことができるのだと。
※(名言です)

* 終わりに本書「人はどこまで合理的か」は、知の巨人 スティーブン ピンカー博士の、思考能力の一面を垣間見える 素晴らしい書籍です。
人間の、思考能力領域が広がります。
多くの人に 読んでもらいたいと、切望しています。

(終)






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