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儀礼的な付き合いをやめてみる
「お中元離れ」、「お歳暮離れ」という言葉を聞きました。
ナンタラ離れというとネガティブな印象がありますが、時代とともに人との交流のあり方が変わるのは自然なことです。
人とのやり取りの中で、本当に必要なものかどうかを考えて見直していく。
ナンタラ離れも、悪い面ばかりではないと思います。
ところで。
「バレンタイン離れ」ってのは、ないんですかね?
いや、決してリア充爆発しろ的なことを書きたいのではないんです。断じてない。
でもティーンエイジャーの頃、感じた人もいるでしょう。
自分の身にも何かが起こるんじゃないかと無駄な期待を抱きソワソワする、アレを。
まるで貰ったブツの多寡で人の優劣が決定されるかのような気になってしまう、アレを。
内心煩わしく感じた人も多いのではないのでしょうか。
まぁ、それはそれとして。
それより問題なのは、用意する側の心理的な負担です。
さして親しくもない同級生にまで付き合いで友チョコを配ったり。
ぶっちゃけ料理そこまで得意でもないのに周りに合わせて菓子を手作りしたり。
(うちのオカンも料理が苦手です。「学生時代に友チョコ文化がなくて良かった」と語っていました。笑)
貰ったら貰ったで、お返しをしなければならない負担が発生する。
お返ししなければならないという法律はないが、それ用にホワイトデーなる記念日がわざわざ用意されているところが義務感を増幅させるんですよね。
社会人になりたての頃、同じ部署の同期から貰った。
嬉しく思う、反面お返しに頭を悩ませるようになった。
お返しとして渡したブツに対して
「え、ショボくない? 小学生かよ(笑)」
「気合い入りすぎ、重い(笑)」
「あの人ってやっぱセンスないなー(笑)」
なんて感想を抱かれてしまうのも辛い。
ティーンの頃は全く考えつかなかったなぁ、こんなこと……
こんなに心にさざ波を立てるような行事なんて、いります?
だったらもう、一切やめましょうよ。
ハロウィンの仮装行列の如く、やりたい人が(やりたくない人を巻き込まずに)やればよろしいのです。
「年賀状じまい」といって、毎年出していた年賀状をやめる人もいるそうです。
年賀状じまいのように、バレンタインじまいをしてみるのも選択肢の一つだと思いませんか?
そういう行事だからということで、とりあえず物を送る。
貰った側はとりあえずお返しする。
こんな儀礼的な付き合い、もう打ち止めにしましょうよ。
自分の同僚は、毎年妹がこの時期にプレゼントを送っていたが、去年のバレンタインに、「今回で最後にする」と宣言されたそうだ。
特に家族仲が悪化したわけではないとのこと。
これで良い。
感謝を伝える方法なら、他にいくらでもあるのだから。