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虎の威を借ることさえできないわたし達は

長崎のお話です。

九州は初上陸でした、とは言っても私は今まであまり勢力的に旅行というものをしてこなかったので、そもそもそんなにたくさんの都道府県に行ったことがあるわけではありません。
九州と四国は高校生の頃に試合で行けるチャンスがあったけど怠けていたり怪我をしたりで置いていかれたし、私が出るときはいつも埼玉とか代々木の近場。なぜ!北海道は何回か行ったけど。
私が高校を卒業した年のインターハイが沖縄で開催されてそれは流石にずるすぎない?みたいに地団駄踏んだのはよく覚えている。

まあそんなこんなで長崎県に行ったのです。
4日間で市内と五島列島を巡ったのでなかなかハードだったけどめちゃくちゃ充実していていい時間を過ごせました。

印象的なものをいくつか書きます。

原爆資料館は案の定しんどくなった。
映像や音声、文章、折り鶴、などなど、全てに飲み込まれそうで、泣くことさえできず気持ち悪くなった。これは子供の頃からずっとそう。火垂るの墓でもぐったりする。
こういう歴史の暗い部分に触れる度に、何も知らなくて恥ずかしいなと思うけれど、それでも真剣に学ぶことなんてできない。その姿勢さえも恥ずかしいけれど、生まれた年代や環境的に仕方がないのかもな、平和ボケなのかな、なんて言い訳をしてみたり。

洪水のニュースとかもそうだけど、実感が持てない。
体験してないことに本気になれる人たちってすごいと思うけどどこかで嘘っぽくない?なんて思ってしまう。
偽善でも善は善だからわたしよりその人たちの方がよっぽどまともだとは思うけど、わたしはわたしに嘘をつきたくないから、とりあえず目の前で自転車を倒しちゃったママを助けるとかそういうことに尽力します。

教会は有名どころをいくつも回ったけど、正直どうしても苦しさとか辛さみたいなものがあまり伝わってこなかった。
確かに踏み絵とか殉教とかは耐えがたいというかおかしなことだと思うんだけど、ただただステンドグラスがきれいだなあ、くらいにしか感じられなくて。弾圧を感じさせないほどの強さと明るさがあったのかな、なんて。
そもそもすべての宗教が最初は新宗教だったわけだし、弾圧までいかなくとも排除されたり非難されたり、そういうのは現代だっていっぱいあって、となると300年後にはエル・カンターレとかが世界のスタンダードになっていてもおかしくないわけで。

大学で専攻してもまだやっぱり宗教とか諸々の目に見えないものが私はどうも好きになれないのだけれど、影響力とか人を動かす力とかはとても大きいなあと感じます。
目に見えないからこそ、盲目的になれるのかもしれませんね。可視化されたものはわかりやすい分、つまらないもん。

夜景も世界新三大夜景に数えられるだけあって、サラピカ〜って感じでした。都心のデコボコギラギラどっひゃーんとは違ってサラサラでした。とにかくきれい。
まあ、都心のデコボコギラギラどっひゃーんも安心感があって好きなんですけど!

島はほんとうによかった。
福江島と中通島に滞在したのですが、海はきれいで楽しいしお魚は美味しいしお肉も美味しいしどこを見ても景色が良くて、最高でした。
とくにサンセットは月並みな表現だけど心が洗われるみたいな、いろいろな想いが鎮まりつつ涌き出でつつ、とにかく「生きてるんだな」って気分になりました。
五島列島がこんなにいいところなら沖縄に行く理由はないんじゃない?なんて。沖縄行ったことないけどね!!!行きたかったよ沖縄インターハイ💢💢

海のあるところになんて住んだことないけど、海は落ち着くものです。泳げないし足の裏痛いし人多いし、で海はけっこう苦手だと思っていたけれど、この旅で海ってめっちゃ良くない?!みたいになった。
田舎暮らしも意外と性に合うのかもしれない。
都会が安心するし田舎の風土に足を踏み入れる勇気なんてないけど、会社や学校が守ってくれる社会にも馴染めず、世の中にうまく巻き込まれて生きることもできないなら、場所や環境を変えるのもありなのかも。

そんなこんなでとりあえず国外に逃げるのです。
一人じゃ弱くて生きていけないくせに権力にしがみつくのも肌に合わなくて、こんな人間はどうやって生きていけばいいのでしょう。
わたしが道を切りひらきます、なんて大口は叩けないけれど、ひとかどの人物になりたいな、なんて欲はまだ捨てきれていないので、どこかのだれかの道しるべや参考のひとつにでもなれたら嬉しいな、なんて。

長崎全体として、原爆や弾圧があったのに暗い印象も雰囲気もほとんどなくて、それは地元の方々の不断の努力があってのものかもしれないけれど、とにかくいいところでした。
暑かったけど楽しかった。また行きたいな。

今日は旅の準備やらで父親に会うついでに家の近所で食事をしました。すると二人のnoterさんが!出国前に会えて良かった😊
その後、隣駅の電気屋さんでWi-Fiルーターの解約をしようとしたらスタッフが不可解なことを言い出してどうしよう……と困っていたら父親がとっても威圧的な態度を取り、するといろんなことがうまくいきました。あの高圧さが自分に向いたらほんとうにしんどいけど、こういう時にはあの恐い顔が役立つんだなあなんてぼんやり。
中国やヨーロッパ相手に交渉してきた経験が生きているとかそういうことではないとおもいます。ただ体が大きくて態度も声も大きくて顔が怖いってだけです。嫌な大人です。

夜は駅をはさんで反対側に住むお友達と少しだけ会いました。頂き物だけどドイツに持っていけないようなお洒落な置物をもらってもらい、ペチャクチャお喋り。その子も8月にドイツにくるので、あっちで会おうね、と。ラブ!

もう眠いのでおやすみなさい。

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