Erendira

UI/UX系の仕事をしています。ずーっと昔はエディトリアルデザイナーでした。情報を制約…

Erendira

UI/UX系の仕事をしています。ずーっと昔はエディトリアルデザイナーでした。情報を制約のある中で効果的にわかりやすく伝える、という点で、エディトリアルデザイン->UI->UXと流れてきました。現在は、ものすごく複雑なシステムのUI/UXを担当していて、日々チャレンジです。

最近の記事

スタンフォード監獄実験とミルグラム実験の実験映像が見られるオンラインコース

UXの学びのなかで、人間の心理、社会心理、脳働き、などについて少しづつ学んでいる。UXやHCIは、人間の心理ととても関連が深い。 社会心理学について読んでいるとよく出てくるものに、「スタンフォード監獄実験」や「ミルグラム実験」がある。人を権威のあるものとそれに従うものにわけた場合にどのように行動するか、というのを見るものだ。 「ミルグラム実験」では参加者を教師、もう一人の参加者(実は参加者ではなく実験する側)が生徒となり、別々の部屋に入る。教師役は生徒役が間違いを犯すと、

    • 無料でIDEOのHuman Centered Designコース on Acumen

      IDEOといえばデザイン思考を世界に広めたデザインオフィスです。そこのHuman Centered Design(人間中心デザイン)プロセスを、Acumenというソーシャルセクター向けのコースが充実しているプラットフォームで、オンラインで学ぶことができます、ちなみに無料。 Introduction to Human-Centered Design https://acumenacademy.org/course/design-kit-human-centered-desig

      • インタラクションデザイン修士コース一年目を終えて

        今日、最後の一つ残っていたモジュールのプレゼンテーションを終え、とりあえず、インタラクション修士コース一年目が終わりました。情けないことですが、正直言って、「やり切った」感があまりありません。 昨年の8月半ばにはじめた当初、私は子供と二人で国を跨いで引っ越しをして、日常生活で英語の通じない国に来たばかりでした。新しい国、新しい言語、新しい職場、新しい学校(子供の、しかも英語通じない)、そして自分は新たな大学院生、という、全てが一度に襲ってきたところでした。 1セメスター目

        • モンテッソーリとインターネット授業の互換性考察

          以前モンテッソーリとUXについて日記的な物を書いたことがあります。UXを仕事とし、またインタラクションデザイン修士の学生として、このCOVID-19パンデミックの中で、改めて考えてみたいと思っているところです。 さて、我が家の娘はモンテッソーリ校に通っていますが、COVID-19パンデミックの影響で学校へ物理的に通うことはできません。ロックダウンの翌日からオンラインクラスが始まったので、かれこれ1ヶ月以上、オンラインで授業を受けています。しかし、モテッソーリ教育とオンラン授

        スタンフォード監獄実験とミルグラム実験の実験映像が見られるオンラインコース

          クリティカルデザインの何がクリティカルなのか- コンテンポラリーHCIセオリー

          インタラクションデザインマスター、2セメスター目。HCI基礎クラス。 今回の課題論文は、2013年にJeffrey Bardzellらによって発表された『What is "Critical" about Critical Design?』です。読み始めてから、これは私がかなり好きなやつだ! と思ったので、読み進めつつメモを取っているのですが、長句なってきたので途中まで。 Critical Designは、Anthony DunneとFiona Rabyによって作られたコン

          クリティカルデザインの何がクリティカルなのか- コンテンポラリーHCIセオリー

          Situated Action - デザイナーがフィールドに出ていくようになったきっかけ - HCIモダンセオリー

          インタラクションデザイン修士、2セメスター目です。今回はHCI基礎のクラスをとっており、その中でHCIのセオリーを色々と読んでいます。少しづつまとめていこうと思います。 教科書はYvonne Rogers "HCI Theory"。私は大学からPDFが支給されましたが、探すと無料PDFがあります。クラシカルセオリー、モダンセオリー、コンテンポラリーセオリーと時代を追っていろいろなHCIセオリーについて書かれています。 今回はSituated Action。モダンセオリーの

          Situated Action - デザイナーがフィールドに出ていくようになったきっかけ - HCIモダンセオリー

          インタラクションデザイン修士の1セメスター目を終えて

          今年の9月から(正確には8月中ばから)、ヨーロッパの二つの公立大学が合同でやっているインタラクションデザインの修士コースをとっています。ちなみに私はデザイン畑出身で、UI/UXを仕事としており、UXに入る前にオンラインのUXコースをいくつかとりました。 コースのストラクチャはこんなかんじ。120単位、フルタイムで2年間、パートタイムで3年半から4年のコースです。 Foundations of HCI (5 ECTS) Interaction Design Methods

          インタラクションデザイン修士の1セメスター目を終えて

          環境を整えると子供との暮らしが楽になる-環境とのインタラクション

          UXデザインについて書いている私ですが、子育ての中にもUXがあると思うのです。 私はモンテッソーリ教育が好きなので、自分の子供には小さい頃からモンテッソーリ教育を受けさせてきました。その好きな理由のひとつに、日本的教育に有りがちな根性論「どんな環境であっても頑張れば報われる」的な、個人の意志力に頼るものではなく、また教師による詰め込みでもない、という点があります。 モンテッソーリ教育といえば、美しい教具がよく注目されますが、それはモンテッソーリ教育環境のごく一部でしかあ

          環境を整えると子供との暮らしが楽になる-環境とのインタラクション

          クリエイティブな人とはなんなのかーチクセントミハイ『クリエイティビティ』より

          大学院の最初の週、すでに勉強量の多さにヒーヒー言っています。 「デザインのセオリーとメソッド」のクラスの最初の課題は「クリエイティビティとHuman-centered designのイントロダクション」的なものです。いっぱい読んでLiterature reviewを書かなくてはいけません。そもそもリテラチャーレビューってなんだよ、ってところからスタートしていますが、それはまた後ほど。 そんなわけで、クリエイティビティとフロー理論で有名なチクセントミハイの本を買ってみました

          クリエイティブな人とはなんなのかーチクセントミハイ『クリエイティビティ』より

          デザイン思考イントロダクション - クリエイティビティについて考える課題

          大学院、始まりました。9月からだと思ってのんびりしていたら、一つのモジュールは8月21日から。2週間後の9月3日が最初の締め切りです。あとモジュール2つ取っているので、他の締め切りも近々やってきます...。オンライン大学院だから自分のペースでと思っていたのは甘かった。パートタイムでやっで一つも落とさなくて4年... 長いな。 さて、一番最初に始まったモジュールは、「デザインのセオリーとメソッド」です。教科書はIDEOの『The Field Guide to Human-Ce

          デザイン思考イントロダクション - クリエイティビティについて考える課題

          "Creative Confidence is the notion that you have big ideas, and that you have the ability to act on them." - David Kelly, Founder, IDEO

          "Creative Confidence is the notion that you have big ideas, and that you have the ability to act on them." - David Kelly, Founder, IDEO

          "Fail early to succeed sooner"

          "Fail early to succeed sooner"

          インタラクションデザインのオンラインマスターコースを始めることにしました

          9月から大学院生になります。といっても、フルタイムで働きつつオンラインのコースを取ります。 もともと専門学校でデザインを、大学でアートを勉強したものの、UIだのUXだのコーディングだのは、仕事で関わる上で自分で学んできました。UX/UX屋です、と名乗っているものの、それに関して専門的な教育を受けたわけではなく(わたしがデザイン学生時代にはまだそんな概念はありませんでした)、どこかで自信が持てないでいる部分があります。 UX/UI系の仕事は、例えば医師や弁護士などように学位

          インタラクションデザインのオンラインマスターコースを始めることにしました

          Affect(感情・情緒)とデザイン - エモーショナルデザインを考える

          最近エモーショナルデザインについて読んでいる。読んでいる元がたいてい英語なのでそれを日本語でまとめようとするとなかなか難しいことにぶち当たる。 今回のキーワードは「Affect」だ。日本語にすると「感情」「情緒」「欲望」などと訳される。ちょっと待て、「Emotion」も「感情」じゃなかったか。他に「Feeling」だの「Mood」だの、日本語にすると「感情」となってしまいそうな言葉がたくさん出てくるのだ。 affectを見てみると「心理学におけるアフェクトとはフィーリグや

          Affect(感情・情緒)とデザイン - エモーショナルデザインを考える

          本能的(visceral)デザイン - エモーショナルデザインを考える

          この間Don Normanらによって提唱された「感情デザインの3つのレベル」について簡単に触れたけれど、今日はそれを一つづつ掘りさげてみようと思う。 まず一番コアの深い部分にあるもの、私たち人間の本能に関わる部分だ。 ちなみに、Don Normanが英語で書いたものは「visceral level」である。日本語にすると「本能」が近いのかな、と思うけれど、彼が「Instinct」という単語を使わず「Visceral」としたのには何か理由があるはずだろうと思う。 visc

          本能的(visceral)デザイン - エモーショナルデザインを考える

          複合機のUSBポート - UX失敗写真集 vol.1

          どーしてそうなるかなぁ? というUXに出会うことが度々ある。たまに写真を撮ったりしているので、せっかくだからシェアしようと思う。別にこれはそのプロダクトや会社をこき下ろしたいのではなく、なぜそうなったのか、それによって何がどう失敗しているのか、などを考えて今後のデザインに生かしたい、のです。 第1回の今日は、私の働くオフィスにあるCanonの複合機を見てみよう。コントロールパネルもまたすごく使いにくいのだけれど、今回はそのUSBポートの位置を見てみよう。 さあご覧あれ。

          複合機のUSBポート - UX失敗写真集 vol.1