実現可能な魔法のかけ方を教わる
子どもの頃、本を読むのが大好きだった。文字を追えば、物語が始まり、その世界へワープできるから。私のそばにドラえもんはいないから、のび太くんみたいに「ひみつ道具」はもらえないけれど、読書は、自分を異世界へ連れて行ってくれる実現可能な魔法だった。
読書好きが高じて、いつしか作家になりたいと憧れていた私。でも憧れと同じくらい、挑戦して夢が破れるのも怖かった。「作家になれるのは、一握りの天才たちだけ。自分になんて無理無理」と、誰に言われたわけでもないのに自分で自分を諦めて、他の道で