■大河ドラマ『光る君へ』第15話「おごれる者たち」感想―祇園精舎のアクスタは諸行無常をぶった斬る
さて、締切仕事に追われているうちに第16話が目の前にやってきてしまい、あわあわしている今日この頃。みなさま、如何お過ごしですか?
ワタクシは、第15話のタイトル「おごれる者たち」を見た瞬間に、「祇園精舎の鐘の声ぇぇぇ(号泣)」と情緒が迷子になっておりました。
いやだって…「おごれる者」と来れば「久しからず、ただ春の夜の夢の如し」と続くわけで……しかも、現段階で「おごれる者」とくれば、そりゃもう中関白家しかいらっしゃらないわけで……あうあう……
とまぁ、そんなこんなで? 第15話の感想です。
実は、この第15話を人生で初めて「パブリックビューイング」で拝見しました。そのあたりのお話はまた別の記事でご紹介いたします。ですが、大勢の方と一緒に大きなスクリーンで物語を見る体験は、なかなかに心躍るものでございました。
ちなみに、第14話の感想はコチラです。
ではでは、うるわしの第15話の感想に行ってみましょう。
■今日の中関白家
■今日も道隆さまはうるわしかったのです
上にも書いたように、ワタクシ、第15話はいつもと異なり、大きなスクリーンで拝見していたのです。
そしたら、ですよ。
初っ端から、大きな画面にうるわしの道隆さまがどぉぉ~ん‼‼とお姿をお見せになり。完全無欠な道隆さま推しの私の心を、的確にダイレクトにぶっ刺しにきたのです。…あぁ眼福、あぁ感涙…そうして、情緒は迷子に…
ただ、ですね。
第15話で、道隆さまったらすでに「体がだるい」とか言い出しちゃってるんですよね…(遠い目)
ここでちょいと我に返ってみますと。道隆さまという後ろ盾があってこその中関白家であり。伊周さまなんて、無意識で「虎の威を借るキツネ」を地で行き、あちこちにフラグを立てまくってるのに。定子さまだって、気を抜くと帝とふたり愛だけを頼りに道行きする「桐壷更衣ルート」を歩みそうになってしまうのに。
そんな大事なお体なのに、公務を休んでしまうほど「だるい」と……すでに糖尿病の症状が出て、道隆さま、誰よりものっぴきならないフラグが立ててるやん……
道隆さま、お願いですから、ほんとにお酒、辞めてください(懇願)そうして、ご健康に天寿を全うし、この私めに白の冠直衣のアクスタをください(土下座/1週間ぶり4回目)
■兼家パパりんの退場後のお話
第14話では、兼家パパりんがご退場になりました。そのあたりのかわいい♡裏話を、パブリックビューイングと一緒に行われたトークショーで、財前直見さんがお話してくださいましたが。それはまた次の記事に書くとして。
ここでは、残された三兄弟(+α)について考えてみたいのです。
長男(嫡男)である道隆さまは、兼家パパりんのように生きたい、そうして、兼家パパりんを超えたいと念じて、ここまでの時間を歩まれてきました。
また、次男の道兼どんは、厨二的に屈折はしていますが、兼家パパりんに認められたい、褒められたいと一心に願い、それを行動原理としていました。
さらに、末っ子の道長どんは、そんな兄たちを俯瞰で眺めながら、横目で見ながら、「貧乏旗本の三男坊」よろしく、我が道を大らかに歩もうとしていたのです。
ちなみに、妾妻腹の道綱どんはひたすらかわいい☆ですが、おそらく自分の出自や行く末をもっとも冷静に理解していた人物でもありましょう。
そう考えていくと。
道隆さまと道兼どんは、二人とも人生の道標として、父である兼家パパりんを心に置いて、程度の差はあれ、そこへの感情をこじらせていたわけで。兼家パパりんが召された今、このお二人のつっかえ棒がなくなってしまったと言っても過言ではないわけです。
支えとしていたもの、目標としていたものが突如姿を消す。
その後の生き様は、もちろん、人それぞれではありますが。道隆さまの場合、ある意味で妄想のなかに兼家パパりんがいて。パパりんがやったこと/やれなかった(と道隆さまが捉えている)ことをその妄想の中で肥大化させ、実行する方向に爆走しているように見えます。
そして、その一つが定子さまの立后ではないかと思うのです。
身内をやたらと出世させることは、道隆さまほど露骨ではなくとも、兼家パパりんもやっていました。ですが、兼家さまの事蹟のなかで「立后」だけは叶わなかったのです。
娘である詮子さまを入内させ、次代の帝たる皇子までもうけるところまでは完遂しましたが、円融帝が中宮として選んだのは、遵子さま(公任さまの姉上/頼忠さまの娘)でした。
もちろん、兼家パパりんのビジョンのなかに「立后」がなかったとも考えられます。そんなもんはなくとも、自分の剛腕をもってすれば、政権を握ることは必ずできるという、大きな自信をお持ちだったのかもしれません。
ですが、道隆さまは。兼家パパりんと比べれば、踏んだ場数も少なく、また、兼家パパりんのこれまでの荒業を鑑みれば、それを受け継いだだけの道隆さまのお立場は盤石とは言い難い。その証拠に、道隆さまは現段階で、公卿たちから猛烈な反発を喰らっています。
今はまだ自身ががっつり権力を握っている。また、兼家パパりんの遺したものが翳に日向に生きてもいる。その間に、自らの家の力をさらに確かなものにするためには、兼家パパりんのできなかったこと―娘の「立后」がどうしても必要になるのだと。だからこそ、強引に超屁理屈をぶん回して、実現しようと奔走する(よう道長どんに命じる)のです。
そんな視点から道隆さまのご様子を見ていると、道兼どんほどあからさまではないものの、やはり「兼家パパりんというつっかえ棒を失った迷子」のようにも思えてしまうのです。
しかも、厄介なことに、それを無理やりにでも実現させられるだけの権力を持っているんですよねぇ…パパりんの置き土産として。
そう考えていくと。
道隆さまの権力って、今回のタイトル通り「おごれる者は久しからず」という『平家物語』な儚さをそもそもの土台にしているようにも見えて…じわじわと悲しみが湧いてくるのでした(ぐすん)
■うるわし男子列伝
さて、なんだか煩悩一直線な見出しを捻り出していますが。大丈夫です、私は正気です(え)
■公任さまが参議に!
公任さまが道長どんを訪ねてきたとき、みなさま、お聞きになりましたか? 「頭中将さまが…」と。「頭中将」とは、蔵人頭と近衛中将を兼任している人の通称です。
えぇ、ワタクシったら、大スクリーンから放たれたこの「頭中将さまが…」の言葉に超ときめきましたことよ(感涙)
だって。
「頭中将」と言ってすぐに思い浮かべるのは、やはり『あさきゆめみし』のあの頭中将ぢゃないですか! 源氏の君とタメを張る、右大臣家の御曹司である頭中将。彼を思い浮かべて、きゃーってなるじゃないですか!
でも、実際は…いや、大好きなんですよ? あのキャラは好み過ぎて、毎回のご出演を超楽しみにしているんですよ? 駄菓子菓子。『光る君へ』の第1話で「頭中将」として燦然と現れた「ロバート実資さま」は、『あさきゆめみし』の頭中将とはあまりにも方向性が違うぢゃないですか‼
なので♡
あの『あさきゆめみし』の頭中将よりも、ずっと尊くずっとイケメンでいらっしゃる公任さまのお姿に、すっかり骨抜きにされていたのでした♡
さて、史実では、992年8月に公任さまは参議に昇進されます。ここまで来るのに、めっちゃ足踏みしたし、マジで超長かった…実はここから先も、公任さまはわりと苦難の道を歩まれます。
それでも。
嫡流から外れ、いくつもの後ろ盾を失った公任さまが、まずは朝議の場に上がられたこと。そのことを全力で寿ぎたいと切実に感じた第15話なのでした。
なので、公任さまのアクスタ(頭中将ver./参議ver.)もどうにかこうにか下々に恵んでください(土下座)
■一条天皇完成形が降臨、満を持して
第15話は、一条天皇がとうとう完成形なお姿をお見せくださいました。
つーか、足長ぇ…背高ぇ…スタイルがまさに「天上人」…思わず、画面を拝んでしまう尊きお姿がそこに。「きれいな顔してるだろ。ウソみたいだろ。13歳なんだぜ。これで…。」と思わずつぶやいてしまいます。
しかも。
龍笛を奏でる指が…指が…指が…人外に超絶にキレイ(感涙)
大スクリーンで見ながらも、ワタクシ、毎回のお家視聴と変わらずメモを取っていたのですが。この場面に来た瞬間、ノートに「一条帝の ゆびーーーー!」って書き殴っていましたとさ。
それにしても。
今はこうして、のんびり大好きな定子と一緒に過ごす一条天皇も、これからさまざまな荒波に翻弄されます。幼くかわいらしかった帝が、藤原氏や母詮子に振り回されながらも、また、最愛の妃を失いながらも、賢帝として長く君臨されるお姿。それをこれからしっかり胸に刻みたいと思っています。
だって…もうすぐ「今日の中関白家」が項目として成立しなくなるんですもの(号泣)
■まとめにかえて―ヲタ活する女子たち
そんな第15話。相変わらず、主人公たちの姿が出てくる気配がまったくありませんでしたが(通常運転)
そういえば、ききょうさんの「清少納言爆誕」の場面、めちゃくちゃよかったですよね♬
私自身、推し(名古屋おもてなし武将隊 織田信長さま)を初めて見たとき、あの表情をしていたのだろうなとひだひだとした何かがぐわりと渦巻きましたが(滝汗) でも、あまりにもあのききょうさんの気持ちへのわかりみが深くて、来週予告の「香炉峰の雪」場面がより楽しみになりました。
また、まひろっちも、大好きな作品の作者さん(=藤原寧子さま)に出会って、超早口で愛を語っちゃうヲタクをぶちかます姿がめちゃくちゃかわいかったですよね♡しかも、寧子さまの言葉がほんとうにやさしくて、身に染みて…
総じて、ヲタ活ってすばらしい! という超斜めな結論に自信を持ったのでした。
・ ・ ・
来週は来週で、道隆さまの凄みが増していて、予告動画だけでゾクゾクしております。何なら、土スタにご出演って…うれしいけれども。うれしいけれども、盛大なフラグにしか見えない中関白家推しの悲劇…
何はともあれ。第16話もご一緒に楽しめたらうれしいです。
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