見出し画像

【コラム】 サッカー選手になるということ。

この文章は、#江の島エフシーと僕 の連載記事第8弾です。地域サッカークラブの特徴とも言える、多様性溢れる関係者から集まった唯一無二の物語を紹介していきます。今回は、2021年より江の島FCに加入した副将 #7太田翔 のコラムです。サッカーに傷つき、サッカーに泣き、サッカーと生きてきた20歳の若者は、どのように社会人サッカークラブと交わり、人生に影響を及ぼしていくのでしょうか。

👤 #7太田翔 Profile
2001年1月22日、福島県白河市生まれ。
(Vamos福島 → 福島県立白河高 → All Rounder FC → 江の島FC)




はじめに

僕は4歳のときに兄の影響でサッカーを始め、これまで通算16年間サッカーを続けてきました。小学生の頃から、サッカー選手になることが夢でした。しかし、中学・高校と進学するにつれて自分の実力の無さに気づき、いつの間にかその夢を諦めていきました。

そして、上京し、大学に入ると半年間でサッカーを辞め、毎週のように友達と遊び、本気でサッカーをやっていた高校の時と比べて落ちぶれた自分をかっこいいと思ったこともありました。

しばらくすると、何の目標も刺激もない生活にだんだんと飽きてきたのと同時に、地元の知り合いやチームメイト達が海外チームや体育会で本気で上を目指してサッカーをやってるのに、何もしていない自分に情けなさを感じました。

長年続けてきたサッカーを一度辞めたことで、やはり自分はサッカーが好きなんだと感じるようになりました。人は本気でやりたいと思ったことをすぐやらなかったら一生後悔すると思うし、少しでも何かを変えたいと思い、もう一度本気でサッカーをやろうと決意しました。

2021年春、練習生として江の島FCの活動へ



江の島FCとの出会い


もう一度、本気でサッカーをやりたい。

福島から上京したばかりの僕にとって、訪れる全てが知らない街。右も左も分からず、相談できる仲間もいない中で、できる限り多くの社会人チームの情報を集めたり、練習体験への参加をしました。

そんな中、クラブの掲げるストーリー性や芯のあるビジョンに魅力を感じ、ここなら本気でサッカーに打ち込めるのではないかと直感的に感じ、練習参加のその場で加入を決めたのが、江の島FCでした。

サッカーへの情熱


最初は慣れるのに精一杯で、『一年で現役の時くらいまでサッカー感を戻そう』『とりあえずサッカーを楽しもう』と、そんな自分のことしか考えていない心持ちでプレーをしていました。しかし、バックグラウンドの違うメンバーの集まる社会人チーム、尚且つ新設クラブでの経験は想定以上にとても刺激的で、それらは数年間忘れていたサッカーへの情熱を取り戻させてくれました。

サッカー選手としての向上心が急激に高まる一方で、長いブランクのあるサッカー人生へ焦りを感じ、気づけば隣の芝が青く見え、本当に神奈川県3部リーグというカテゴリから勝負し続けるべきかを葛藤することも時々ありました。

そしてある日、自分自身のサッカー人生を考えた上で、シーズンの終了を待たずしてチームを離れようかと考えるようになっていました。


なくてはならない存在


そんなとき、自分の異変に気づいてくれたのは、チームの仲間達でした。琉貴さん(#29広瀬)、輝(#25御手洗)、高校の同級生の雅仁(#12田崎)と同い年の洸聖(#26面井)、こうたさん(#33大内)、そして、巴山代表浜田マネージャー。皆さんからいただいた言葉から、チームが自分のことを見ていてくれたこと、そして必要としてくれていることを知りました。もう一度自分を見つめ直して、ここで精一杯頑張っていくんだと覚悟を持てるようになりました。

サッカーに挫折をし、サッカーを辞め、意志を持って競技復帰し、正解のない中で在り方に葛藤してきたここの数年間。

江の島FCと出会ってから、いつの日からか私の甘さは、『この人達のために勝ちたい』、『自分がチームを勝たせたい』という気持ちに変わっていました。江の島FCでの経験が、自分自身を大きく変えてくれました。江の島FCというクラブは、自分にとっての1番のモチベーションであり、無くてはならない存在です。


いつまでも大好きなサッカーと共に


僕は、江の島FCに入り、これまでの生活からでは得ることができなかったような刺激をたくさん受けています。そんな中で私が最も感じたのは、社会人でサッカーをやっている人は、『心からサッカーが好き』というということです。

選手には一人ひとり、これまでのサッカー人生のストーリーがあります。
例えば私であれば、小学生の時のフットサル全国大会出場、高校の時の選手権敗退、練習でやったことを試合でできた時の楽しさ、思うような道に進めなかった時の悔しさ、など。サッカー人生を通してたくさんの経験をさせてもらいましたが、間違いなく嬉しい経験より、苦しい、そして悔しい思いの方が多く経験してきました。

だからこそ、私はまだ20歳ですが、仕事をしながらでもサッカーを楽しみ続けている社会人選手は、特に尊敬しています。

サッカーだけに専念しているプロサッカー選手とは異なり、アマチュアクラブのサッカー選手は、サッカーが好きという気持ちを持ち、忙しいなかで敢えて時間を作って走り続けているものだと思います。そして、社会人選手は、誰からも強制されることもなく自分の意思で選択して所属しているため、その分全ての責任の全ては自分自身にあります。なかには家族との時間を削ってまでプレーを続けている選手もいます。どんなに忙しくても仕事が終われば練習に来てボールを蹴り、週末には試合があり、正直とてもハードだと思います。

それでも、サッカーへの愛を貫き、走り続けられる情熱に溢れた素晴らしい選手が社会人リーグにはたくさんいます。一緒に活動していてすごくかっこいいと思うし、そんなチームメイトを見ていると、僕もこれから大好きなサッカーをいつまでも続けたいと強く思っています。幼い頃に夢見たサッカー選手になるという夢を、今度は僕なりのやり方で必ず叶えたいと思います。

自分を大きく変えてくれた社会人サッカー、そして江の島FCの試合や活動を見に来ていただき、社会人サッカーの面白さや、江の島FCについて知ってもらえたら嬉しいです。江の島FCはもちろんのこと、社会人サッカーに関わる全ての方々への応援を、どうぞよろしくお願いいたします。

江の島FC 背番号7 新副将 太田 翔

サッカー選手になることが、夢でした。

==================================================

江の島FCは、2020年4月に設立された江ノ電沿線を中心とした湘東地域をホームタウンとするサッカークラブです。2022年は男女チームがともに神奈川県社会人サッカーリーグに所属し、男子は2030年のJリーグ昇格を、女子は2023年のなでしこリーグ挑戦を目指しています。
『Cultivate the World.』をミッションに、人間の初期衝動と創造的欲求に投資し、誰もが自分らしく生きられる文化を作ることを目指して活動しています。スポーツチームの運営だけではなく、挑戦する全ての人が外的要因を原因に夢を諦めない世界を実現に向けた総合的な支援や、アート・スポーツ・音楽の文化の中心である江の島から、カルチャーの一大プラットフォームを目指して文化振興の支援を積極的に行っています。

↓ 江の島FCの詳細はこちら ↓

江の島FC 公式Twitter

この記事が参加している募集

スポーツ観戦記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?