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Twitterはどうなるのか?

電気自動車大手のテスラや、宇宙開発ベンチャーのスペースXのCEOであるイーロンマスクがTwitterの買収を完了して、連日のニュースをにぎわせている。なかでも、Twitterの社員を約半分解雇したというニュースが非常に話題になっている。

ほとんど人権無視みたいな感じで不当な解雇が行われている……と思ったのだが、不思議なことにTwitter社員に対する同情的なコメントはさほど見られない。そもそも余分な部署や人員が多かった、という意見もある。

もちろん僕は外部の人間なので、妥当性については何も言えない。

興味深いのは、このTwitterの買収もあってか、イーロンマスクはこれまで世界一の大富豪とされていたアマゾンCEOのジェフベゾスを抜いて、世界一の大富豪になったようなのである。

イーロンマスクはテスラ、スペースX、TwitterのCEOになったのだけれど、個人的に興味深いのは、この3社ともいわゆるGAFAMと呼ばれるメガベンチャーのいずれでもない、ということである。

コロナ禍において、「巣ごもり需要」と呼ばれるものが加速し、GAFAMをはじめとするIT企業は非常に大きな恩恵を受けた……とされるのだが、コロナの収束によって、いずれもかなりの苦戦を強いられているようだ。

その筆頭株が元Facebookで、メタバースに力を入れているという名目で社名を改変したMETAである。メタバース事業は巨額の投資を行っているにもかかわらず壊滅的な状況にあるらしく、一年で時価総額が76兆円も目減りするなど、とんでもないことになっている。

もちろんこの後持ち直すかどうかはわからないのだが、少なくとも今はバブルが弾けたような状態と見て良いのだろう。テスラもスペースXも、どちらも製造業であり、割と純粋なテクノロジー&エンジニアリングの会社なので、実体のないよくわからないIT企業とはちょっと違う毛色の会社である。しかし、こういう会社が評価される世界のほうが自然なようにも感じる。

しかしイーロンマスクの買収によってTwitterのサービスがどう変わるかは興味深く見ている。実際のところ、僕は10年ぐらい前は熱心にTwitterをしていたが、最近ではほとんど触る事はなくなった。理由はシンプルで、なにも書くことがないからだ。

ある程度まとまった自分の考えはこうしてnoteに書くほうが効率が良い。Twitterに長文機能をつけることも議論されているようだが、あんなに速く文章が流れていってしまうメディアで長文を出したところで、おそらくほとんどの人には読んでもらえないだろう。Twitterは短いからこそ価値があるのでは、と思っている。

いま、どのようにTwitterを利用しているかというと、例えば電車が事故で遅延してるときにいつ動き出すかとか、地震が発生したときに被害状況がどの程度かとか、即応性を活用した使い方がメインである。ブログや公式ホームページなら更新までにある程度の時間が必要だが、Twitterならボタンひとつで投稿ができるため、こうしたリアルタイムの高い情報を得ることができる。

また、事件が発生した際に、これについて世の中の人がどう感じているのか「検索」することが多い。一般の人々がどのように感じているか、すぐにわかる世の中になったので、その点はありがたいと思っている。

一方で、自分からTwitterで情報を発信するメリットは、なんらかの告知や宣伝を除けば、ほぼない。もっとも、Twitterというものが本来意図していたよりも大きくなりすぎたせいで、過剰な意味を持たされているだけかもしれない。

しかしこのたびイーロンマスクの傘下になったということで、マスク氏の起業したエンジニアリングを主体とした会社としてはちょっと毛色が違うものになるけれど、今後どう変化していくかは見ものである。

それにしても、Facebookなどもそうだけれど、大成功したIT企業って「コンセプト不在」で大きくなった会社が多い傾向にある。なんというか、「これで世界を変える」というお題目が薄いように感じるのだ。

このあたりにイーロンマスクがどう切り込んでいくのか、というのも着目している。


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