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心を揺り動かすモノ作り -artisan-

モノ作りの世界での職業における呼称、作家さん、クリエイターさん…
そういう呼称で呼ばれることもある。自分としては作家さんとは思っていなく、クリエイターさんは、よそ行きの呼び方に感じる…

occupational identity職業アイデンティティの認識、わたしは何者か…となると、革を材料に手縫いでモノを仕立てる"職人"がしっくりくる。

いちいち反応せずに挨拶程度の言葉として流しておけばいいのに。
面倒な革小物職人…と思う。w

-Tannerie Masure- Kingdom of Belgium
ベルギータンナー マズール社、 ルガトショルダー
-Conceria WALPIER- Italy
イタリアタンナー ワルピエ社、 ブッテーロ 
-PRYM- Italy
イタリア製 プリムホック(挽物)  ニッケルシルバー


普通の職人に分類願います

どこの国にもいらっしゃる職人さん、職種などは数知れず。
craftsmanクラフツマン(英)、artesanoアルテサノ(西)、artisanアルチザン(仏)、どれも"職人"、わたしがたまに目にする他言語。
女性名詞の場合は、artesana(西)、artisane(仏)と語尾変化したり。

フランス語のartisanアルチザンの場合、職人、工匠、職人的な芸術家…という意味もあるらしい。やはり芸術の都がある国、足してくるな…
芸術家アーティストと対比した言葉で技術は優秀でも、芸術要素が乏しいことを批判するときに使われました。。。一応、過去系。

要素が乏しい… 芸術とは関係ないけど、ネガティヴになる言葉… 凹むわ。
普通の職人に分類、 しる  ぶ ぷれs'il vous plaît

海外の人たちからの"amazing!!"、"artist!!"という言葉でリアクションされた場合は、なるべく素直に調子に乗るようにして、自己肯定感を高める訓練をしている。w

エンフォケという職人がidentity crisisアイデンティティ クライシスに陥ってしまったら、中のおじさんは、とてもとても困る。。。

人のハートを揺り動かすモノ作り… そんな技術やアイデアを持つ職人アルチザンに分類されることを想像中… 凹み修復中。。。

Espera un momentito, por favor少々、お待ちくださいませ

自己肯定感って大事。


カタチ探し… 

創造力や表現力、技術力で創り出すオリジナリティ溢れるアート作品、造形芸術。わたしの場合は違うけれど、一職人としてモノを作る中でカタチも考えたりする。一応、プロダクトデザインのような事になるかな。

財布などの小物の場合は、ほぼ入れるモノのサイズが決まってる問題。
サイズには理由があり、奇を衒ったカタチは使いづらくなることもある。
わたしのカタチ探し、職人のカタチ探し… 年間通して安定の迷子。

使い勝手を重視しつつカタチを考える、産みの苦しみ… いつも吐きそう。

ただただ、好き勝手なモノを作り、気分転換できる事もあるけれどね。


キーケース製作風景

革を触り出した頃、試作しながら微妙に修正を繰り返し、このカタチに落ち着いた"スリムキーケース"。価格を抑えた材料革、ホック、金具なども試したけれど… 結局、自分が良しとする組み合わせで良いかとなった。

似たようなモノは世に存在するが、手に馴染むカタチとバランスを調整しながら引いたライン、ホックや金具も厳選して創った、わたしのカタチ。

ちょこっと製作風景です。

本体をカットしたところ
斜め包丁
刃先が斜めの革包丁、ちょっとわかりにくいか… 曲線を切る際によく使う
カットその2
ベルト部分
素材から削り出して作られているイタリア製の"挽物"のホック
コーナーカット
豆反り鉋
手のひらより小さなサイズの反り鉋、コーナーを整えたりする場合に使用したり
イタリア製エッジペイントで裁断した革の端の仕上げ
日本製 ネジ式 Dカン金具 ニッケルシルバー
いろんなカタチから厳選したモノ、このカタチが一番しっくりくる
日本製 フジタカ鋲 ニッケルシルバー
定番カシメとは質が違う、硬く丈夫でカタチも美しい
捻引き
スリムキーケース
イタリアンレザー ブッテーロ (ブラウン) & ベルギーレザー ルガトショルダー (ネイビーブルー) 
植物タンニン鞣し革 染料仕上げの革で製作


形成上、手作業で手間はかかる。他の革でも作っているが、フランスの革でも作ろうかなと。質感硬めの仕上がりとなる革に絞って行きたい。


私物のスリムキーケース

なんそれ? どう使うの?かと思うので、私物で説明しておきます。

オモテは黒桟革、ウラはちょっと傷モノだったオイルコードバン(馬の臀部、お尻部分の革)を使って作ったモノ。

わいの私物スリムキーケース
ネジ式Dカンなのでバラして鍵の入れ替え可能
Dカンのバーに鍵を通して、ネジを締めたら完成
車のキー、スマートキーなどは収まらないので外に装着
中に鍵を収納した状態
以上です


現在は職人アルチザンの技術、役割が重要視されつつあり、元の言葉の意味が薄れているらしい。
個人的には"プロフェッショナル"という言葉に重きを置き、反応しがち。

プロフェッショナルの定義はいくつかあれど、
生業や活動、その職業にとてもふさわしい人…という感じだろうか。

散らかすことにかけては…プロ並み


師走半ば、もう少しで今年が終わりますね。特に区切る必要は無いと考えながらも、何かしら最後にひと伸びしないだろうか?

ではまた、¡Hasta luego!

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