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えんさい
2024年4月2日 22:46
はじめに従来、わずかな例外こそあれ、貨物列車は機関車が牽引するものでした。その状況を打ち破ったのがM250系電車、通称スーパーレールカーゴ(SRC)です佐川急便専用列車として2002年に登場したスーパーレールカーゴは、高速輸送が求められる宅配貨物を機関車牽引列車では実現不可能な最高速度130km/hで輸送する「最速の貨物列車」として活躍を続けてきました。しかし、登場から20年以上経過した
2021年2月6日 15:12
蒸気機関車を評価するための基準として、いろいろな数値が引き合いに出される。全長は○○m重量は○○t出力は○○馬力最高速度は○○km/h…などだ。だが、これらの数値の大小をもって機関車の性能を比較するのは、必ずしも適切であるとはいえない。これらの数値は、機関車の実際の運用、すなわち、営業列車を牽引するときとはかけ離れた条件で測定されているからである。最高速度は、客車はまったく連
2020年11月3日 09:57
はじめに前回の記事「巨大蒸気機関車は永遠のロマン」でも言及したが、蒸気機関車は、諸外国との格差が大きい分野である。諸外国の蒸気機関車は、日本のものよりずっと高性能なのだ。前回の記事はこちら↓これは蒸気機関車製造当時の日本の工業技術力が低かったことと、日本の鉄道の設備が貧弱であったことが原因である。設備の質とは、例えば軌間のような、特定の設備で測れるものではない。軌道・駅・操車場などの鉄道
2021年1月2日 02:39
1987年、日本国有鉄道は民営化され、旅客鉄道会社6社と貨物鉄道会社1社が発足した。旅客6社では、客車列車を廃止し、電車・ディーゼルカーに置き換えるという国鉄時代の方針が引き継がれたため、ディーゼル機関車に対し積極的な投資をすることはなかった。客車列車の需要がないことから、それまでディーゼル機関車で行っていた工事列車の牽引や除雪などもディーゼルカーや保線機械(書類上車籍を持ち、鉄道車両として
2020年12月28日 02:36
この記事は、DD51形に関する記事の第2回である。前編はこちらDD51の最近の活躍かつてはどこでも見ることができたDD51形だが、2020年現在、JR旅客会社ではすでに旅客列車での定期運用はなく、JR東とJR西で臨時列車や工事列車の牽引、蒸気機関車の補助などでわずかに運用を残すのみとなっている。JR貨物所属機も名古屋周辺での運用を残すのみとなり、それも2021年春をもって終了予定である。
2020年12月26日 11:58
以前書いた「D53形」の記事であるが、その後設計に問題があることに気づいたので、「D53基本編」と「D53運用編」の間に挟む記事として、「改善編」を書くことにした。基本編はこちら↓致命的な問題私には絵心というものはまったくないのであるが、D53はどんな見た目をしているのだろうかと気になったので、簡単な絵を描いてみた。すると、数字を見ていただけではわからなかった致命的な問題があることが発覚
2020年12月19日 22:32
はじめにこれまで私は、鉄道に関する記事を3本投稿している。これらの記事は、いままで私がnoteに書いた中では一番読まれているシリーズなのだが、鉄道研究は上には上がいて、そのさらに上がいるような業界であるので、同じ土俵で勝負したところで私のような工学素人には太刀打ちできないだろう。だから私は、高度な技術論ではなく、鉄道の技術的な話題について、あまり詳しくない人にもわかりやすく説明することを目
2020年11月7日 10:36
前回までの基本編・改善編が未読の方はこちら↓前回までの記事で、架空蒸気機関車「D53」の要目について設定した。今回は実際にD53が製造されていたとしたら、どのような活躍ができたのかを考えていこうと思う。設定投入路線の選定「鉄道辞典」上巻950ページ添付資料に、1958年時点での線路種別(路線のランク)を示した地図があるので、これを参考に投入路線を決めることとした。「鉄道辞典」はインターネ
2020年10月31日 12:11
はじめに私は機関車が好きだ。機関車牽引の旅客列車が日本ではほぼ消滅した現在、機関車の活躍を存分に見られるのは貨物列車だから、貨物列車が好きだ。重厚な機関車が貨物を満載した貨車を連ねて疾走する姿には、電車や気動車にない迫力がある。電気機関車もよいが、外からエネルギーの供給を受けず、完全に自分自身の力で走る蒸気機関車とディーゼル機関車はもっと好きだ。ここ数年、蒸気機関車の構造面に興味を持ち