定石を踏むか、踏まないか... -Card case-
まだSNSなど全く存在していなかった、わたしが若僧だった頃…
夜の社交場などで、たまたま出会う大人たちから名刺を戴く事もあった。
営業部長、美容師、グラフィックデザイナー、代表取締役社長!?などなど、その肩書きを見て、憧れたり、驚いたり。。。
良いこと、悪いことも教わったり、一つの営業ツールであることも分かってはいたが、"名刺が語る"… そんな格好いい大人たちに憧れることもあった。
一般的なシンプルな名刺から、数色使いのカラフルな名刺、デザインされた名刺、ひと目で職業がわかる名刺、表が日本語で裏が英語など…
名刺は初対面の場でインパクトを与えるモノだった。今もか…
今では、頂く名刺もシンプルなモノが多くなったような?
名刺を貰っても、すぐにスマホの連絡先に登録することになるもんね。
iPhone同士なら名刺貰わずにAirDrop使ったり、iOS 17ではNameDropってのも増えてるって聞いたわ。。。
"昔の名刺のインパクト"はどこへやら…
SNSも便利だけど…
過去、会社員時代は名刺入れに20~30枚程度名刺を入れていた。
フリーランスの場合、住所など個人情報を省きメールアドレスやショップURL、SNSアカウントを載せたシンプルなモノも増えたかと。
SNSも便利だけど… またジワジワ増えてきたよね、何が何やら。。。
もう、おじさん疲れるわ…
たくさんのSNSがあるとは言え、ビジネスシーンでの初対面の場となると、やはり"名刺交換する"ことになる。"わたくし、こういう者です。。。"
会社勤めの方でも薄型の名刺入れで十分って人も多いんよね、結構。
対面でご挨拶をする機会が頻繁にないと、そりゃそうだ。
薄型のシンプルな名刺入れを作っていなかったと… 今頃気付く。。。
"黒桟革に型押しカーフ"…
名刺入れ… 薄型ならカードケースとしても使える良さげなデザインは無いか?
またそんなん考えたら、カタチを考える"産みの苦しみ"が来るやん…と思ったけれど。。。
以前デザインしていたものに少し変更を加えれば行けるか?となり、マチ無し薄型として、もう一度正確なラインを引き直すことにした。
数値を計算し、ラインを引き直し、新しい図面を書いた後に型紙製作。
さて革は? おフランスの型押しカーフレザーを使いたいところであるが、結構シンプルなデザイン故に、ちょっと纏まってしまうかな?と。
以前ならやらなかったこと、ふと、"黒桟革に型押しカーフ"…どやろか?
黒桟革の"漆の光沢&高いシボ"を際立たせるには、脇役となるツルッとした表情のスムースな革が合うのは理解している。世間に蔓延っているのも…
単純に黒桟革にスムースな革という"定石を踏むばかりでは…"
やはり、黒桟革にフレンチレザー型押しカーフを試すことにした。
なんか良さげな感じになりそうな…
製作風景
原皮は国産黒毛和牛、漆を塗り重ね仕上げられた黒桟革と仔牛を原皮に作られたフレンチカーフレザーでの製作。
それらのお肉料理なら、皆様の食欲をそそれる可能性もあるが。(笑)
では…どやろか?の製作風景をサラ〜っと。
ぐるりとコバ仕上げ剤を塗り重ね、磨き、また塗り重ねて仕上げて終了。
手縫い仕立ての名刺入れ / カードケース
どやろか? で製作した名刺入れ、カードケースにもなるよ!!
シボvsシボ… 服で言えば、柄のインナーに、柄のアウターを合わせる感じ。
実はちょっと煩くなってないかな? 大丈夫かなぁ…と思いながらの製作。
台形と曲線… メインポケット口元中心と両サイドを切り込んだデザインにて取り出しやすく、良さげに仕上がったかと思われます。
自分の中で"良し"としたので、online shopに加えることにしました。
特徴のあるモノ同士、 "オレがオレが"、"アタイがアタイが"にならないように… また他も何かしら考えながら、試行錯誤はつづく。。。
自然光で素人カメラ撮影、結構撮り直しました。定石を知らずに闇雲に撮ってはならない。。。(笑)
ではまた、¡Hasta luego!
3月、この時期になると思い出す… 過去暮らした街、スペイン バレンシア。
スペイン三代祭の一つ、バレンシアの"Las Fallas"本番前にて街は相当騒がしい…はず。。。
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