脚本家・なかやまえりか

東京在住/脚本書く人/Fuji xt3 ユーザー https://www.instagram.com/too_tooo_toooo/

脚本家・なかやまえりか

東京在住/脚本書く人/Fuji xt3 ユーザー https://www.instagram.com/too_tooo_toooo/

最近の記事

  • 固定された記事

ポールは本来、垂直に立っている。

「ふぁあ!」と指導員が身の危険を察知して声をあげた次の瞬間、教習車がポールに当たった。 教習所に通い始めて半年になる。 初めての仮免試験の時、今まで一度も失敗したことのないクランクで曲がりきれなかった。後ろに同乗していた人も「あーあー」という感じで身を乗り出している。 技能教習のとき仮免試験の対策も兼ねてクランク教習をしてくれた指導員に「ポールにぶつけたらどうなると思いますか?」と質問され、私もあくまでも仮免試験での話よね・・と、「げんて・・」と答えると、「事故です!!」

    • 2021/11/5 日記

      午前中、図書館まで。秋らしく気持ちがいい。10分程歩いて到着。窓ガラスばかりで、よく自然光が入る。木々に囲まれ、気持ちがいい。一階にはカフェがあり、いい香りがする。シネマコーナーが充実している。映画化された原作が多く並ぶ。レコードの貸し出しなんかもしていた。あらゆる辞書が並び、地域の歴史書も多く並ぶ。六法も全て揃えてあって、刑事モノを執筆する際は参考にしようと思う。ヤングアダルトコーナーには、なかなか面白い読み物が揃っていた。物語から科学分析本も、興味をかきたてるラインナップ

      • 2021/11/3 日記

        文化の日。落ち葉のパズルを作って、甥っ子に会いに行く。1歳半になる彼は歩いていたし、遊ぶことが上手になっていた。人懐っこくて甘え上手。人生、得するぞ!落ち葉パズルをあげると、はっぱを指さして、教えてくれる。ウンウン、葉っぱだよ〜。テレビではYouTubeでスプラッシュマウンテンの映像が流れていて、クマどんやらうさぎどんやらハチの大群やらが流れてくる。画面が変わるたびに「お!」と、指をさし、教えてくれる。面白いもんあるよ〜みたいな感じ。最近隣の部屋にまで遊び場を広げたらしく、招

        • 2021/11/2 日記

          服部恭太の名前があがらなくなってきた。 本日のトレンドは、吉祥寺道路陥没。  ゴミ収集車のゴミ収集部分ほとんどが、陥没した道路に落ちている。写真を見て「こわっ!」となる。よく通っていたステーキと焼肉屋さん「葡萄屋」のすぐ横。情報を追っていると印象的な航空写真が。葡萄屋の跡地がかなり奥深くまで掘り下げられている。これが原因かぁ。早朝だったから怪我人は出なかったものの、よく通るだけに怖い。  家族の記念日はいつも葡萄屋だった。閉店直前の食べ納め。オーナーや浅黒く日焼けした老年

          2021/11/1 日記

          一夜明け、服部恭太(24)が供述を始めている。 ・人をやっつけるジョーカーに憧れていた。これは勝負服だ ・6月から計画をしていた。 ・仕事で失敗して友人ともうまくいかず、死にたかったが自分で死ねなかったので死刑になりたくて大量殺人を計画した。 ・福岡出身。八王子市ホテルに1ヶ月。 ・渋谷から井の頭線に乗り、明大前で乗り換えて調布駅に行き、調布駅から特急の乗り、すぐに犯行の及んだ。  供述ではないけれど、以前服部恭太に関わった人が発言を始めている。 ・福岡天神の満喫バイト

          2021/10/31 日記

           朝から変な雰囲気だった。プリンセス2人と、赤いパンツに白いセーターを着たお母さん、王子のようなお父さん。素朴な自然を満喫するスポットで、この家族はとても違和感のあるものだった。あとから気がついたのだけれど、今日は10月31日ハロウィンだ。街のこどもたちが浮き足だっている。街ではコウモリや魔女の格好したこどもが学校の友達とお菓子の交換をして楽しんでいた。幼い頃、そんな風に友達と遊んだ経験がないので、参加出来ない子はどうウソをつくんだろうなんて、ひねくれた気持ちになった。当時の

          読書録『嚙み合わない会話と、ある過去について』|辻村深月氏

          ゾッとした。 学生時代のことを覚えていますか? どんな子だったでしょうか。私はとにかく性格の悪い子でした。 嘘つきだったし。目立ちたがり屋だったし。決して自虐的なわけではなく。 そんな子は、過去に呪われると思うくらいの物語。 人物同士の嚙み合わない会話。 違う立場の主張。 過去の記憶について対話だから厄介なことになる。 記憶は都合のいいように捏造され、感情を増幅させる。 『嚙み合わない会話と、ある過去について』 「ナベちゃんのヨメ」 「パッとしない子」 「ママ・母」 「早

          連載『おはぎ』

          ピンクの花が項垂れるように咲いている。 毎年毎年、もう何十年も、やることは同じこと。 放っておくと、迫り出してくる萩をこうして、縄でまとめるの。 年取るッて嫌だね、手がまわんなくなるんだから。 「ちょっと、手伝って」 あらあら、今日もあんたは紫のワンピースを着てるのね。 あんた、そればっかり着るから、私も同じ格好になっちゃうじゃない。 そんな、自由でいいって言ったてねぇ、2人で並んで歩くんだから、お揃いの方が可愛いじゃない! 全く、何十年も前から同じことを言ってる気がする

          田村正和さん

          じんわりと鼻を赤らめ、じんわりと涙が滲んで。 それを隠すように、そっと下に顔を背ける。 そんな風に田村正和さんがドラマの中で生きている姿をテレビの前で観ている時、大抵私は大号泣でした。 ここ1年、多くの方が亡くなりました。 SNSで弔いの言葉をよく目にしていましたが、SNSで発言することが今の自分に適しているのかわからず、(以前はすぐにSNSで発言していましたが)心の中で思い出を反芻することを大切にしよう。とか、それを見る人にこれは前向きな発言か?とか、変に抵抗してきた気が

          連載『てがみ』

          店主は確かに本を読むことが好きなんですね。 趣味の良い本がよく整頓され、置かれています。 きっと育ちのいい方なのでしょう。 店内は最低限のオレンジが灯っています。 蛍光灯の光が苦手で、自然に入ってくる光だけで生活をしている私にとって、 こんなに落ち着く空間はありません。 ホットコーヒーを頼んだら、 「砂糖とミルクは入りますか?」と聞かれて、 思わず「ぶらっくで」なんて、背伸びをして答えてしまいました。 だって店主は私よりも10歳は若い青年だったから。 ふふふふ、これは大

          読書録 『サロメ』原田マハ著

          友人に「『サロメ』って知ってる?」と聞くと「うん」と返ってきた。 読みはじめで未だ全容を掴み切っていない私は、サロメとは一般常識の類だったのか(ましてや脚本を書いている者が知らず・・)と恥ずかしくなった。友人は平然としている。どこかおかしい。このひみつを知っていて、こんなに平然としていられるものなのか?そう思った私は「サロメって何?」と聞いてみた。「う〜ん、戯曲でしょ」「そうだけど、他には?」「わからない…私のサロメの知識なんかその程度だよ」友人は少し不貞腐れていたけれど、そ

          ポストコロナ

          短編映画『死神308号とゆうか』の撮影を中止しました。 もう3年は前に仕上がっていたシナリオは各方面から有難いことに賛同をいただき、素晴らしい俳優さんが決まっていて、オーディションでみんな選んだ子役さんにも決まり、撮影が今年4月に控えておりました。 4月と言えば、「緊急事態宣言」出すよ?出すからね!準備はい?と、出すなら早よ!というツッコミも端によけられ、日本人らしいお伺いの文化に触れたのち、出されたあの1ヶ月の自粛期間。  あれからもう半年も経ってしまうだなんて。スタバでこ

          9月30日 雑記

          ここ2.3日、夜がちとヘビーだった。身体と思考が思うようにならず、多くの人に心配をかけた。こんなに騒いだのは何年ぶりか…。ごめんなさい、ありがとう。 自暴自棄になるとき、私は自分の行動の選択一つ一つでキャラクターが構成されているのだということを知ることになる。このまま何も考えず八つ当たりをすれば、あの人になり、ここで思考を一つ加えればあの人になる。昨夜とー昨夜は二人の人間が私の中にいたような感じがした。 先日、8年前にお会いした方と友人伝手で再会した。私は覚えていないと思

          藍のたたき染め

          4月頃種を撒いた藍の染め時が来た。葉っぱをそのまま生かしてたたき染め。 晒し布は1度ぬるま湯で洗って予めノリを取っておくのがいいらしい。透明ビニールの上に布を置いて、その中に藍を挟む。透明ビニールごと半分におったら、上から木槌で叩く。 藍の葉っぱは水分が多く、叩き始めるとすぐに葉っぱの形に染まってくれる。黄緑色の葉っぱはそのまま黄緑色のまま布につくのだけれど、時間を置くと藍の色が出てくるものがある。 生葉の面白いところは、このやり方をすれば必ず同じように色が変化しますというも

          写真集『as it is』 川内倫子氏

          姉に子どもが産まれた。母になった姉は自分の息子が可愛くて仕方ないことに驚いていた。ありとあらゆる危険から、例えば紫外線や、自分の身体から出る母乳に水銀が混ざらないようにとか、カフェインを取らないようにとか、歴史ドラマで馬が駆け足で走る時の音に恐怖を感じないようにとか、そう言ったありとあらゆる危険から息子を守っている。 寝かしつけて1時間後、目を覚ましたらしい息子が声をあげた。泣いているのかと思いきや笑っている声だった。姉は「泣いてる時は声でわかるから」と言っていた。産まれて

          秋、昨今、きれいたち

          雨上がりの朝、紅葉。 暑い夏が終わって途端に寒くなったと思ったら、また暑くなって汗をかいた。落葉樹たちも枯れていいのかどうか迷っている。おかげで人間は、長い間紅葉を楽しめているように思います。 しっかり寒くならないから、葉もしっかり枯れていかないのだそうです。そうなると、春に芽を出す花たちの生育にも影響が出るから人間の手でしっかり、裸にしなくてはいけないらしい。 今年は、クリスマスリースを作りました。 お正月も使えるようにと意識して作ったので、少ししっとりと。