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鉄道の話

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鉄道(車両・設備)について、マニアックな話を書きます。
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貨物電車第2期 : スーパーレールカーゴの後継を勝手に考える(前編)

貨物電車第2期 : スーパーレールカーゴの後継を勝手に考える(前編)

はじめに従来、わずかな例外こそあれ、貨物列車は機関車が牽引するものでした。

その状況を打ち破ったのがM250系電車、通称スーパーレールカーゴ(SRC)です
佐川急便専用列車として2002年に登場したスーパーレールカーゴは、高速輸送が求められる宅配貨物を機関車牽引列車では実現不可能な最高速度130km/hで輸送する「最速の貨物列車」として活躍を続けてきました。

しかし、登場から20年以上経過した

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岩切地区に建設中の新仙台貨物駅のホーム長さを測定してみたら、他の東北本線貨物駅と大差ありませんでした。ということは東京-札幌の編成延長はなさそうですね。

最近の2車体式電気機関車というと東芝製のイメージですが、都営地下鉄のE5000形電気機関車は川崎製なんですね。

「東芝レビュー」に掲載されているEH800形の性能を見ると、青函トンネル登り勾配での最高速度は90km/h程度だそうです。
それなら下りの速度を110km/hから90km/hにすれば、相対速度270km/hを保ったまま新幹線を180km/hで走らせられるのではないでしょうか。

国土交通省の「幹線鉄道ネットワーク等のあり方に関する調査について 令和2年度調査結果」を読んだ。
在来線の部分改良についても取り上げられており、鉄道整備における新幹線偏重が改められる兆しが感じられ、期待が持てる内容であった。

台湾鉄路管理局が日立製作所に発注していた電車の輸出が開始されたそうです。
台鉄は東芝にも電気機関車を発注していますが、こちらの情報はあまり出ていないので気になっています。

花輪線の8620形三重連って、あれだけ繋いでも牽引重量300トン強なのか……

EF510形は「EF64形の後継」になりうるか?

EF510形は「EF64形の後継」になりうるか?

2021年3月末、JR貨物は2021年度事業計画において、九州地区にEF510形電気機関車を投入することを発表した。

2021年現在、九州地区ではEF81形、ED76形といった経年が30年〜40年程度の機関車が運用されており、現在日本海縦貫線(大阪〜青森)を中心に活躍するEF510形を新たに増備し、これを置き換えるものと思われる。

また、東海道・山陽本線を中心に長らく活躍を続けてきたEF65形

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将来電気自動車がもっと増えてくる可能性が高いけれども、今の電気自動車は静かすぎて音の魅力がないと感じる。
日立GTO-VVVFの音が鳴る電気自動車があったら買う。

イギリス鉄道史家が見た日本の鉄道

イギリス鉄道史家が見た日本の鉄道

O. S. Nockの鉄道本Oswald Stevens Nock(オズワルド・スティーヴンズ・ノック、以後O.S.ノック)(イギリス 1905-1994)という人物は、日本における知名度は皆無に等しい。
しかし、英語圏の鉄道界では名の知られた人物であるらしい。

彼の本職は鉄道信号の技術者であり、そちらでも一定の功績を挙げたようだが、より有名なのは鉄道史の研究者としてである。
彼が執筆した鉄道史

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九州地区の貨物列車にEF510形が投入されるとのこと。肥薩おれんじ鉄道の電化を維持費削減のため廃止し、ディーゼル機関車を投入するものだと思っていたので意外だった。電車タイプの観光列車「36ぷらす3」の乗り入れで風向きが変わったのかもしれない。

貨物列車はどのくらい長くできるのか

貨物列車はどのくらい長くできるのか

JRの新幹線・在来線を合わせた中で最も長い列車は、東京〜福岡で走る貨物列車である。
機関車1両が貨車を最大26両牽引し、その長さは約540mに達する。

山陽本線を快走する貨物列車(筆者撮影)

貨物列車の運行にかかるコストのうち、大半が貨車の数に関係のない「固定費」である。
そのため、機関車の性能が許す限り貨車をたくさん牽引したほうが、貨車1両あたりのコストが減って経済的である。
アメリカなどで

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DF200形の後継機関車を予想してみた

DF200形の後継機関車を予想してみた

2021年2月17日の官報に、こんな記事が掲載された。

JR貨物がDF200形ディーゼル機関車の後継機を購入するにあたり、入札の前段階として車両メーカーに参考資料の提供を求める記事である。

DF200形の後継機導入計画について、具体的な情報が公開されたのは恐らく初めてのことである。

DF200形は試作機が1992年に登場してからそろそろ30年となり、JR世代機とはいえ後継の話が出ても確かにお

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蒸気機関車のカタログスペックと実用性について

蒸気機関車のカタログスペックと実用性について

蒸気機関車を評価するための基準として、いろいろな数値が引き合いに出される。

全長は○○m
重量は○○t
出力は○○馬力
最高速度は○○km/h
…などだ。

だが、これらの数値の大小をもって機関車の性能を比較するのは、必ずしも適切であるとはいえない。
これらの数値は、機関車の実際の運用、すなわち、営業列車を牽引するときとはかけ離れた条件で測定されているからである。

最高速度は、客車はまったく連

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