マガジンのカバー画像

発見があった記事

248
なにげに見つけた興味深い記事や面白い記事など
運営しているクリエイター

#エッセイ

さみしい牛乳

『おとうさん、ぎゅうにゅうちょーだい』 息子のこーくんは小学2年生。好きな飲み物は牛乳だ。食事の時にも、給食の要領で牛乳を飲む。麦茶や水をすすめてみても、聞く耳をもたない。 「ちょっと待ってね」 最近、我が家はいつもと違うスーパーで買い物をした。その結果、今日から冷蔵庫にはグリコの牛乳が並んでいる。 『おとうさん、ちょっとそれは……』 「こーくん、パッケージは違うけど、中身は牛乳だよ。おんなじだよ」 『いや、でも……』 かなり嫌そうにしている。パッケージを見るの

stand.fmで知らない人の配信を聞けば、あなたの家はカフェになる

すごい時代になったもんで、インターネット環境さえあれば誰でもラジオパーソナリティになれるらしい。世間にお届けするレベルの声ではないし、そもそも喋り続ける自信もないのでぼくはやらないが、聞く分には案外面白い。 1.邪魔にならない雑音「勉強・作業するときに何を聞けばいいのか」は、音を記録する機械が発明されて以降、我々人間に立ちはだかる大きな大きな問いだと思う。 好きな曲を聞けば一緒に歌いたくなってしまうし、かといって知らない曲を聴くと「うわこれ良い曲だ、プレイリストに追加しよ

「論破の技術」はいらない

漫画家の山田玲司が「論破は幼稚」だとしている動画を見た。 まあ、内容としては概ね同意である。ひろゆき氏の「論破」については、自分の記事でも以前に取り上げたことがある。 いつぐらいに書いたんだったか、と思ったら2年前の記事だった。月日が経つのは早いものだ。 * 動画によれば、「日本ではスポーツとしてのディベートが根付いていない」ということだった。つまり、ディベートというのは哲学などにおけるある種の「手法」であり、議論を重ねてよりよい結論を導き出そう、というやり方である。

Twitterの時代の終わり……

イーロン・マスク氏がTwitterを改革し始めたこととは関係なく、ただ単に自分が合わなくなったというだけなのだが、いよいよTwitterを本格的にやらなくなった。 何年か前、Twitterを更新しなかった日が何日あるのか調べてみたことがあるのだが、その時点では、Twitterを始めてから10日にも満たなかったと記憶している。つまり、かつてはほぼ毎日欠かさず、何かしらツイートしていたらしいのだ。それが、最近はツイートしない日の方が圧倒的に多く、1ヶ月ぐらい何も呟かないときもあ

凡人が一番「生き残る」のでは?

SNSや雑誌の記事、ネット記事などを見ていると、「生き残る」といったメッセージを含んだ内容のものが目につく。「これから、AIに仕事が奪われる中で、生き残る仕事」みたいなテーマはみんな大好きだろう。 AIにさして関心のない人であっても、「AIに仕事を奪われるかどうか」みたいな話題は気になるのではないだろうか。自分の食い扶持が残るかどうか、という死活問題に直結するからだ。 「生き残る」という観点では、「とにかく優秀にならなければ」とか、「とにかく抜きんでた能力を獲得したり、実

祖母の家で29年前の写真を見つけて、泣けてきた。

明石海峡大橋が好きなんです。 彼の着工は1988年5月。 私が生まれたのは1989年4月なので ほぼタメです。 ↑の表紙の画像は当時の祖母の家の ベランダから撮った29年前のもの。 先日たまたま、祖母の家に行ったときに 見つけました。 両親が共働きだったので 祖母の家に預けられることが多くて 毎日そこから海を眺めていたのを思い出します。 もの心ついた時から、見ている景色。 一番古い記憶かもしれない。 海に浮かぶ大きな船を見つけては、 理由もなくウキウキはしゃいでたの

「賃上げ」で生活は豊かになるのか?

最近、テレビのニュースなどでよく「賃上げ」という言葉を見かける。僕は専門家ではないので厳密に理解しているわけではないのだが、テレビで報道されている「賃上げ」の内容に対して、少し違和感があるので、それについて書いてみたい。 賃上げがされず、日々の仕事が苦しい、と訴えている人がよくテレビに映っている。しかし、それの根本的な原因は「賃上げがされないこと」なのかな、という違和感である。 こないだテレビで見たのは、「賃上げがされず、これからもされる気配がないので、将来が不安」という

仕事にモチベーションは必要ですか?

誰しも、月曜の朝は憂鬱だと思う。僕もそうである。別に仕事が嫌いだというわけではないが、ああ、また忙しい一週間がはじまるのか、と憂鬱な気持ちになる。 ただ、月曜日の「朝」がしんどいのであって、いったん月曜日に入って、仕事モードに入れば、あとはその波に乗るだけである。最初の始動が大変なのだ。なので、無事に軌道に乗ることが一番大事で、「月曜日の夜が一番嬉しい」と妻によく言っているのだが、あまり理解されない。 * 先日、ゲーム業界で働く人の動画を見ていて、「スタッフのモチベーシ

昆虫は食べ物ですか?

最近、にわかに「昆虫食」がブームになっている。しかし、だいたい10年ぐらい前に「これから昆虫食がくるぞ!」という謎のムーブがあり、そのときは「へえ、そうなのか」と思っていたので、「やっとか」という感じである。 しかし、実際のところそれは思い過ごしで、さほど「来て」はいないようである。もちろん、センセーショナルなので話題にはなるものの、市場規模としては10億円程度であり、まだまだ市場としては無視できるほど小さいものだ。 話題性はあれど、メジャーといえるほどの存在ではまだない

負荷をかけるほうが健康?

年始からダイエットを始めたのだが、明確に効果が出てきた。1月10日前後が一番やばかったのだが、そこからみると7キロ近く痩せた。もともとの体重が増えすぎていたというのもあるが、まあまあの進捗である。 太ってしまったことによる見た目的な問題ももちろんあったのだが、一番気になっていたのは、なんとなく身体が重いというか、座っているだけでなんとなく身体がだるい、みたいなところがあった。いまは身体が軽く、老廃物があまり溜まっていないような、爽やかな感じがある。 * ダイエットのやり

大阪駅のホームレスのお婆さんの後ろ姿が妻にそっくりで思わず涙が流れた話

私たち夫婦は十数回引っ越しをしているけど、30歳から32歳までの2年間を転職したために、大阪に住んでいたのですよ。 その大阪にいた頃の思い出話をしてみたいと思います。 その当時、九州・鹿児島から転職で大阪に引っ越してきた私たちは、大阪北部の吹田市のマンションに住み、地下鉄御堂筋線の桃山台という駅から淀屋橋の会社まで通っていたのですね。 正確には、桃山台駅から御堂筋線の江坂駅までは「北大阪急行電鉄南北線」なんだけど、そのまま新大阪を途中駅に持つ「地下鉄御堂筋線」に相互乗り

友だちは「情報」か?

先日、「ゆる言語学ラジオ」というYouTubeチャンネルを見ていたら、「友人」について雑談している回があった。 このふたりはとても仲がいいのだが、「あまり友達がいない」らしい。 曰く、友達と会って話をしていても、普通に本を読むよりも話が面白くなかった場合、「本でも読んでいたほうが面白いんだけどな」と思ってしまうらしい。つまり、本を読むように、新たな情報を得るような気持ちで友人と接している、ということになる。 なので、「友人を情報で見ている」と批判されることがあるのだとか

令和の時代に集団面接で「子どもを産む予定」を聞かれた話

多様性が叫ばれる時代に、まさかこんなことが。 こんな気持ちになるのは私だけにしたい、と思うような体験でした。 ◆◆◆ 2021年夏、私は大阪のとある企業にいました。 事務職に応募していて、その日は一次面接でした。 事務作業の能力を測る簡単なペーパーテストを受けた後、集団面接にうつりました。 ◆◆◆ 面接官は男性と女性一人ずつ。 応募者は私以外に、20代後半から30代前半と思われる女性が3人いました。 応募者4人に向けて、転職理由と志望理由、経歴についての当たり障り

編み物の連続性が好きだ

私はものづくり全般が好きなのですが、とくにやっていて楽しいと思うのは編み物です。 なぜ編み物が好きなのか考えてみたのですが、間違えて編んでしまったときに、ほどいて戻ることができるところが、好きな要素の一つだと気がつきました。 編み物をしていると、手の加減できつく編みすぎたりゆるく編みすぎたりして、編み目は間違っていなくてもほどいてやり直すことがあります。 今まで編んだ部分がなくなるのはショックですが、思い切ってするするとほどいて編み直すと、直す前より加減がいいものに仕上