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#note100日継続
30日間の革命 #毎日小説21日目
加賀は一瞬固まった。何で馬場がそんなことを知っているのか分からなかった。革命を起こすための活動は最近始まったばかりで、現時点で知っているのは、坂本と森下と加賀だけである。手崎や神原にもコンタクトをとっていたが、革命の話はまだしていない。
「ごめん、それってどういうこと?」
加賀は、馬場からもっと情報を聞き出すべく質問をした。
「どうもこうも、今言ったことそのままですよ。多分坂本先輩を
30日間の革命 #毎日小説22日目
(馬場は確かに頭も良さそうだし、人気もあってリーダーシップもある。でも、どこか裏があるような、そんな感じがするんだよな)
加賀は悩んでいた。能力だけで言えば、手崎や神原よりも遥かに優れており、馬場を迎え入れることが何よりも得策であるはず。しかし、引っかかるのは、情報を知りすぎていることだった。いくら顔が広いからと言って、1年生が3年生の交友関係まで知っているはずがない。恐らく、馬場自身で情報
30日間の革命 #毎日小説23日目
翌朝、加賀と坂本は登校中にばったりと会った。
「小春、おはよう」
「あらセト、おはよう」
いつも始業ギリギリに登校している加賀が、坂本と同じ時間に登校することは珍しかった。
「今日は早いわね」
「うん。なんか目が覚めちゃってね。しかし、朝余裕があるってのも気持ちの良いもんだね」
「毎日そうすればいいのよ」
「毎日かー。それはちょっと難しいかも」
二人は話しながら
30日間の革命 #毎日小説28日目
「今度、他の生徒を集めて集会を行う予定なの。その集会に向けて、みんなには仕事をお願いすることになると思うから、よろしくね」
他の生徒にも革命を浸透させるために、現在小規模での集会を計画中だった。森下がその集会に参加してくれる生徒を集めていた。
「集会っていつやる予定ですか?」
神原が坂本に問いかけた。
「そうね。遅くとも、6月上旬にはやりたいと思ってる。集会に参加してくれる人の目
30日間の革命 #毎日小説30日目
加賀の不安は的中していた。馬場が笑顔になったのには理由があったからだ。
加賀の下につけと言われたとき、一瞬は不服に思ったが、加賀を失脚させるチャンスだと思った。ここで加賀との実力の差を見せつけ、坂本も自分のことを認めざるを得ない状況にする算段を思い付いた。
「それじゃあ、6月6日の集会に向けて、各自仕事を進めてちょうだい。そして、明後日の放課後、またここ第二視聴覚室に集合してね」
坂
30日間の革命 #毎日小説33日目
集会当日の朝、準備のためメンバー全員は学校が開門する7時30分に学校へ集合した。
「やべー。いつもならまだ余裕で寝てる時間だよ」
加賀はまだ眠たそうに目をこすりながら話した。そんな加賀にお構いなしで、坂本はメンバーへ呼びかけた。
「さあ、最終準備と流れの確認を行うわよ」
第二視聴覚室にて、イスのセッティングや簡単なリハーサルなど、最終準備が行われた。会場のセッティングは前日までに
30日間の革命 #毎日小説34日目
会場は少しざわめいた。そして、近くにいたメンバーたちも動揺を隠せなかった。いきなり”革命”と言われても、理解できるはずがない。一人ひとりに説明するならまだしも、30人の前では通じないのではないかと不安になった。事実、学生たちの中には、少し笑ってひそひそと話し合う姿も見られた。しかし、坂本はそんな状況を一切気にせず話を続けた。
「まず始めにみんなに分かっておいてほしいのは、今言ったこと、そして
30日間の革命 #毎日小説38日目
次の集会は、白の会の活動にとって大きな試金石となる。そう坂本は思っていた。学校行事でもないので、自主的に学生たちに「参加したい」と思わせなければならないということ。そして、何よりこの集会を成功させなければ、革命自体も達成するのが難しくなるということ。100人の気持ちを動かすことも出来なければ、自分たちで学校を変えることなんて到底できることじゃない。そう坂本は思っていた。
そこにきて、更に不安