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疲れているから嫌なヤツ 3話 「人間関係ってなんだ?」

3話 人間関係ってなんだ?


ある平日の午前中の公園 
 
高校生:「はぁ・・・
 私、何しに学校行っているのだろう・・。
 家に帰ってもイライラするし・・
 学校に行くと落ち込むし・・
 やる気がでないし・・。」
 
マナ:「「疲れてませんか?」と、高校生をジロジロ見ている。
 
高校生:「不審者!?」
 
マナ:「疲れていると、嫌なヤツになるんですよ。」
 疲れると、人は頭も体も別人になります。
 私は心理カウンセラーのマナと言います。
 少しお話しませんか?」
 
高校生:「不審者・・」
 
マナ:「疲労をとる1番の方法は、とにかく寝てください。
 そうですね、8時間は寝ましょう。うつ症状がでている場合は9時間寝てください。
 そして、温かい食事と水分補給をすることで、体が本能的に安心します。」
 
高校生:「この人、やばい・・」と、公園から走って逃げていく。
 
 
 

(ストレスは自分を守ってくれる機能)

(それから一か月間、高校生は早く寝るようにし、食事もしかり食べてみていた。)
 
高校生:「なんだか最近は、親にイライラしないし、ゲームばかりも飽きたし、学校に行ってもいいかも・・。
 でも、なんかな・・」
 あっ!今日は、いい天気だし、久しぶりに外に出てみようかな。」
外を歩いていると、高校生はマナと偶然出会う。
 
 
高校生:「あっ・・・」
 
マナ「顔色よくなりましたね。」
 
高校生:「・・・」
 
マナ:「ちゃんと、寝てくれたんですね。雰囲気も良くなって、安心しました。いい人になりましたよね。」
 
高校生:「・・・」とため息つくと同時に、お腹がなる。
 
マナ:「お腹すいていますよね?
 私は『インキュベーション』というお店をしているので、よければ私のところで食事をしませんか?無料でいいので。」
 
高校生:「無料!?」
 
マナ:「無料です。」
 
高校生:「無料でしたら・・」と、マナのお店に行く。
 
 

(疲れとうまく付き合う)

その後、マナは料理を高校生の前にもってくる。

 マナ:「お待たせしました。そんなあなたの料理を準備しています。」

 「自分を愛する」梅干しチーズ
 「自分を信じる」玉ねぎたっぷり牡蠣のチャウダー
 「自分に勇気を与える」大学芋
 「自分と信頼関係を深める」親子丼
 
 この献立は、「日々の暮らしに感謝しながら、自分を守る結界をつくる」というレシピになっています。」
 
といわれ、高校生の前に出される。
 
マナ:「さらに、栄養学からストレスに負けない食べ方をおすすめします。
 
 ストレスを感じると、精神が興奮状態になります。
 その状態が続くと、ストレスに対する抵抗力や免疫力が弱まり、うつ病などの精神疾患や感染症、高血圧、心臓疾患など、身体に悪影響を与えます。
 また、ストレスを感じることで、副腎皮質ホルモンが分泌され、ビタミンCなどの栄養素が消耗されるので、それらの栄養素の補給が不可欠です。
 
 さらに、ストレスを解消する食習慣として、
 
 まずは、辛いもの、ジャンクフードは避けましょう。
 
 次に、フルーツと牛乳をとり入れてください。
 ストレスで消耗されるたんぱく質、ビタミンC,ビタミンB群の補給にはフルーツと牛乳の組み合わせがベストです。カルシウも補給できます。
 
 最後に、抗酸化作用のある野菜をたっぷり摂取しましょう。
 ストレスから身体を守るビタミンA.C.Eをたっぷり含む緑黄色野菜をなるべくとり入れて、体内にできた活性酸素を除去しましょう。」
 
 
 

(陰陽師の力)

食事を食べ終わり
 高校生:「ごちそうさまでした。」
 
マナ:「実は、臓器に溜まった老廃物を排除していくことで性格や考え方を変えていくこともできます。」
 
高校生:「そうなんですか!?」
 
マナ:「まずは、学校に行きたくない時は、
 化学物質の多いカップ麺やハンバーグ、スナック菓子を控えてみてください。
 
 次に、空気が読めない、協調できない、共感力がない時は、
 パスタなどの粉もの、ジュース、炭酸飲料を控えてみましょう。
 
 最後に、決断力がない、おどおどする時は、
 清涼飲料水やお菓子、果物を控えてみましょう。」
 

高校生:「もう一回、言ってもらってもいいですか?」
 
マナ:「そうですよね。メモを書いてお渡ししますので。」と、メモをかき、高校生に手渡す。
 
高校生:「ありがとうございます。」
 
マナ:「4週間、この食品を減らしてみてください。
 調子がよければ、さらに半年続けてみてください。
 そうすれば、ほぼ腸内環境が回復します。
 腸内環境が回復することで、あなたらしい性格にもどりますから」
 
高校生:「ありがとうございます。」と店を出る。
 
 
 

(不登校とは、「学校に行かない」という学生の自己主張)

それから、半年が過ぎる。
日曜日のお昼、高校生は、マナの店「インキュベーション」に立ちよる。
 
高校生:「こんにちは。」
 
マナ:「いらっしゃいませ。半年ぶりですね。」
 
高校生:「あれから、色々気を付けてみました。
 また、学校にも通い始めています。」
 
マナ:「よく頑張りましたね。言うのは簡単ですが、食事を変えるのはなかなかできることではないので、自分を自分でほめてください。」
 
高校生は、にっこりほほ笑む。
 
マナ:「あ!笑い方も変わりましたね!」
 
高校生:「そうですか?」と照れ笑いをする。
 
マナ:「学生にとって、不登校とはかなりの疲労状態を意味します。
 不登校とは、『学校に行かない』という学生の自己主張でもあります。
 『学校に行かない』という判断は、学生にとって一大事であり、一大決心のはずです。
 それをあえて主張し、実行しているのですから、相当の強い気持ちがあるはずです。
 
 つまり、不登校の時、疲労がかなり溜まっています。なぜ疲れているのかは、わからなくても問題ありません。
 まずは、しっかり休む。これだけで、どんな学生もちゃんと回復します。」
 
学生:「そうだったんですね。」
 
マナ:「『辛い時こそ、親や先生の言うことをよく聞いて、我慢して努力して乗り越えるべき』という教育的な態度は、これまで慣れ親しんだものであり、また成長のためには理論的に正しい態度だと感じます。
 
 しかし、怪我をしてる人にトレーニングをさせる、などという身体の不調に関しては、絶対やらないようなことを、メンタルの不調に対してはやってしまうのです。
 
 休みが必要な時、どうしても鍛えようとしてしまう・・。
 そのサイクルをなんとか緩めないとメンタルの回復は進みません。
 しかし、真面目な人ほどそれが難しいのです。
 
 教育には我慢や努力や継続が必要です。
 一方、レスキューのためには一時的に休養や避難が必要です。
 
 多くの場合、カウンセリングに訪れるクライアントさんには、レスキューが必要です。
 ケアが必要な時、『離れなさい。休みなさい』と言うことは容易いことです。ところがそれがなかなかできないのです。」
 
 

(魔法の体操)

マナ:「分かっていても休むことは、そう簡単でありませんよね。
 身体が動けば、心は動きます。
 
こ の先どうなるんだろうという切実な不安も、首がゆるむと心がらくになります。
不 安がなくなる(身体がゆるむと)と、『今できることをしよう』という心持になり、切迫した状況の中でも、余裕とゆとりができ、行動しやすくなります。
 
 また、アキレス腱は神経系統の急所です。
 激しいイライラが続く場合、アキレス腱がゆるむと、ふーっと、息が楽になり、ものすごくほっとして、身体が楽になります。」
 
 
 

(人間関係ってなんだ?)

マナ:「人間関係の問題について考える時、ほとんどの人が、相手の問題だと考えていますが、人間の本質は、『自分自身との関係』にあります。
 
 誰かの言動をきっかけに、自分がイライラしたり、悲しくなったり、絶望したら、その相手が自分をネガティブな気分にしたような気がします。
 しかし、それらの感情は、相手の言動以前に、もともと自分の内側にあったものです。
 相手はあなたに『こんなネガティブな感情があるのよ』と、ただ、教えてくれていただけです。
 
 自分自身が溜め込んできた感情に気づいて、向き合っていくと、あなた自身とのズレが少なくなった分だけ、相手ともズレの少ない良い関係を気づけるようになります。

 あなたが何を感じるかが、自分次第だからこそ、周りに振り回されることなく、自分の人生を生きることができるのです。
 
 できる範囲でいいので、あなたの感情に責任を持ちようにしてみてください。
 誰かにイライラしたら、本当は自分もその人と同じような気持ちを抱えていないか、チェックする習慣をもちましょう。
 
 誰かに認めてもらいたいと思ったら、まずは自分で自分を認めることです。
 自分の気持ちに素直になり、自分で寄り添ってください、これを続けているうちに、やがて人間関係もスムーズになります。」
 
高校生:「はい。」
 
 

(自分の扱い方=人からの扱われ方)

マナ:「この世の中は面白いもので、あなたがあなたを扱うのと同じような態度、あり方で、人はあなたのことを扱います。
 
 だからこそ、自分自身の扱い方を見直して、あなた自身を最も大切な人として扱うようにしてみてください。
 そして、たくさんの愛を自分自身に注いであげてください。
 自分に優しく寄り添ったり、大好きなことをしたり、理不尽なことにNOと言ったり・・
 ときには、自分に厳しくすることだってあるでしょう。
 とにかく、あの手、この手で、自分に愛を与えてください。
 
 あなたが自分のことをちゃんと尊重して、
 愛を持って接していれば、
 不思議とあなたは、周りからも尊重され、愛されます。
 
 逆に、自分のことを大切にしていなければ、なぜか周りの人からも大切な人として扱われないのです。
 
 それを続けていれば、気が付いた時には、あなたは、あなたを愛してくれる人に囲まれた人生を送っているでしょう。」と、にっこりほほ笑む。
 
高校生:「ありがとう」と、にっこりほほ笑む。
 


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