enfoque / 革小物職人

エンフォケ/enfoqueといいます。主にヨーロッパ産の革を使い、手裁ち、手縫いで革小…

enfoque / 革小物職人

エンフォケ/enfoqueといいます。主にヨーロッパ産の革を使い、手裁ち、手縫いで革小物などを製作するヒトです。 普段の製作風景や数年暮らしたスペインで見た風景なども綴っています。 https://www.tallerenfoque.com

マガジン

  • 革手縫い製作風景

    モノづくりや考えなど、普段の製作風景写真と共に書き綴ったまとめ

  • アンダルシア -Andalucía-

    スペイン アンダルシア地方のいくつかの街を旅した記録、それぞれの街の風景写真と共に書いたまとめ

  • 革手縫い道具&材料

    革手縫いの際に使用する、わたしの道具や材料革、手縫い糸などのマテリアルを写真と共に書き綴ったまとめ

  • スペイン バレンシア -Valencia-

    過去、日本の生活をリセットし、スペイン バレンシアにて長期語学留学、数年暮らしたバレンシアの街での暮らしやお祭りを風景写真と共に書いたまとめ

  • マドリード -Madrid-

    スペイン マドリードの旅、街歩き、郷土料理のことをマドリードの風景写真と共に書いたまとめ

最近の記事

  • 固定された記事

少しの創造力と遊び心 -Bag charm-

製品かといえば、そういうわけでもない… オブジェ、サンプルか… カタチを考えたり、革の質や癖、仕上げの精度など細部に気を使い作っていると、脳も身体も疲れが溜まってくる。 それは、ただの加齢よる…もの? あまり深く考えず、ちょっと遊び心を持って作るような… 真剣に楽しく作れるモノ… 何かあらへんか。 マイクロバッグと呼ばれる物があるが、それよりも小さいサイズでバッグにアクセサリー感覚で着ける"革製のバッグチャーム"。 2~3年前に、あっちこっちのブランドがファッションア

    • 咲き始めの桜と世界遺産のお城

      つい先日、4月頭のお城周辺の桜は、ほぼ蕾、2分咲き&早咲きは5分咲きぐらいという情報だった。 満開予想時にはちょっと行けない… 週末満開予想前後は雨予報となっていたので、咲き始めと曇り空であったが、お出掛けついでにお城へ行ってきた。 (後に、雨予報の日々が曇りや晴れに変わるんやけどね…) お城は世界遺産の姫路城、"あぁ知ってる、行ったことある"って方も多いと思うので、軽い呟き程度と咲き始めの桜やお城周辺の風景写真を並べております。スル〜っとスクロールしながら、ゆる~く見ても

      • 定石を踏むか、踏まないか... -Card case-

        まだSNSなど全く存在していなかった、わたしが若僧だった頃… 夜の社交場などで、たまたま出会う大人たちから名刺を戴く事もあった。 営業部長、美容師、グラフィックデザイナー、代表取締役社長!?などなど、その肩書きを見て、憧れたり、驚いたり。。。 良いこと、悪いことも教わったり、一つの営業ツールであることも分かってはいたが、"名刺が語る"… そんな格好いい大人たちに憧れることもあった。 一般的なシンプルな名刺から、数色使いのカラフルな名刺、デザインされた名刺、ひと目で職業が

        • マテリアルとツールと遊び心のミルフィーユ -Fragment Case-

          服や鞄、小物で"ファスナー"、"ジッパー"、という呼び方をするが、ズボンと言う場合には"チャック"がしっくりくる。昭和生まれの男やさかい… "チャック"… という言葉は、いつ何処からいらしたのか? 今更、気になってその語源を調べてみた。 先ず最初、アメリカの発明家が靴紐を結ぶ不便さから"ファスナー"の開発を始め、後に軍服に使用され量産されて広まり… その後、アメリカの他社が"シューッ"という擬音のZipから"ジッパー"と名付け販売して… またその後、昭和初期に広島尾

        • 固定された記事

        少しの創造力と遊び心 -Bag charm-

        マガジン

        • 革手縫い製作風景
          15本
        • アンダルシア -Andalucía-
          8本
        • 革手縫い道具&材料
          10本
        • スペイン バレンシア -Valencia-
          5本
        • マドリード -Madrid-
          3本

        記事

          スペイン グラナダ 中心街とアルバイシン地区 -Centro y El Albaicín-

          スペイン アンダルシア州のいくつかの街を周る旅、遂に最終回… 前回、前々回の記事で訪れた"アルハンブラ宮殿"を後にグラナダの中心街へ移動する。 そろそろお昼時、どこかで飯食いたい… ゴメレス坂を歩いて下り、ヌエバ広場の南側に出た角地の老舗バル。 定番の摘み系が多い感じだったが、多少なり煮込み料理などもあったので、このバルでサクッと食べることに。 昼時のカウンター席は常連客の特等席という感じで、2Fのテーブル席へ。 Pisto casero、ピスト又はピスト マンチェゴ

          スペイン グラナダ 中心街とアルバイシン地区 -Centro y El Albaicín-

          スペイン アルハンブラ宮殿 -Palacios Nazaríes-

          スペイン アンダルシア州のいくつかの街を周る旅、前回のアルハンブラ宮殿"ヘネラリーフェ"から次へと移動… "ナスル朝宮殿"へと進みたいところだが、わたしと同居人のナスル朝宮殿の入場時間は、旅の数週間前、事前に公式サイトでチケット購入した段階で入場時間を選択している。 ナスル朝宮殿は人数制限があり、入場時間を決定しておく必要がある。 (特にハイシーズンなど、ナスル朝宮殿の当日チケットはすぐに完売することも多いので、事前購入しておく事がベストかと。) まだ時間に余裕があった

          スペイン アルハンブラ宮殿 -Palacios Nazaríes-

          スペイン アルハンブラ宮殿 -Palacio del Generalife-

          今までいくつか書いて来た"アンダルシア州のいくつかの街を周る旅"、実際最初に訪れた街は、このGranadaからだった。チラホラ書いていたけど… 昔懐かしゲーム盤の"スタートへ戻る" … そんな感じで。。。(笑) 新緑の季節、5月初旬、深夜0時発… 当時住んでいたスペイン、バレンシアの街からALSAの長距離高速バスにて、揺られ、揺られて、約8時間半… グラナダ到着。 高速列車でも行けるが、まずバレンシア→マドリード→コルドバ→グラナダ。マドリードとコルドバで乗り換えとなり、

          スペイン アルハンブラ宮殿 -Palacio del Generalife-

          心を揺り動かすモノ作り -artisan-

          モノ作りの世界での職業における呼称、作家さん、クリエイターさん… そういう呼称で呼ばれることもある。自分としては作家さんとは思っていなく、クリエイターさんは、よそ行きの呼び方に感じる… occupational identityの認識、わたしは何者か…となると、革を材料に手縫いでモノを仕立てる"職人"がしっくりくる。 いちいち反応せずに挨拶程度の言葉として流しておけばいいのに。 面倒な革小物職人…と思う。w 普通の職人に分類願います どこの国にもいらっしゃる職人さん、

          心を揺り動かすモノ作り -artisan-

          洗練させたいという欲求 -Refine-

          より良いモノにする、改善する。make it better… 確かにそう思っているけれど、今のわたしの脳ミソくんは違うと言う。 洗練・洗煉… 物を洗ったり練ったりして仕上げるように、文章や人格などを練りきたえて優雅・高尚にすること。磨きをかけて、垢抜けしたものにすること。だと。 英語なら、refinement、refine、refinedとなるのか。 文章や人格、品質、方法など、余分なモノを削ぎ落とし、より良い状態へ垢抜けさせる… そう、そんな感じ。 洗練された文章

          洗練させたいという欲求 -Refine-

          独創的な表情と漆の光沢 "黒桟革" -KUROZAN-

          手縫い革小物職人エンフォケ… 有名タンナーを訪ねる。 "黒桟革"という伝統ある唯一無二の革を創り出している坂本商店さん。 革を扱う人なら知らない人はいないであろう、有名なタンナーさんである。 坂本商店さんは創業1923年、今年で100年を迎えた長い歴史を持つ。 代表の坂本弘氏と次の世代となる御子息の悠氏とは過去にお話させてもらった事が何度かあり、"また遊びに来て下さい"とお声をかけていただいていたにも関わらず、結構な時を経て… 今回訪問させてもらった、失礼なわたし。

          独創的な表情と漆の光沢 "黒桟革" -KUROZAN-

          コルドバの歴史地区 -El centro histórico de Córdoba-

          スペイン アンダルシア州のいくつかの街を周る旅。 前回、パティオ祭りにて美しい花で飾られたいくつかのパティオを訪れた後に、旧市街であるコルドバの歴史地区へと向かったところからとなる。 コルドバは世界遺産指定都市、歴史地区にはあちこちに世界遺産がある。 午前中パティオ祭りを堪能して、メスキータ周辺をぶらついてから昼食。 スペインのお昼は12時ではなく、14時からランチタイムとなる。 昼食後は旧ユダヤ人街や土産屋など散策した後、引き続き歴史地区、夜のパティオも少し周る。 ひ

          コルドバの歴史地区 -El centro histórico de Córdoba-

          コルドバのパティオ祭り -Fiesta de los patios-

          スペイン アンダルシア州のいくつかの街を周る旅、再開。 前回の旅の続き、マラガ(Málaga)からスペインの新幹線 AVANTに乗り約1時間、"コルドバ Córdoba"へ。 ちょうど、この街で毎年5月初めに開催する"Fiesta de los patios" コルドバのパティオ祭りの時期。パティオはスペイン語で中庭という意味。 祭りという名であるが、たくさんの花等で飾られた個人宅のパティオ、庭を一般客や観光客に約2週間の間、無料で開放するのである。 このパティオ祭りは、日

          コルドバのパティオ祭り -Fiesta de los patios-

          フランスの職人技と創造性 -savoir faire-

          ちょいちょいスーパーメゾン エルメス(Hermès)の話をしている。 その職人技術とエレガントで創造性豊かなオブジェに魅了されることはあるが、エルメス信者ではない… お客様でもない… 町人風情のわたくし。 ラグジュアリーなオブジェはもちろん、フレグランス&ビューティとか… 新たな世界も拡大しつつある中、1837年の創業以来、ノウハウの伝承を大事に、職人技術を紡いで行く人たちも育て続けている。 エルメスにある16のメチエ (métier/ この場合製品部門)の中でも中心的

          フランスの職人技と創造性 -savoir faire-

          クウジュ セリエという言う勿れ? -Le point sellier-

          改めて乗馬の鞍を見てみると、カッコいい形… 手縫いだろうか? 馬の鞍にも乗馬、競技、競馬など形の違いがあるが、今の時代ミシン縫いで作られているモノあると思うがどうなのだろう。 鞍の製作での手縫い技法をサドルステッチ(英/saddle stitch)と呼ぶ。 サドルステッチのフランス語は何と言うんだったけ? 何とかセリエ… Cómo se llamaba… 革の手縫い方法とフランス語… クウジュ セリエ? スペイン語は少々わかりますが、フランス語は全くわかりません。

          クウジュ セリエという言う勿れ? -Le point sellier-

          革の手縫いに欠かせない菱錐 -Diamond awl-

          わたしは革小物製作の際に、ヨーロッパ目打ちという道具と菱錐等を使って縫い穴を開けて行く… ひとつひとつ穴を開ける、とても地道なことをやっている。ご苦労様… 最初の頃は道具の仕立て方を覚える、試すのに結構な時間がかかった。 道具の違いか? わたしの技術的な問題か? 理想とは違うことばかりで… ちょいちょい… いや、定期的に途方に暮れていた。 知識も経験もない頃は、そんなことの連続ばかりだった。 そんな時は、よく見ていた番組"プロフェッショナル 仕事の流儀"での様々な職種の

          革の手縫いに欠かせない菱錐 -Diamond awl-

          雨のマラガとドイツ人の橋 -Málaga-

          スペイン アンダルシア州、マラガ(Málaga)は年間300日ほど晴れと… 5月もほとんど雨は降らないと言うが… この日、結構降っとりました。。。 ネルハ(Nerja)からバスでマラガに到着、とりあえずホテルにチェックイン、散歩の準備をして出掛けることに。 マラガは、皆様ご存知の天才画家 パブロ・ルイス・ピカソ(Pablo Ruiz Picasso)の生まれ故郷、ピカソは10歳まで暮らしていたらしい。 ここマラガには、ピカソの生家博物館(Museo Casa Natal

          雨のマラガとドイツ人の橋 -Málaga-