スーパーへ宝探しに行く。
野菜は見切り品を買うことが多い。
安くなっていること、もったいないおばけ精神、それとなんだか宝物を探し当てるようなワクワク。
この前は美味しそうなトマトを見つけた。
こんなムチムチに熟れたトマトを見逃すわけにいかない。
冷やしトマトにしたかったけど、お腹がぐうぐう鳴っていて待ってくれそうにないので、特売の豚モモ薄切りと炒める。白だしと塩で味をつけて、たまごでとじる。最後にブラックペッパーをたくさんかけて完成。
氷結をプシュッと開ける。熱々のトマトはとろっとして甘くて酸っぱい。たまごとの相性も最高だ。
翌朝はサンドイッチにすることにした。
食パンの上に千切りキャベツを乗せてフレンチドレッシングを少々。切ったトマトをこれでもかと重ね、オリーブオイル、塩、ブラックペッパー。冷蔵庫の隅っこにいたベビーチーズもちぎって乗っける。食パンで挟んだら手でぎゅっとプレス。半分に切って完成。
うま。
ベビーチーズがなかなかいい仕事っぷり。フレッシュトマトと最高に合うのは言わずもがな。食パンとトマトをうまくつないでくれた。マスカルポーネとかクリームチーズもいいかもしれない。
トマトサンド、ハマりそうな予感。
🍅🍅🍅
賞味期限が近く、少し傷んだものが見切り品のワゴンに並べられる。
すぐに調理したり傷んだ部分は取り除けば、何ら問題なく美味しく食べられる。経済的だし、いつもは買わないような野菜がたまにいるので挑戦するいい機会にもなっている。レシピの幅も広がる。
「見切る」とは「見捨てる」「見限る」という意味の他に「よく見て判断する」「状態を見きわめる」という意味もある。
ちょっと傷んだトマトが、ひと手間加えただけで美味しく生まれ変わった。いや、違うな。もともと美人だけどすっぴんな女の子にナチュラルメイクを施した感じ。持ってるポテンシャルの背中をそっと押すような。
見捨てるのは簡単だけど、よく見て判断する力をつけたい。それが生活力であり、毎日の暮らしを数ミリ底上げする知恵であり、それはつまり宝探しの地図だ。
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