組織文化設計の学校

【循環→サイクルビリティ】という視点で組織文化を考えるプラットフォーム・コミュニティ。…

組織文化設計の学校

【循環→サイクルビリティ】という視点で組織文化を考えるプラットフォーム・コミュニティ。みなさんに伝えていきたいコラムやレポートをこちらのnoteで発信していきます! 運営by 株式会社エスパシオ

最近の記事

金の重さではなく、純金度合いをみる■□下田コラム□■vol.102

陽明学の中で、王陽明と弟子のやり取りで次のようなものがある。 「金の重さが大切なのではない」 「純金度合いが大切なのだ」 思いっきり、超訳してしまっているが、まぁそんなものがある。 つまり、俺は金100グラムだ。お前は60グラムしかない。と重量を競っても意味がない。 その100グラムは純金度合い何パーセントなのかが大事だ。 100グラムあっても純金度合い5%しかなく、60グラムあっても純金度合いが50%だったら、60グラムの金の方が価値がある。 この話はいろいろ発展し

    • 「自立した人と組織を育成する協会」設立■□下田コラム□■vol.101

      この度、2023年9月1日に「一般社団法人 自立した人と組織を育成する協会」を設立し、私が理事長に就任しました。 「自立した人と組織を育成する協会」は、その名前のとおり自立した人と組織が世の中にあふれることを理想とし、そのような人と組織を育成する目的で作った協会です。 大谷翔平のマンダラチャートでも有名になり、企業だけではなく公共機関や学校教育の現場、アスリート指導などでも活躍し、成果を出している原田隆史氏と一緒に立ち上げた協会です。 「自立型の人間」とは、自分の人

      • その判断はどんな念からでてきたものか?●○下田コラム○●vol.100

        月に1回20代を中心とした経営者の方々と陽明学の勉強会をやっている。 今月の学びの中で、次の一節が出てきた。 「善悪の判断が、理法的ではなく、恣意的な念である限り、錯誤は避けられない」 つまり、その判断が、道理ではなく自分の私心から出てきたものであるときは、事の結末が悪い方向にいったり、トラブルのもとになったりするということだ。 人事や労務のことでいえば、時として従業員に辞めてもらわないといけない場合がある。 その判断をするときに、それはどんな念からの判断なのかが重要

        • 自分の立ち位置と事業構想■□下田コラム□■vol.99

          最近、事業構想へのアドバイスを求められることが多い。 自分自身が事業構想をまとめ上げる側に立つ機会もあったりする。 その中で、自分の立ち位置を改めて考えさせられる。 立ち位置といっても職業上のポジションではない。 自分の今までの経験の中で培ってきた立ち位置だ。 もちろん、その中には職業上のポジションがあったからこそ見えているものもあるのだが。 私は、2002年の時に28歳で社会保険労務士を始めた。 それから20年以上この仕事をしている。 だからここでの経験が自分の中の大

        金の重さではなく、純金度合いをみる■□下田コラム□■vol.102

          丁寧な生き方■□下田コラム□■vol.98

          先日、ある方のオフィスを訪ねた。 ある方といっても、他界されてしまった方だ。 大変お世話になったその方の執務室がそのまま残っているという。 その方の生き様を記憶に刻んでおきたく、また感謝の気持ちも表したく訪問させて頂いた。 机の上は、まるで今朝まで仕事をしていたかのようにそのままだった。 たくさんのメモと書籍がそこにはあった。 秘書の方から普段の仕事ぶりを教えて頂いた。 そこには、我々には決して見せないその方の生き様があった。 机の上には、小さい字で印刷された無数の用

          丁寧な生き方■□下田コラム□■vol.98

          本音が話せる環境をつくる■□下田コラム□■vol.97

          ビックモーターの不正事件が世間を大きくにぎわせている。 社長は、会見で事実をまったく知らなかったと言っているが、多くの人がその発言を信じていないだろう。 100歩譲って、個々の不正の事実を知らなかったとしても、会社全体で正しくないことが起きている事実に勘づいていないわけがない。 本音が言えない組織になっていたことは容易に想像がつく。 といっても、世の中に100%本音で言える組織があるのかとなるとそれにも疑問符がつく。 また、100%本音で言える組織を目指すことが本当に正し

          本音が話せる環境をつくる■□下田コラム□■vol.97

          文章量からわかること■□下田コラム□■vol.96

          自分の考えをまとめるとき、文章を作ることをおすすめしている。 というのは、二つのことに役立つからだ。 ひとつは、自分がそのことについてどれだけ理解しているかがわかるということ もうひとつは、自分の考えを整理するということ 文章を書くことが苦手という方がいる。 だから、長文が書けないという。 私は、長文(文章)が書けないのは、そのことについてよく理解していないからだと思う。 確かに文章の巧拙はあるかもしれないが、文章量と得意不得意は関係がないのだ。 そして、書く作業が

          文章量からわかること■□下田コラム□■vol.96

          これからの人事労務管理は、「感情」をいかに扱うのか?■□下田コラム□■vol.95

          これからの時代は、働く人の「感情を快」にしてあげられる組織が市場に残っていけると考えている。 それを私は「心のマネジメント」といっている。 「心のマネジメント」というと、会社が自分にとって都合の良いように働く人の心をコントロールすることかと思う人もいるかもしれない。 もちろん、そんなことではない。 働く人が最高のパフォーマンスを発揮できる心理的状態を作ってあげ、充実感で満たされた日々を送れるようにしてあげることだ。 その結果、会社の生産性も向上するとうい場づくりである。

          これからの人事労務管理は、「感情」をいかに扱うのか?■□下田コラム□■vol.95

          いつも決まったところにいく■□下田コラム□■vol.94

          池袋に引っ越してきて2か月ちょっと。 お気に入りのランチの店がいくつかできてきた。 その中のひとつ、まぜそばの店に今日も行ってしまった。 僕は定番の店が見つかると、そこばかりに行きがちだ。 そして、頼むものまで定番化している。 いつも食べるメニューのためにその店に行くというのが正しいかもしれない。 本当に冒険しないのだ。 それは何なのだろうと考えてみる。 おそらく「ランチで冒険をしてよいことがなかった」という経験が僕の潜在意識の中に入り込んでいるのだと思う。 い

          いつも決まったところにいく■□下田コラム□■vol.94

          何をすれば「心のマネジメント」が実現できるのか?■□下田コラム□■vol.93

          前回は「心のマネジメント」がある組織とはを説明してみた。 「心のマネジメント」が効いているためには、最初に組織の状態を把握することが重要である。 心の状態は、次の2つの軸でみていく。 ひとつは「存在感」の強弱だ。 存在感は、自尊心が満たされている度合いを示した指標であり「働きがい、やりがい」を感じているほど強くなる。 もうひとつは「不安感」の強弱だ。 不安感は職場の秩序の保たれていると低くなり、働きやすくなる。 「不安感」が弱く「存在感」が強ければ、仕事に誇りを持ち

          何をすれば「心のマネジメント」が実現できるのか?■□下田コラム□■vol.93

          「心のマネジメント」がある組織とはどんな組織か?■□下田コラム□■vol.92

          最近、いろいろなところで「心のマネジメント」が必要であると話をしている。 今回は「そもそも”心のマネジメント”とは何か?」と「”心のマネジメント”がある組織とはどんな組織なのか?」について話をしてみたい。 仕事では「結果」が求められる。 では「結果」は何によってもたらされるのであろうか? 「結果」は「行動」によりもたらされる。 「原因と結果の法則」ではないが、どんな行動を取ったのかによりどんな結果が得られるのかが決まる。 だから、企業では「行動」を変えるように様々な

          「心のマネジメント」がある組織とはどんな組織か?■□下田コラム□■vol.92

          関西大学で講演■□下田コラム□■vol.91

          5月30日に関西大学で講演させて頂いた。 10年近く付き合いのある陰山教授の授業の中で、90分まるまるお話をさせて頂いた。 社会保険労務士とはどんな仕事かお伝えしつつ、僕か今に至るまでのストーリーを話した。 伝えたことは「人生は誰と出会うかで決まっていく」という話と「人生の目的を見つけることが大事」という話。 偉そうなことは言えない。 僕も大学時代に人生の目的なんて考えたこともなかった。 刺激をもらうような素敵な人たちとも出会っていなかった。 正確には、出会っていたのだ

          関西大学で講演■□下田コラム□■vol.91

          ソーシャルデザインとは■□下田コラム□■vol.90

          4月に事務所を移転して早いもので1か月が経過した。 新たなオフィスの場所は、 HIRAKU IKEBUKURO01 Social Design Library という施設だ。 少し長い名称だけれど、ここには熱い想いが込められている。 そもそもSocial Designとは何なのだろうか。 この施設のファウンダーの一人である立教大学名誉教授の中村陽一先生によると「今までのノウハウややり方では解決できなくなってしまった社会的問題を新たな視点、新たな方法で解決していく」という

          ソーシャルデザインとは■□下田コラム□■vol.90

          「場」を軽視してはいけない■□下田コラム□■vol.89

          先週は、白井尋さんと栃木でご一緒した。 白井さんは24年前にベトナムに渡り、ホーチミンでベトナム家庭料理を出す人気レストラン、フーンライを経営していた。 ただのレストランではない。 フーンライはトレーニングレストランといわれる、ストリートチルドレンの子など家庭的に恵まれない子供しか雇用しないレストランだ。 客としてもレストランに入ったことがない彼らにイチから教育し、一人前に育てたら、高級ホテルなどのレストランに就職させる。 そんなことをやっていたのだ。 しかも、給料を支払

          「場」を軽視してはいけない■□下田コラム□■vol.89

          評価制度や賃金制度で本当に重要なことは?■□下田コラム□■vol.88

          評価制度や賃金制度の作成や改定依頼を頂くことがある。 「評価するポイントが現実とマッチしていない」 「賃金がいまだに年功型になっている」 「ジョブ型雇用にしてそれにマッチした制度にしたい」 多様な問題や課題を感じており、制度を改定しようとする。 それは、確かに必要なことだ。 しかし、多くの場合は会社が感じている問題の解決はそこにはない。 プロの目からするとそう見える。 多くの会社の問題は、 「上司が人を評価するスキルを持ち合わせていない」 「上司が部下とのかかわり方をわ

          評価制度や賃金制度で本当に重要なことは?■□下田コラム□■vol.88

          私心に打ち勝つということ■□下田コラム□■vol.87

          今、SBIホールディングスの北尾吉孝氏の「心田を耕す」を読んでいる。 その中で、こんな一説があった。 超意識(潜在意識を更に超える深層部分)とは仏教的に言うと阿頼耶識というものですが、そこから顕在意識下に情報を持ってこようとする場合、潜在意識の中にある様々な障害物、例えば過去の恐怖や嫌な思い出のようなものに妨害されてしまいます。従って、此の色々な障害物を上手に潜り抜けるべく如何にして超意識の世界に繋がるルートを付けるのかが問題となるわけですが、そういう中では精神的錬磨や学問

          私心に打ち勝つということ■□下田コラム□■vol.87