一歩一歩、進みたい方へ
「子供向けの小説を書く作家になりたいです」
小学校の卒業式、私は壇上で、こんな将来の夢を発表したと記憶している。
本を読むことも、作文を書くことも好きだった。読書量で言えばもっと読んでいる子もいるよね、という程度のものだったけれど、何かしらのことを書くのは全く苦でなくて、私が恐らく人生で初めて描いた夢は小説家だった。
それから年齢を重ね、書くことは変わらず好きだったけれど、それを仕事にすることはあまり考えなくなった。紆余曲折あり、今は田舎の市役所職員に落ち着いている。
それはそれで自分の本意の選択だったし、出産する前はそれなりに仕事を楽しんでいた。子育ての時期は仕事をセーブしつつ、定年近くまでこのキャリアを重ねるのかなぁ、なんて思っていたけれど、育休から復帰し2年目になった今年度くらいから、増え続ける仕事にキャパオーバーして、こんな生活がしたいんじゃない、という思いが強くなった。働くことを楽しめなくなった。
キャリアに迷う中、いろんな巡り合わせがあり、小説家まではいかないけれど、その昔抱いていた「文章を書く仕事がしたい」の夢を思い出した。そして、その方向に進みたいと願うようになった。
願い始めたら少しずつ現実は動いていくものらしい。長らく放置していたnoteの存在を思い出し、育児エッセイをしたためようと思い立ち、いろいろな記事を読む中で、「京都暮らしの編集室」という書く人たちが集まるオンラインサロンがあることを知り、入会するまで3か月とかからなかった。参加者は書くことを仕事にしている人も多く、今まで知らなかった、とても興味深い世界が広がった。参加者の投稿を読んだり、サロンの企画に参加したりするのがとても楽しい。
そして先日、オンラインサロンを主催する江角悠子さんのこんな記事と出会った。
ライターをはじめ、誰かに文章を届けるような仕事をしたいなという思いはあるけれど、どうしたらそうなれるのか、出版社やメディア関係の会社に就職する以外の方法がなかなか想像できなかった。記事を作る過程も、なんとなく芸能人に取材する記者さんのように、自分でネタを見つけてアポを取って取材して、出版社に掛け合って記事にしてもらうような道のりしか思いつかなくて、いや、私、できるんかな?向いてないって辛くなるんちゃう?と不安ばかり浮かんだ。
でも、この記事では、それも大事だけれど、書くことを仕事にするには他にもいろいろな方法があるよ、ということが書かれていた。
そんな発想なかった!!と驚くような突飛なものというよりは、「そうか、最初はすべてそこから始まるのか。」と納得することばかり。特に、なるほど、と腑に落ちたのがこの言葉。
私に依頼するとこんないいことあります、御社にこんな効果が期待できます、そんな風に自分そのものを売り物にしてお金をいただく自分自身の姿が、どうしても想像できない。頑張ってやってみたとしても、心からの言葉として発せなくて、実績が伴わないという結果がありありと浮かぶ。でも、「売り込む」に固執するより、まずは私がどんな人間か、どんなことをやりたくて仕事をしているのかわかってもらうというのは、よくよく考えると当たり前のことだけれど、なるほど!だった。自分のことをわかってもらった上で先方が選んでくれたら、「こんなはずじゃなかった」みたいなミスマッチも減るだろうな。目先の収入に目が行きがちだけれど、長く仕事をするには互いに心地よい関係であることが結局一番大事なのだな。想像の範囲ばかりだけれど、そんな風に仕事をしたいと思った。
そして、結局行き着くのは、やっぱり自分のことを自分がよく知っておかないとなぁ、というところだ。どんなことを書きたいとか、どんな姿が夢だとか、人にわかってもらうためには自分がちゃんと言葉にできることがまず第一だと思う。これまで何度も感じてきたことだけれど、自分に見えてくる課題は大体いつも同じだ。ふとしたときに「あ~らお久しぶり♪」という感じで現れてくる。笑
自分の心と向き合いつつ(そのためにいろいろ書いているのだけれど)、記事に書かれていることを実践していこう。今すぐできることは主に3つ。
noteのプロフィールの自己紹介欄をもう少しちゃんと設定する(どんな記事を書く人なのかを明確にする)
書きたいことをどんどん書く
書く仕事をする人たちとつながりを持つ
書くことを仕事にしていない今でも、実践できることがこんなにあるんだな、と勇気が湧いた。きっとこの積み重ねで目指す方向に進めるはずだ。
話は派生するが、このオンラインサロンの座談会で、江角さんに私のインナーチャイルドと少しばかり会話(チャネリング)してもらった。書く仕事をできたらいいなとか、子育て中は在宅勤務中心にできたらいいなとか、古民家に住みたいなとか、いろいろ思うことはあるけれど、今の方向で私の人生楽しくなりますか?という質問に対して、小さくて可愛い(笑)という私のインナーチャイルドは、目指すべき方向は見えているのに行動していないから、もっと動いてほしい!!と訴えていたらしい。ふむ。身に覚えがありすぎる。
仕事しんどい、と言いながら、業務改善の提案や転職活動には全然至っていないし、古民家に住みたい、と言いながら不動産屋さんに行ったこともない。行動してみると現実が動くことは先述の通り明白なのだから、自分の声を聞いてまずやってみる!!と私のインナーチャイルドが伝えたがっていたために、この記事にも出会えたのかなと思った。
まさに、小さなことからコツコツと。すべてはそこから始まる。夢を描けば叶えられる。この記事から、優しくも力強いエールをもらった。
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