ソーシャルデザインとは■□下田コラム□■vol.90
4月に事務所を移転して早いもので1か月が経過した。
新たなオフィスの場所は、
HIRAKU IKEBUKURO01 Social Design Library という施設だ。
少し長い名称だけれど、ここには熱い想いが込められている。
そもそもSocial Designとは何なのだろうか。
この施設のファウンダーの一人である立教大学名誉教授の中村陽一先生によると「今までのノウハウややり方では解決できなくなってしまった社会的問題を新たな視点、新たな方法で解決していく」ということだそうだ。
そう考えると範囲は広い。
街づくりなどの問題も当てはまるし、環境問題も入ってくる。介護の問題やジェンダーの問題もある。雇用の部分で考えても、人材難や働く人の意欲の低下なども入ってくるだろう。
これらの問題を従来からのその分野の専門家だけで解決しようとすると、壁に打ち当たり止まってしまうことがよくある。
過去の経験にとらわれてしまい、異なった視点で問題を見つめたり、新たな発想を取り入れることができない。
そこに、まったく異なる分野の人が問題解決のプロセスに参画したりすることが重要になってくる。
つまりSocial Designとは、多様な人が集まり、寄ってたかって、まったく新しい方法を生み出す。それは改革ではなく、変容だ。トランスフォーメーションを起こすことだと理解した。
Social Design Libraryとは、そんなことを引き起こす「場」である。
しかし、堅苦しい場ではない。
気軽に立ち寄ることができ、何気なく人が集まってくる空間である。
その仕掛けに、この場所には「本」がある。
美術館のように本自体がアートにもなり、実践的なツールにもなる。
「問い」をもってこの場に来たとしよう。
何気なく手に取った本がその答えを教えてくれる。
本から本質的であり、もっと深い問いに気が付く。
そんなことが起きたりする。
組織の人にまつわる問題も従来のやり方では通用しなくなってきていることが多い。
雇用形態ひとつとってもそうだ。
正社員=フルタイムで定年まで働く。
パートタイマー=時短、もしくは少ない日数で働き、時給である。
といった、簡単な世界ではなくなって久しいが、今では本当に多種多様である。組織の中に雇用される人とフリーランスが混じっているところや、同じ人が同一社内で労働者とフリーランスの立場を行き来することも普通にある社会となっている。
そんな中で、厚労省や労働法学者だけで新たな世界の在り方を議論していてもなかなかいいアイデアが浮かんでこない。
これは、厚労省や学者の先生の能力が低いからではない。
世の中が、今までのパラダイムの延長に答えがない社会になっているからなのだ。
例えば、副業の問題である。
国は副業が当たり前になる社会を目指すとしているが、それに伴う労働法の整備が全くでてきていない。
厚労省を中心に話し合いはなされているが、結論はまったくいけていない。
それは、今までの労働法の概念にとらわれてしまい、その枠組みの中で解決しようとしているからだ。
副業の問題で解決しないといけないのは、残業の問題だ。
1日の労働時間が8時間を超えた場合に残業代を支払う義務が生じるわけだが、今の法律の考え方では、その労働時間は、複数の場所で働いた場合でも通算して考えるとしている。
つまり、A社で7時間働き、B社で4時間働いた場合は、11時間労働になるので、3時間の残業が発生するということになるのだ。
ちょっと待ってくれ。
そもそも残業に割増賃金を支払うのは、使用者が生産性を上げるために働く人に長時間労働を強いることを抑制するためのものであったはずだ。副業は基本的には、働く本人の希望で行われるものである。長時間労働になったとしてもそれは本人が能動的にその選択をした結果である。
それなのに、複数間の企業でまたがって働いた場合に労働時間を通算して割増賃金を支払うというのは、労働法の根本を忘れている。
結果、とても複雑な制度にしてしまっている。
労働法の専門家が集まっているのに、副業を広めるのに一番根本であるこの問題すら解決できない。
つまり今までのやり方、考え方にとらわれてしまっていて、問題解決できない典型定期な例だと思う。
ここにまったく違う分野の人を積極的に入れて議論をすれば、もっと簡単にもっと根本的に問題を解決できるはずである。
こんなことが世の中の至るところで起こっている。
エスパシオは、このSocial Design Libraryでまったく異なる分野の人の知恵を借りながら、働く人と組織の幸福のための問題解決をしていきたいと思う。
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