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少しの創造力と遊び心 -Bag charm-

製品かといえば、そういうわけでもない… オブジェ、サンプルか… 

カタチを考えたり、革の質や癖、仕上げの精度など細部に気を使い作っていると、脳も身体も疲れが溜まってくる。 それは、ただの加齢よる…もの?
あまり深く考えず、ちょっと遊び心を持って作るような…
真剣に楽しく作れるモノ… 何かあらへんか。

マイクロバッグと呼ばれる物があるが、それよりも小さいサイズでバッグにアクセサリー感覚で着ける"革製のバッグチャーム"。
2~3年前に、あっちこっちのブランドがファッションアイテムとして作っていたが、ベルギーを代表するブランド、王室御用達のDELVAUX(デルヴォー)が世界の国別イメージで製作していたものが一番派手だった印象。

"バッグチャーム程度なら良いサイズかもな…"と、出来るだけスタンダード&シンプルなデザインで作ってみることにした。
使える、使えない、役立つ、役立たない感じのモノを、本物に寄せて真剣に作るのが、ある意味バカバカしく、楽しくもある。


少しの創造力と遊び心

ハンドメイド系のミニチュアとは違うし、安く販売するモノを作るわけでもない。型崩れやフニャッと変形したり、革のウラ、内部に糸が丸見えになるモノはやはり避けたい。
自分で使うバッグチャームとなるか、飾りにするつもり…ではあるが、一応サンプルにしておこうかと。

本格的な革バッグの製作方法で、シンプル且つ少し遊び心のアクセントあるパターンを考えてみる。少しの創造力と手間をかけた遊びでもある…

型紙。シンプルなパターンなのでそんなに難しくない。
気を付けるのは正確なサイズと、揃えるところのズレがないように計算しておくこと。

ハンドル部分の穴ピッチを正確にするため、illustratorで図面化した型紙に。穴が八つなら、八目鰻みたい…と、ひとりアホな事を思っていた。

ふと八目鰻...をググってみたら。"ヤツメウナギ食べられる"の検索ワード…
水族館で見られる"生きた化石"と思っていたが、刺身、炭火焼、八目うな重などで食べられていることを知った…  あの口は、ちょと怖い。。。
日本での食用は、ほぼ日本産カワヤツメ。ヨーロッパのあちこちでもヤツメウナギが食べられているとWikiに書いてあった。煮込みやリゾット…

スペイン、バレンシアで、アジ ぺブレ(All i Pebre)というウナギ(anguila)を使った郷土料理を何度か食べたことがある。ウナギとジャガイモ、ニンニク、パプリカなどの煮込み料理で、とても美味。赤ワイン、一杯ください。
スペインでは、どこの地域でヤツメウナギが食されているのだろう?

まだまだ知らない事がいっぱいのおじさん。。。余談でした。


2つタンナーのタンニン鞣し革

とりあえず、深くは考えず色と革の種類だけ決め、2種類のタンニン鞣し革を使うことにした。革を裁断した端は、王道の蜜蝋仕上げ。

働いてくれない助手一名… 彼は何があっても転ばない"起き上がり小法師"。
7年前に京都の嵐山で出会い、ウチに連れて来た。
長い間ただの飾りだったが、去年辺りからほぼ被写体モデル。。。

わたしが並べました!! 仕事しました!! 感、満載。
最初に切り出した荒裁ちパーツにロゴの刻印。
パーツを縫製したり接着したり、裁断した端を仕上げ、
六つ目ハンドル…穴をあけた。 少しアクセントになるところ。
このヨーロッパ目打ちを見ると、ブラックスパイダーマン ヴェノムの口を思い出す。
左右の横マチ部分、真ん中口元辺りを縫い止め、アクセント&リアル感。
試しに"しなやかなハリが出る芯材"を前胴、背胴、底に入れることにした。
ハンドルを巻き留めて、内部に芯材と革を貼り、スパーっと本裁ち。
おやつのマーブルチョコレート…
本来、金属剥き出しのバネホックに薄い革を巻いた、くるみボタン。
本体の口元を縫い合わせ。縫い方は前に紹介した"プアン セリエ"(point sellier)
曲者感…満載。
左右横マチ、本来ならひとつ穴を開けては、縫う。
小さく穴が開けづらいのでコルク使用で一気にパスッ、パスッと…そのほうが早い。
二刀流で縫い進めて、ほぼ完成。

両マチの余分な革を裁断、そのコバと呼ぶ裁断した端を磨いて仕上げる。
革のタイプにも依るが王道の蜜蝋仕上げは、かなり時間を要する。。。
イタリアの水性コバ仕上げ剤を使っても良かったかな。

試しに入れたしなやかなハリが出る芯材。革もハリのある部分を使ったので、思った以上にしっかりし過ぎた感… すぐにへたるよりはええやろ。
一般的に革小物や革カバンには、補強やハリ、膨らみを出すため、何かしらの芯材や副資材が入っていることが多い。

過去に、バッグ修理のお手伝いでブランド品をそれなり数、バラした経験がある。それなりに過去のモノだったが、見ない方が良かったモノも多々…
最近のミドルブランド、ハイブランド品は、どうなのか知らないけどね。


タンニン鞣し革のバッグチャーム 

タンニン鞣し革、2つタンナーのイタリアンレザー、キャメル&レッド。
キャメルは少しハリが欲しかったのでシボ(皺)のない部分を使用、この革は部位により表情が異なる。
内側の赤い革はオイルをたっぷり含んだバケッタ製法で作られた革を使用。繊維の密度が高い背中部分のみで製造されている革。今回はオモテの革より、ウラの革の方が、少々単価は高い。

両革共に、経年変化して色濃く艶が増して行くタイプの革である。
手縫いのワックスリネン糸は、生成り色。

数日に分けて作ったが、小さくても手縫いと手間をかけた仕立てにより時間を要する。手間をかけて好きに作ったのは、アナタです…

ど〜んとアップで… 大きく見えるけど。
こんなぐらい… わかりにくいか。。。、
ハンドルを除く、本体 横10cm、縦7cm程度。
口元のくるみボタン
寝かせてみた。
カードを数枚入れてみた。マチを外にちょっと広げてカードがギリギリ。
雰囲気で置いていた陶器の靴。オランダ、アムステルダムに訪れた際に、近くの風車村、
ザーンセ スカンス(Zaanse Schans)へ行き、そこで買った思い出の品。
こんなサイズ感。靴…ちょと左右サイズが違うやん。。。w


シャレで、名刺やショップカード入れにするかと思いつつ…
通常の名刺4号は斜めなら入る。3号も素直には入らないぐらいかな。
マチのある名刺入れは大体横幅110mm、コレは100mmそりゃそうだ。
規格サイズでない"気を衒ったカードサイズ"を作るのもアリではある。
デザインして、知り合いの印刷屋さんに頼むのもアリか… 

サイズアップしたら、それこそアレは入る、コレは入らないとなる。
そもそも、真剣にバカバカしく楽しく作る目的だっただろう…
サンプルであるのに、何だかんだと考える必要はないだろう…と、
もうひとりの自分に突っ込まれたので、この辺で終わろうかと。

次いでにバッグに着ける場合の"専用のストラップ"を作ることにした。
簡単なモノなら革紐でもいいが、以前デザインしたモノを、少〜しアレンジして作る。次回にでもお見せしますかね。

ではまた、¡¡Hasta luego!!

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