Estate(IB Educator)

Shinwa Miyachi 元公立中学校理科教諭。国際バカロレアPYP認定校にて勤務…

Estate(IB Educator)

Shinwa Miyachi 元公立中学校理科教諭。国際バカロレアPYP認定校にて勤務(2022.4~2024.3)。IBカリキュラムを基盤とした概念型授業実践の足跡を残したい。悩みを共有して、一緒に考えたい。そして時々、日本酒やサウナについてめんどくさい感じで語りたい。

マガジン

  • 概念って結局何?

    「概念とは一体何なのか?」 紆余曲折していく私個人の見解を、垂れ流していきます。 ”辞めないこと=継続”レベルの更新頻度。やたらと鼻につく小難しい話を耐えられる人向け。

  • Unit もののしつ

  • 評価の意味を考える

    学校教育における「評価」ってなんなのか?

最近の記事

概念って結局なんなんだ?【IB・MYP】Part1

国際バカロレアのguideと睨めっこしていると、 よく見る文字。「概念」。 guideではよく、重要概念とか関連概念とか、 そんな風に書かれています。 (2024.4現在) とりあえずカリキュラムの中では、 ”重要”とつけられているぐらいなので、 重要なのだろうという認識でいた今まで。 ようやく2年ほど経過して、 考えをアウトプットしようという気になりました。 で、結局概念ってなんなんだ?って話。 そんな話をシリーズ化したいなと思い始めています。 (ようやくマガジンの使い方

    • ものを分けてみる【IB・MYP・Science】ものシリーズPart6

      長かったProvocationを経て・・・ 実践的な調査活動へと突入していきました。 今回はそんな調査活動に関する実践の入り口のお話です。 4−1 素材マスターになろう生活を構成している”もの”を分解して、ある程度”もの”への感度が 高まったところでこんな問いかけをしました。 4-1.1 ”もの”の素材の質的なちがいって何? 生徒は、ポカンでした。 質的と言われましても・・・。そもそも質的ってなんやねん、と。 ということで、ここで天下のEテレ。公立時代も散々お世話にな

      • ものを分けてみる【IB・MYP・Science】ものシリーズPart5

        重い・・・。 腰が重い・・・。 気づいたら前回の投稿からまもなく4ヶ月・・・。 頭の片隅に書きたい気持ちはずっとあったんです。あったんです。 けど、日が経てば経つほど書く気持ちが重たくなるという不思議。 細々切れ切れではあるけれど、続けまーす。 3−1 ものを分解してみる さて前回までで「もの」という言葉の共通理解を図り終えました。 ここからは一つ大型のアクティビティをいれようと心に決めていました。 こんなスタートです。 「ものを分解してください」 すると生徒たちは、

        • 【IB・MYP・Science】Unit”もの”の探究(ものシリーズPart4:概念的理解の再構築編)

          今回は授業の実践ではなく、カリキュラム設計のお話です。 なんと、Unitが始まり1ヶ月ほど経った頃にカリキュラムの根幹であるConceptを再構築することにしました。非常に安直で大雑把な理由なのですが、「しっくりこない」のです。今日はその再構築に至るまでの流れとその再構築を実際にどのように行ったのかについて、書き溜めておきます。 以下リンクに、その「しっくりこない」概念やそれ以外のカリキュラムの設計について流れを記録しております。そちらから読まれることをオススメします。 カ

        概念って結局なんなんだ?【IB・MYP】Part1

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        • 概念って結局何?
          1本
        • Unit もののしつ
          7本
        • 評価の意味を考える
          3本

        記事

          【IB・MYP・Science】新学期Unit”もの”の探究(ものシリーズPart3後編:質量と体積の定義編)

          質量チームと体積チームに分かれた生徒たちが、 最初は死んだような目をしていたものの、 もがきながら探究していく様子を前回お伝えさせていただきました。 毎時間の詳細を記述していくと、見えづらくなることがあります。 それは、「何を教えるのか」ということです。 この記事でもお伝えいたしましたように、 このUnitの核となっているのは、「概念的理解」を目指す というところです。 IB教員によって設計されたIBカリキュラムであれば、 この概念的理解という核は、明記されているかどうか

          【IB・MYP・Science】新学期Unit”もの”の探究(ものシリーズPart3後編:質量と体積の定義編)

          【IB・MYP・Science】新学期Unit”もの”の探究(ものシリーズPart3前編:質量と体積の定義編)

          ものシリーズPart3!今回書き残すのは「質量・体積とは何か」という 言葉の定義に近い探究の顛末。 心の中の叫びも合わせて包み隠さず、書きます。 相変わらずの駄文ではありますが、最後までお付き合いいただければ幸いです。 2−1問いの投げかけと生徒の目さて、質量と体積とは何なのでしょう? と1週間前に問いかけてからというものの、 問いかけた瞬間の、その時の生徒たちの目がたちまち変化していく光景を なかなか頭から離せずにいました。 語弊を恐れず言いますと、「生徒たちの目が死ん

          【IB・MYP・Science】新学期Unit”もの”の探究(ものシリーズPart3前編:質量と体積の定義編)

          【IB・MYP・Science】新学期Unit”もの”の探究(ものシリーズPart2:実践スタート編)

          9月第1週から単元スタートしました、”ものシリーズ”。 紆余曲折・悪戦苦闘しながら、進めています。 今回はその実践スタートラインに立ちました回の話です。 1−1スタートはシンプルな質問から。「シンプル」と言いましても、何を持ってシンプルとするか解釈が異なりますから、ここでは「シンプル」=「比較的短く、概念を問う」という意味をもたせることとします。問いはこうです。 ものとは何か。 問いに対して、質問のようなフワフワとした考えがいくつも飛んできました 「生物はものってついて

          【IB・MYP・Science】新学期Unit”もの”の探究(ものシリーズPart2:実践スタート編)

          【IB・MYP・Science】新学期Unit”もの”の探究(ものシリーズPart1:Unitの設計編)

          ”もの”ってなんなんでしょう。 水ってもの?生き物って・・・地球って・・・。 そんな問いかけからスタートしましたこのUnit。 現在、絶賛実践の毎日を過ごしております。 夏休み、仙台で行われましたIB PDworkshop、 MYP Science cat1に参加してきまして、 ようやくIBのユニフォームを着れたような気になっております。 そんな気も相まって、非常にやる気勇んで このUnitに入りました。 これから継続的に(ファイト、自分)このUnitに関する実践記録を

          【IB・MYP・Science】新学期Unit”もの”の探究(ものシリーズPart1:Unitの設計編)

          【IB・MYP・評価】学校における”評価”を手作り玉ねぎ麹に対する辛口評価エピソードと無理やりこじつけてみる。(現在の実践編パート2)

          今現在IB校に勤務している自分が、実践の中で”評価”という言葉をどのように使用しているのかについて、前回の記事に書きました。 今日はもう一つの実践例を紹介します。 理科Unitの概要(別学年) 別の学年で今現在教えている理科のUnit。 UnitのStatement of Inquiryは 「自然環境を構成するものは、相互作用を繰り返し、絶えず変化を受け入れる」としています。こちらの学年も前回同様、生物の内容構成です。 主に動物を題材として取り扱っています。 これまで、

          【IB・MYP・評価】学校における”評価”を手作り玉ねぎ麹に対する辛口評価エピソードと無理やりこじつけてみる。(現在の実践編パート2)

          【IB・MYP・評価】学校における”評価”を手作り玉ねぎ麹に対する辛口評価エピソードと無理やりこじつけてみる。(現在の実践編パート1)

          玉ねぎ麹、つい四日ほど前にも作りました。 本当に簡単で、みじん切りにした玉ねぎに塩と麹を混ぜるだけ。 昨年度までは”ソフリット”と呼ばれるイタリア料理によく使われる 香味ベースを時間と労力とエネルギーを大量に消費して 作っていたのですが・・・。 目に見えないほどの小さな微生物である麹菌たちが、 大きな生活の変化を自分にもたらしてくれています。 「小さなものの集まりが相互作用すると、大きな変化を起こす」という IB用語のなかで言うところのCentral Ideaのような St

          【IB・MYP・評価】学校における”評価”を手作り玉ねぎ麹に対する辛口評価エピソードと無理やりこじつけてみる。(現在の実践編パート1)

          【IB・MYP・評価】学校における”評価”を手作り玉ねぎ麹に対する辛口評価エピソードと無理やりこじつけてみる。(過去想起編)

          ここ3ヶ月、玉ねぎを麹と混ぜ合わせることでできる調味料 ”玉ねぎ麹”に、はまっています。 塩も混ぜ合わせて発酵させるのですが・・・ 最初に作った時は、塩加減が思うように掴めません。 玉ねぎ麹第1号に漬けて焼いたお肉を振る舞うと、 「塩辛すぎる!食べ続けたいと思えない」という言葉を受けました。 私自身は食べられなくもないなあ程度だったのですが・・・ 『ああ、辛口な評価を受けたなあ』と思い出します。 で・・・、ここからが本題なのですが。 「学校と呼ばれる場所で行われる”評価

          【IB・MYP・評価】学校における”評価”を手作り玉ねぎ麹に対する辛口評価エピソードと無理やりこじつけてみる。(過去想起編)

          「かたち・もよう」がもつ機能について

          現在私はホームルームティーチャー兼、理科の授業を担当しています。 最初のUnitの重要概念は、「Relationships」。 形態は機能に従う。という言葉がどうやらあるようですが、 その考え方は自然界にもみられるのではないかということです。 生徒たちは「かたち・もよう」のパターンに気づき、 その構造がもつ機能について探究しています。 (なんだか、文章にすると無茶苦茶かっこいい感じに聞こえる!!) ここまでの2ヶ月で何をやってきたのかというと ①植物に見られるかたち・もよ

          「かたち・もよう」がもつ機能について

          【IB・MYP】兎にも角にも自己紹介

          初めてのブログ 「ブログを書く」という動作を人生で初めて行うので、 何をどう書き始めたら良いやら、混乱を極めているのですが・・・ 兎にも角にも、IBの世界に飛び込んで早1年と2ヶ月。 「何かを書いて、溜めて、残しておかないとっ!」と 居ても立っても居られない状態です。 とりあえず、プロフィールにも少しは書いておきますが、 何となくの自己紹介と経歴を。 【Estateのプロフィール】  ”Estate”とは大学研究室時代に教授から与えていただいたコードネーム。  由来

          【IB・MYP】兎にも角にも自己紹介