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わかりにくい仕事、だからこそ#2



 えぽっく代表の若松です!


 毎年行っている『取材型インターン “ひきだし”』の、オンライン報告会を12月20日に開催します!就職や就活、そもそも働くって何…?など、“働く” を考えてみたい学生のご参加をお待ちしております!


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 えぽっくでは、上記のような取材型インターンを実施したり、副業・兼業のコーディネート、地域おこし協力隊のサポートなど、“働く” に深く関わる仕事をしています。ありがたいことに書き切れないほど、多岐に及ぶさまざまなお仕事をさせていただいています。


 今回の記事は、僕の考え方の一つをまとめたものになりますが、えぽっくがさまざまなお仕事をさせていただいている理由が、ここに隠れているかもしれません。



■敢えてコンパスと地図は持たない



 世界一周!!


 唐突ですがこれは、僕の夢のひとつなんです。結構大きな夢だと思うので叶えられるかわかりませんが(笑)、好奇心旺盛なので、未知の場所への冒険には惹かれるものがあります。


 冒険や航海、旅をするときというのは、人の性格というか、個性が出ます。細かく時間を区切って計画を立てる人もいれば、飛行機のチケットだけ確保したらとりあえず現地へ行ってしまう…という人もいるでしょう。荷物だけ持って行き先も方角も決めずに行き当たりばったり…という人もいるかもしれません。


 どれが正解、というわけではなくて、人の数、考え方の数だけ、航海の仕方があると思います。


 仕事をこの航海でたとえてみると、僕はここ3年くらいの間は、敢えてコンパスと地図を持たずに航海するようなイメージで、仕事をしてきました。コンパスと地図があれば、航路を決めて進むことができるわけですが、いろいろなことを敢えて決めすぎないようにしよう、と思ったのです。


 なぜなら、とくに仕事を始めたころは思ったように仕事をもらえるわけでもありませんし、たとえば『これくらいの売り上げを立てて、これくらいの仕事をいただいて…』という計画を立てたとしても、その通りにならないことも、たくさんあると思います。


 計画を立てるのはとても大事なことだと思います。ですが、ただ立てればよいわけではありません。


 事業の場合はとくに、『今はこういうことをした方がいい』というように、時代の流れも読みながら考えていくことの重要性を鑑みると、『3年後、5年後をこうするために、今これをやろう』と考えても、スパンが長すぎて実はあまり意味がなかった…ということも、経験上少なくありません。まして変化の大きな時代ですし、計画通りにいかないなと感じることは、誰しもあるかと思います。


 もちろん、行き先や方向性はあります。闇雲に航海をするわけではありません。しかし、この先にどんなことが起こるのかもわからない、海の状態も天候もわからないならば、なんとなくでもいいから出発してみて、『こっちはなんだか危ない気がするから、あっちへ行ってみよう!』と、臨機応変に柔軟に、楽しみながら航海をしていくイメージで仕事をしていく…そのほうがいいな、と思うのです。


 好奇心旺盛な僕としては、コンパスと地図を持たずに航海をしてみたら、もしかしたら聞いたこともないよくわからない大陸に、辿り着くかもしれない!と思ってしまうんです(笑)


 『素晴らしい大陸を見つけてしまった…!』と、(マゼランが言ったかはわからないですが(笑))そんなふうにおもしろがりながらも真剣に、進んでいきたいと思ってしまう。


 先が見えないからこそ、柔軟に動けるように敢えて決め切らないことで、余白を作ることができます。たとえば僕たちの仕事は、地元の中小企業や、地域のために地域に根差して活動している方、あるいはしたい方の支援をすること、と表現することもできるのですが、ここで “誰の支援” というのをはっきりと線引きしてしまうと、『この航路しか辿りません』と限定してしまい、新しい大陸を発見できる可能性が失われるかもしれません。


 だから敢えて決め切らないことで、余白を作る。


 あらゆる場面で、『航路を示したほうが良いんだろうな…』と思うときもあるのですが、僕はこの余白を、結構大事にしているので…コンパスと地図を持たない航海を、していたいのかもしれません(笑)



■余白がもたらすもの



 学生時代に国語の教科書に書いてあったと記憶していますが、『人間は多面的な生き物であり、自分が認知している自分も自分なら、誰かから見た自分も自分である』という考え方がありました。


 僕はこの考え方にとても共感していて、誰かから見た自分を知れる機会は、実は仕事がもたらしてくれる…正確にはお客さんから教わることが、大いにあると思っています。


 たとえば、『こんなことをしたいな』と悩んでいるときに、相談した友人から、『〇〇さんという人がこういう仕事をしているから、もしかしたらできるかもしれない!紹介しようか?』という話になることって、ありますよね。


 こんなふうに、『あの人ならこういうことができるんじゃないかな?』という、誰かの閃きや発想は、『自分が人からどう見られているのか?』を知るきっかけのひとつになります。『こんなことできませんか?』と問われたことが、たとえ実績のないことであったとしても、『これまでにやったことはないけれど、実は社会に貢献できることかもしれない』という、自分の可能性を教えてくれ、広げるチャンスを与えてくれている、ということです。


 もちろん、いつも誰かからの要望にだけ応えなさい、ということを言いたいのではありません。『こんなことがしたい!』という、自発的な想い、自分の軸となる理念は事業をする上で大事なことです。しかしそれだけでなく、『今の自分の力を最大限発揮しながら、社会にどんなことで貢献できるのか?』という視点もまた、とても大事だと思います。


 事業領域や、ある程度の方向性はあっても、『自分のサービスはこれで、だからお客さんはこういう人』と、こだわりすぎない。限定しすぎない。そうやって余白を持たせることで、誰かが教えてくれる自分に気づくことができる。『もっとできることがあるかもしれない』と、自分自身の成長にも、社会貢献としても、可能性を見出せる。


 この余白と可能性があることで、新たな創造性も発揮されるんじゃないかと思います。


 たとえば自分が作ったサービスに対して、多くの人は『このサービスはきっと誰かの役に立てるはず!』と思っているものです。しかし、自分が想定する “お客さんになってくれそうな人” に改めて聞いてみると、残念ながら全く響かないことだって往々にしてあるでしょう。


 自分に余白があれば、このギャップを知ることやギャップを受け入れることができると思います。そして、当初のサービスを少しでも変容させることができたら、世の中のニーズに合うサービスを生み出せる可能性があります(もちろん無理矢理ではなく自分にできる範囲でですが)。この可能性を信じて取り組み、上手くいけば、『当初とは違うサービスにはなったけれど、自分ってこんなこともできるんだ!』と、新たな発見と創造が生まれると思います。


 一方で、もし、『うちは社員の中だけですべてできます!完結できます!』というパーフェクトな会社があったとしたら、それはそれで理想的かもしれませんが、言い換えると余白がないわけで、外部の人が関わる隙がありません。つまり、外からの視点や価値観が入って来ないため、自分たちを広げる可能性も、新たな創造も、生まれにくいかもしれません。


 冒頭にも書きましたが、どれが正解ということは必ずしもないとは思います。しかし繰り返しになりますが、僕は余白という委ねられる部分があるからこそ、そこに何かしらの可能性を見出すことができて、新たな創造が生まれると思っています。


 『最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることができるのは、変化できる者である』と、ダーウィンは言いました。


 変化の大きな時代だからこそ、関わる人も、仕事も、余白を持たせることで、楽しみながら変化していける可能性を、見出していたい。




 余白がもたらしてくれるものとは、途方もない可能性を秘めていて、それはさながら、まだ誰も見たことのない、大陸なのかもしれませんね。






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