クリエイティブな人とはなんなのかーチクセントミハイ『クリエイティビティ』より

大学院の最初の週、すでに勉強量の多さにヒーヒー言っています。

「デザインのセオリーとメソッド」のクラスの最初の課題は「クリエイティビティとHuman-centered designのイントロダクション」的なものです。いっぱい読んでLiterature reviewを書かなくてはいけません。そもそもリテラチャーレビューってなんだよ、ってところからスタートしていますが、それはまた後ほど。

そんなわけで、クリエイティビティとフロー理論で有名なチクセントミハイの本を買ってみました。

まだ読み(Audibleで聞いています)始めたばかりなのですが、興味深いものがあったので、メモしておきます。

チクセントミハイが、1990-1995年に、クリエイティブだと言われているひとを対象に、クリエイティビティについて研究しようとしました。そこでクリエイティビティだと言われている人たちに、インタビューをお願いしたそうです。そしていろんな人から参加の可否の返事をもらいました。

ここが面白いところです。自然科学系の人たち(物理学やらなんやらでノーベル賞を取っているような人たちから、そこまで大きな賞をもらっていないにしてもその分野で有名な人たち)のほとんどは、参加OKの返事。しかし、一般的にクリエイティブだと言われているような、アーティスト、音楽家、小説家、フォトグラファー、それから経営学者などからはお断りの返事が、もしくは無視されたのだそうです。

断る理由は、休暇だから、忙しいから、といったおそらく建前であろう内容から、「クリエイティビティを研究するという行為自体が無駄」とか「研究対象になりたくない」とか「自分の創作活動に関してのインタビューは受けない」とか「プロダクティビティとは人のために時間を使わず自分のゴールに向かって突き進むものだし、そもそもクリエイティビティなんてものは信用してない」とか、けんもほろろのお断り内容まであったそうです。

これはなぜなのでしょう。クリエイティブな人とは一体なんなのでしょう。あるいは、どんな人がクリエイティブな人になるのでしょうか。

クリエイティブな人はハッピーな人

チクセントミハイの研究によると、クリエイティブな人は、楽観的でハッピーな人生を送っている人が多いようです。婚姻生活や家族生活がとてもうまくいっている人が多いようです。そして楽観的です。

でも、詩人や作家や画家やミュージシャンには、自殺したりドラッグに溺れたりする人たちも多いという印象をもちますが、チクセントミハイ曰く、こういう人は元々その気質があるだけで、クリエイター=ドラッグというのではないといっています。

日本の明治から昭和初期にかけての文豪なんかにも鬱の人が多くいますが、彼らが今生きていて、誰でもコンテンツを発表できる時代だったらどうなっていただろうか、と思います。

クリエイティビティとは繋げること

クリエイティブな発想が起こっている時には、実際に脳みその中の違った領域がリンクしているんだろうデス。クリエイティビティというのは、いろんなものをつなげて新しいアイディアを生み出すことといえます。

チクセントミハイ曰く、子供はクリエイティブになりきれないといいます。なぜなら、クリエイティブになるためには複数の分野である程度の経験と知識を持っていてそれを繋げる必要があるからだそうです。これは前回書いた内容「人間はクリエイティビティを生まれながらに持っている」というものと相反します。

以前から「頭のよくて面白い人はとても理系でありながら、とんでもなく文系だ」という印象を抱いていたのですが、おそらくそもそもその理系文系という壁を作ること自体がナンセンスで、それをまるっとひっくるめて頭の中で繋げることがクリエイティビティなんだろうなと思います(それがSTEAM教育のコンセプトですがこれはまた別で書きます)。

クリエイティブになりたい

自分はクリエイティブな人間かどうかと問うと、よくわかりません。でもクリエイティブでありたいと思います。インタビューを受けることになったら(まあないと思いますが)、クリエイティブでありたいから答えたいと思いますが、研究にあった他のいわゆるクリエイターと同じように、自分をジャッジされることを恐れて断りたくなる一面もあります。

とりあえず現状基本的にはハッピーですので、その素質がない訳ではないと楽観的に考えて、課題提出頑張ります。

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