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「山猫軒」へようこそ!ミルクの香りのボディークリームを塗って♪

「どなたもどうかお入りください」宮沢賢治著『注文の多い料理店』に登場する牛乳クリームをモチーフにした、うるおい成分配合のボディークリーム

みなさま、こんにちは! 歴史と読書が好きな、フェリシモ「ミュージアム部」プランナーのささのはです。

みなさまは作家・宮沢賢治をご存じでしょうか?
こちらの記事でもご紹介した通り、宮沢賢治は永遠の名作『銀河鉄道の夜』などを遺した、日本を代表する児童文学作家・詩人です。

「クラムボンはかぷかぷわらったよ。」など、印象的な言い回しが多用されている彼の著作『やまなし』は一部教科書に載っていますので、読んだことがある!という方もいらっしゃるかもしれませんね。

『やまなし』には、“クラムボン”という謎の生き物について語る蟹の兄弟が登場します。
クラムボンとは一体……?

現代日本で老若男女から愛される彼ですが、生前に私生活において掲げ、また実践しようと試みた思想のひとつに「菜食主義」があったことをご存じでしょうか?

『ビジテリアン大祭』という童話も発表しています

賢治が熱心に信仰していた仏教(法華経)の「すべての命は平等である」という思想が、彼がこの方針を取るきっかけになったと言われています。
実際に賢治は、1918年に親友・保坂ほさか嘉内かないに宛てて

私は春から生物のからだを食うのをやめました。

と書き送り、約5年間、ストイックな菜食生活を送ったそうです。

畑を自ら耕しては、白菜やトマト、アスパラガスなどを育てて食べていました

そして完全な菜食生活をやめた後も、「すべての生き物の命、その尊厳」について考え続けた賢治は、文明化した人間社会における食物連鎖や弱肉強食の認識への抵抗を感じさせる作品をたびたび書きつづりました。

その傾向が強い作品のひとつとして挙げられるのが、彼が生前に出版した唯一の短編集であり、その表題作でもある『注文の多い料理店』です。

『注文の多い料理店』のあらすじ… 二人の若い紳士が、山奥に狩りにやってきた。しかし連れていた犬が突然死んでしまう。紳士たちは帰路につこうとしたが、ふと振り返ると立派な西洋づくりの「西洋料理店 山猫軒」が建っていた。ハラペコの二人は大喜びで入店するが、そんな彼らに奇妙な“注文”の数々が降りかかり……!?

作中には「鳥や獣を、なんでも良いから銃で撃ちたがる」「自分たちの猟犬が死んでしまっても、金銭的な損得のみを嘆く」太った紳士がふたり登場します。そして彼らは、山中さんちゅう深くで見つけた怪しい西洋料理店が掲げる

「当軒は注文の多い料理店ですからどうかそこはご承知ください」

『注文の多い料理店』より

の言葉になんの疑問も抱かず(むしろ自分たちの都合の良いようにとらえ)、「山猫軒」の注文をこなしながら廊下を進んでゆくのです。
まさか自分たちを食べようと画策かくさくする、恐ろしい存在が待ち構えているとは露ほども考えずに……。

絶対に害されないという謎の自信……!

結局、物語の最後、紳士たちはあと一歩で山猫に食べられてしまうところを、彼らが見捨てた犬たちによって間一髪で助けられます。しかし、あまりの恐ろしさにクシャクシャになった顔のしわは、永遠に消えることはありませんでした。

『注文の多い料理店』から読み取ることができる、宮沢賢治の「自然に対する人間のおごり」に対する警告。
「人間が食物連鎖の頂点にいる」と、他者の命を軽視するものは、いつか見くびった相手から盛大な仕返しを受ける。賢治が物語を通して伝えたかったのは、そんなメッセージなのかもしれない……。

『注文の多い料理店』を読みながら、そんな風にしみじみと考えたプランナー。ふと、作中のとある文章に目が留まりました。

すこし行きますとまたがあって、その前に硝子がらすつぼが一つありました。扉にはこう書いてありました。
「壺のなかのクリームを顔や手足にすっかり塗ってください。」
 みるとたしかに壺のなかのものは牛乳のクリームでした。

『注文の多い料理店』より

山猫たちが味付け用に用意した、牛乳のクリーム……。
それも、ふたりの紳士が体に塗るふりをしてこっそり食べたくなってしまうほど、魅力的な……。

もしもこのクリームが現実にあったら、ふたりの紳士たちになりきれる=賢治の伝えたかった思いを、物理的に味わうことができるのでは……!?

そんな発想をもとに、甘くておいしそうなミルクの香り付きのボディークリームが完成しました◎

作中の「クリームをよく塗りましたか、耳にもよく塗りましたか、」の言い回し通り、耳にもお使いいただけるボディークリームです!

ミュージアム部
宮沢賢治著『注文の多い料理店』より
思わず食べたくなっちゃう
「山猫軒」のボディークリーム(ミルクの香り)

1個 ¥2,700(+10% ¥2,970)

ボディークリームのパッケージには、『注文の多い料理店』にまつわるモチーフをたくさん散りばめました。


「いらっしゃい、いらっしゃい。そんなに泣いては折角せっかくのクリームが流れるじゃありませんか。へい、ただいま。じきもってまいります。さあ、早くいらっしゃい。」
「早くいらっしゃい。親方がもうナフキンをかけて、ナイフをもって、舌なめずりして、お客さま方を待っていられます。」

『注文の多い料理店』より

パッケージデザインで堂々の主役を張るのは、ふたりの紳士を待ち構える山猫の親分。原作通りナプキンをきちんとつけて、カトラリーを手に持って……紳士たちを味わう瞬間を、今か今かと待っております!

  「呼ぼうか、呼ぼう。おい、お客さん方、早くいらっしゃい。いらっしゃい。いらっしゃい。おさらも洗ってありますし、菜っ葉ももうよく塩でもんで置きました。あとはあなたがたと、菜っ葉をうまくとりあわせて、まっ白なお皿にのせるだけです。はやくいらっしゃい。」
「へい、いらっしゃい、いらっしゃい。それともサラドはおきらいですか。そんならこれから火を起してフライにしてあげましょうか。とにかくはやくいらっしゃい。」  

『注文の多い料理店』より

山猫の親分の左右には子分が2匹。右の子分はお皿を持ち、左の子分は菜っ葉を抱えて、我らが親分のお食事の準備に大忙しです◎

 奥の方にはまだ一枚扉があって、大きなかぎ穴が二つつき、銀いろのホークとナイフの形が切りだしてあって、
「いや、わざわざご苦労です。
大へん結構にできました。
さあさあおなかにおはいりください。」
と書いてありました。おまけにかぎ穴からはきょろきょろ二つの青い眼玉めだまがこっちをのぞいています。

『注文の多い料理店』より

紙箱のふたをそっと開けたら、山猫の親分が待ち構える最後の扉が。
気のせいでしょうか、鍵穴と扉の奥から視線を感じます……。

「どうか帽子ぼうし外套がいとうと靴をおとり下さい。」
「どうだ、とるか。」
「仕方ない、とろう。たしかによっぽどえらいひとなんだ。奥に来ているのは」
 二人は帽子とオーバーコートをくぎにかけ、靴をぬいでぺたぺたあるいて扉の中にはいりました。

『注文の多い料理店』より

パッケージには、ふたりの紳士が「山猫軒」からの注文に応じて脱いでいった帽子や、外套がいとう、金物類などもデザインしています。

  二人は泣いて泣いて泣いて泣いて泣きました。
 そのときうしろからいきなり、
「わん、わん、ぐゎあ。」という声がして、あの白熊しろくまのような犬が二ひきをつきやぶってへやの中に飛び込んできました。鍵穴かぎあなの眼玉はたちまちなくなり、犬どもはううとうなってしばらく室の中をくるくるまわっていましたが、また一声「わん。」と高くえて、いきなり次の扉に飛びつきました。戸はがたりとひらき、犬どもは吸い込まれるように飛んで行きました。  

『注文の多い料理店』より

いよいよ山猫たちに食べられてしまいそうな雰囲気になってきましたね!
しかし紳士ふたりを助けるべく、疾風のごとく野原を駆ける犬二匹もスタンバイしておりますので、どうかご安心ください◎

紳士たちの持ち物や、駆ける犬たちがパッケージのどこに隠れているのか、ぜひ実際にお手に取って探してみてくださいね^^


こだわったのは、もちろん見た目だけではありません◎
たっぷり100g入りのボディークリームには、うるおい成分を配合。うるおいを与えてお肌を整えるので、お風呂上りのケアにもおすすめです!

※くわしい成分は販売ページをご確認ください。

 二人は壺のクリームを、顔に塗って手に塗ってそれから靴下をぬいで足に塗りました。それでもまだ残っていましたから、それは二人ともめいめいこっそり顔へ塗るふりをしながら喰べました。  

『注文の多い料理店』より

手に取って体に塗り広げたら、思わず食べたくなってしまうくらい優しくてあま~いミルクの香りが漂います。

伸びよく、使いやすいクリームです

ボディークリームを使い終わった後にジャーを綺麗に洗えば、小物入れとして大活躍◎

クリップやマスキングテープ入れにしても素敵ですね♪

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作品の表面に見えている部分のその奥、作者はどうしてこの物語を生み出したのだろう?と考える時間は、いつでも本当にワクワクします。
特に「子供向け」とされる童話や児童文学において、作者からの真のメッセージを探るのは、もしかしたら……!?と気が付いた時の衝撃が深く、病みつきになってしまうのです。

このボディークリームが、読書以外の手段でその衝撃を、そして作者の想いの片鱗を伝えることに繋がるアイテムのひとつとなりますように。

ミュージアム部
宮沢賢治著『注文の多い料理店』より
思わず食べたくなっちゃう
「山猫軒」のボディークリーム(ミルクの香り)

1個 ¥2,700(+10% ¥2,970)


記事内の作中文章引用元:
①宮沢賢治(1924)「注文の多い料理店」青空文庫より


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