注意力が散漫で、忘れっぽくって、部屋が散らかっているあなたには「創造性」があるかも(拡散思考と収束思考の話)

注意力が散漫で、忘れっぽくって、部屋が散らかったあなたに朗報です。
それは、創造性の証(あかし)かも知れません。

そして、今回の話を読めば、
「なぜ、東大に入れてもノーベル賞が取れないのか?」
「東大よりも京大のほうがノーベル賞を取れるなんて話があるけど どうしてなのか?」
「地方大学出でもノーベル賞を取る人が現れるのはなぜなのか?」
の答えが分ってくると思います。


今回は創造性の話です。

先ずは、「創造性」と「知能」は別物であり、、
それは、「拡散的思考(水平思考)」と「収束的思考(集中的思考)」の違いであるという話から入ります。

「創造性」は「広げ」、「知能」はそれを「まとめ」ます。
「拡散」と「収束」。
「クリエイティブ」と「インテリジェンス」。

それでは、以下の引用からお読みください。

『あなたはインテリジェンス?それともクリエイティブ?』

より(一部書き換えています)

心理学者のギルフォードが、正しい答えを導き出すための「知能」とバラエティに富んだ答えを作り出すための「創造性」は、それぞれ別の思考が必要となると説明しています。

収束的思考(集中的思考)

「知能」に通じる思考
与えられた情報から、論理的に思考や推論を進めていき、唯一の正解に正しくそして早く到達するための思考

◎収束的思考を必要とすること
・公式、定理を用いて、ある図形の証明をする
・文法的に正しい文章をつくる

◎収束的思考を測定するもの
・知能テスト(言語能力/記憶力/思考力/理解力/数能力などで測定)

拡散的思考(水平思考)

「創造性」に通じる思考
与えられた情報から、様々に考えを拡散させ(めぐらせ)、新たな物を生み出していく思考

◎拡散的思考を必要とすること
・ある条件に当てはまるような図形をいくつも列挙する
・意味的に斬新な文章をつくる

◎拡散的思考を測定するもの
・創造性テスト(新用途発見/装置考案/問題解決能力などで測定)


あなたの思考は、収束型でしょうか?それとも拡散型でしょうか?
「創造性」を発揮するには拡散型の思考法が需要です。

では拡散的思考を行なう人の特徴はどのようなものでしょうか?


『なぜ、部屋が散らかっている人ほど「クリエイティブ」なのか | TABI LABO』

より

足の踏み場がないくらい部屋に物が溢れてます。というあなたに朗報!

天才の部屋は散らかっているなんて話をどこかで聞いたことがあるかもしれませんが、どうやら散らかっていれば散らかっているほどクリエイティビティが高いのでは?なんて理論がI Heart Intelligenceに紹介されているようです。
(略)
タイム誌のEric Barker氏は、注意散漫な思考が知性の指標であるとの理論を紹介しています。Steven Johnson氏の著書「Where Good Ideas Come From: The Natural History Of Innovation(よいアイデアはどこから来るのか:革新の自然史)」によれば、普段から注意力散漫な人は、混乱がある中でこそ潜在的な能力を発揮し革新的なアイデアを生み出すのだとか。
(略)
部屋を散らかしていると考えが明確にならない、と主張する人が多いのは事実ですが、その乱雑さがクリエイティビティを刺激しているというのですから。


「部屋を散らかしていると考えが明確にならない、と主張する人」は、収束的思考をする人でしょう。

ネットを見てみると、
「机の上の汚さと、頭の中のゴチャゴチャ度は関連する」とか
「机の上が散らかると、思考もとっ散らかる」とかの意見があります。

これらの意見は、収束的思考の人の意見と見ることができます。

また、ネットで見られる意見から想像されるのは、
拡散的思考をしている人は、とっちらかった思考、注意散漫な思考をしているので、それらが生活態度にも出ている、ということです。

『散らかった部屋から、「ひらめき」は生まれる | TABI LABO』

では、

「身の回りが散らかっていること」
それは、知的な人の共通点

と紹介されています。
この記事の場合の「知的」とは、収束的思考の知 では無く、拡散的思考の知 を指しているようです。

ミネソタ大学のキャスリーン・ヴォース教授は、散乱した部屋で活動をしていた方が、よりクリエイティブになるということを、研究で明らかにしました。

(略)整頓された部屋で考案されたメニューは、伝統的なレシピをベースとしたいわゆるトラディションだったのに対し、散乱した部屋で考案されたメニューの方は、常識を覆すような創作料理が数多く生まれたんだとか。

また、新たに被験者を集めて「ピンポン球の新しい用途を考えてください」というお題を出した場合も、やっぱり同じ結果に。

散らかった環境は古い習慣から脱却させ、新しい考え方を生み出すためのインスピレーションを与えます。いっぽう、整理整頓された環境は習慣を大切にし、失敗しないよう促す傾向にあります」


拡散的思考をしている人は、とっちらかった思考、悪く言えば、注意散漫な思考をしています。
そして次に紹介する記事は、そうした注意散漫な人ほどクリエイティブだという話です。

『「注意力散漫」な人ほど、クリエイティブ!米・研究結果 | TABI LABO』

より

ノースウェスタン大学で行われた調査の結果、クリエイティブな人ほど、注意力散漫な人が多いことがわかったそう。同大学のHPによれば、生理学的には初めての証拠となる発見なのだとか。

調査では特定の興味関心に関する、脳神経の反応速度を計測、その他クリエイティビティを計るための筆記テストを行い、その2つの結果を分析しました。
(略)
データを分析した結果わかったのは、クリエイティブな人ほど注意力が散漫で、忘れっぽい感覚を持っていたということ。振り分けなどを苦手とする人が多かったようです。

「振り分けなどを苦手」とは、収束的思考が苦手ということですね。


また、このような話もあります。
『思考があちこちに飛ぶ、天才肌。彼らの特徴とは? | TABI LABO』

「TTCT創造性テスト」という、クリエイティビティを測るテストによると、計画を立てない人のほうが、ユーモアや物語を創る力、型にはまらない考え方の分野で高得点になる傾向があったそうです。こうした人は、発明家などに向いているタイプなのだとか。

計画を立てない人は、拡散的ですね。逆に計画をしっかりと立てる人は、収束的です。
とっちらかって、注意散漫で、無計画な人は「創造性」があるかも知れません(ただ、これで創造性が無ければ、目も当てられませんね)。

今回の話の最初に、
「なぜ、東大に入れてもノーベル賞が取れないのか?」
「東大よりも京大のほうがノーベル賞を取れるなんて話があるけど どうしてなのか?」
「地方大学出でもノーベル賞を取る人が現れるのはなぜなのか?」
と書きましたが、
もう答えはお分かりですよね?

「なぜ、東大に入れてもノーベル賞が取れないのか?」
それは、
一般に大学入試で測られるのは、その人の収束的思考力だからです。
そして、ノーベル賞に必要な創造性と結びつく拡散的思考力は大学入試では測られないからです。

ちなみに、最近は、C領域も意識され始めているので、今後は入試も変わってくる可能性があります。

「東大よりも京大のほうがノーベル賞を取れるなんて話があるけど どうしてなのか?」
それは、
東大は、その文化として収束的思考力重視であり、京大は、その文化が拡散的思考の方向を向いているからです。

もちろん、ノーベル賞イコール拡散的思考では無いので、収束的思考の延長線上にノーベル賞を取る場合もあります。
ですから、厳密には、「斬新な発想が起点のノーベル賞」と書く必要があるのかも知れません。

「地方大学出でもノーベル賞を取る人が現れるのはなぜなのか?」
それは、
ノーベル賞を取るために必要な収束的思考力は、地方大学に入学できる程度の力であれば十分だからです。
ノーベル賞級のアイデアを出すには、一定の収束的思考力(一定の学力、一定の知能)さえあれば、あとは、拡散的思考力のほうで差が付くということです。


「拡散」と「収束」という視点からは、以下の話も面白いです。

『なぜ創造的な社長ほど、仕事が散らかるのか?(略)| ECコンサル坂本のブログ「ECバカ一代」』

より

・人間の思考プロセスには、「拡散」と「収束」という2つの段階がある
・人は、どちらか片方に得意分野が偏っている(拡散型と収束型)
・拡散スキルも収束スキルも、後天的に磨くことが出来る
(略)
よくある例
・創造的でアイデアのある社長は「拡散型」。風呂敷を広げるが、壮大すぎて畳み切れないことも。でも、隣に、風呂敷を畳んであげる「収束型」の人材がいると安心。
・一方、実務能力が高くクレバーな「収束型」の社長は、画期的なアイデアが出ない自分に若干コンプレックスがありつつ、創造性のある「拡散型」の人材と組む。

私いろんな社長を見てますが、前者のほうが多いです。つまり社長=仕事が散らかりがち。アイデアがある人ほど、自分の壮大なアイデアに圧迫される傾向です。
(略)
・「自分と真反対のタイプ」とは、互いの弱点がよく見えるので非難しやすいし、非難されやすい。
・ 例: 「うちの社員は生意気で視野が狭い」vs「うちの社長はビッグマウスで現場を知らない」

思考のスキルは、「1:広く深く考える」「2:分かりやすく整理する」という、2つが大切だと思っています。

1:物事全体を広く捉えて、幅広い観点から考え、様々な見解や案を出す
2:目的に合わせて論点を絞り込み、考えを整理し、分かりやすく伝える

つまり、「幅広くする(拡げる)」作業と、「結論や理由を整理する(まとめる)」作業の2種類があるわけです。これを、「拡散と収束」と言います。

思いつきやシンプルな考えであれば、伝えるのは一言で済みます。広く深く考え、微妙なニュアンスにもうるさい・・という人ほど、それを人に伝えるのが大変になります。

結果、拡散力の高い人の話は、「長い」「分かる人にしか分からない」という弱点があります。
(略)
いろんな観点を踏まえて、たくさん考えれば考えるほど、それを人に伝えるときには、分かりやすくまとめる(要約する)力が欠かせません。

そこで活きるのが、収束力です。
(略)
実際、「勉強が得意な人」「よく本を読む人」「大企業出身者」は、この(収束力)スキルが高いように思います。逆にたたき上げの人や社長さんは、あまり話をまとめずに延々話してしまいがちです。

会議中、拡散力が高い人は、新しいアイデアやトピックをドンドン増やします。収束力が高い人は、「いま上がっている論点は3つあると思います」などと「まとめに掛かる」傾向ですね。イメージつきますでしょうか。

拡散型の人は「アイデア」「ビジョン」「未来像」を語り、収束型の人は「明確化」「実行」「実現」を語ります。

いかにも優秀っぽい収束型の人ですが、ひとつ弱点があります。合理的が故に、「微妙なニュアンス・味わい」や「チャンス」をバッサリ切ってしまうリスクです。

明確さやスピードを求める収束型の部下にとっては、拡散型の社長さんが蕩々と語る「ニュアンス」「味わい」「なんでこのアイデアが凄いのか」の話は中々伝わりにくい。「急いでるんだけど」「要は何ですか?」なんて思いがち。

まあたしかに、結論から話すほうが合理的だしスピードも早いです。ただ、ニュアンスが通じ合わない状態で仕事を開始して、早く仕上がったとしても・・味わいが抜け落ちることで、成果に繋がらなかったら、そもそも意味がありませんよね。

特に今は、1960年代と違って「早く沢山作れば良い」時代ではなく、微妙な味を盛り込めるかで大きな差が付いたりします。効率を重視しすぎると、味わいが抜け落ちるリスクがあります。要注意です。
(略)
収束型のあなた、人の部屋とかデスクを片付けようとしたら「それ微妙なニュアンスで並べてるから触らないで!」なんて言われたことはありませんか。散らかっているようで、実際そこには、大切な何かがあったりするんです(例え話)。なので、大目に見てくださいw

社長っぽいキャラってありますよね。あれこそ拡散型です。
(略)
収束力の高い社長さんは、拡散型社長と反対で、「日々の業務は普通に回るがイマイチ次のステージが見えない」もしくは「○○を○%にしたい(具体的で目先的)」といったご相談が多いです。コンサル業としては、いろんな観点から質問を投げかけたり、考え方をご提案することで発想の広がりをお手伝いします。


それで、
もしも、その会社の社長が収束的思考の人で、社員に創造性を求めるなら、次の意見を参考にした方が良いと想います。


『組織論のプロが説く。「生産性とクリエイティビティの両立は、ムリな話です」 | TABI LABO』

より

心理学やマーケティングに関する学術論文を150以上も発表している、アート・マークマン博士。彼が「ハーバード・ビジネス・レビュー」にて書いた記事によれば、

「そもそも、生産性とクリエイティビティはお互いに引っ張り合うもの」

(略)
しかし大抵の会社は、従業員に「生産性とクリエイティビティの両立」を望むもの。では、どうしたらいいのか。

マークマン博士のアドバイスはいたってシンプルです。

「最低限必要な人員より、10〜20%多く人を雇用すること」

そこで生まれたゆとりを、各社員のクリエイティビティな時間や活動に充てるべき、と言います。


創造性とゆとりとの関係は、以下においても言われています。

より

心理学者のドット・ルバードとロバート・スターンバーグは「成果をあげたいという欲求が中程度を超えると、創造性が低下するということが実証されている」と述べているそうです。


まとめます。

思考には収束的思考と拡散的思考があり、
収束的思考の人は生産性重視、考えを整理し、分かりやすく伝えるのが上手く、「明確化」「実行」「実現」を語ります。当然、その思考は身の周りにもおよび、身の周りは、収束された状態で整理整頓が行き届いています。
一方、
拡散的思考の人はクリエイティビティ重視、幅広い観点から考え、様々な見解や案を出すのが上手く、「アイデア」「ビジョン」「未来像」を語ります。その思考は身の周りにもおよび、身の周りは、拡散された状態でとっちらかってます。計画性が無く、振り分けが苦手、注意散漫で、忘れっぽいところもあります。無駄とゆとりの中からアイデアを生み出します。

収束的思考は知能型と言え、拡散的思考は創造型と言えます。

「まとめて整理する」か?「散らかしながら広げていく」か?

さて、これを読んだあなたはどちらの傾向が強いでしょうか?
部屋は整理整頓がされていますか?

これ、メモの取り方にも現れるような気がします。
それと「ボサボサ頭の天才」とは拡散的思考者だったんですね。

ここから先は、蛇足となるやも。

蛇足その1.

「だったら、部屋を散らかせば創造性が上がるのか?」と思うかたもいると思うのですが、上がるようです。

では、以下のような話が紹介されています (始めのほうで引用した『散らかった部屋から、「ひらめき」は生まれる』と同じ人です。もしかしたら同じ内容) 。

ミネソタ大学のマーケティング学教授のキャサリーン・ヴォーズは、48名の被験者を2種類の部屋に入れた。1つは散らかった(デスクや床に紙やペンがバラバラに散らばっている)部屋、そしてもう1つは整理整頓された部屋だ。

彼女は被験者に、クリエイティヴィティに関する試験を行ってもらった。ピンポン球の新しい使い方を考えてもらう課題だ。結果をまとめてみると、散らかっている部屋の乱雑な机で試験をした被験者28名は、片づいた状態の人よりも「創造性が高かった」。

一方で、

という話もあるので、真に創造性のある人は、また違うのかも知れません。


蛇足その2.

あえてエニアグラムの話を入れると、収束的思考は、タイプ6。タイプ6でもウイング5が一番強そうです。官僚型タイプですね。次にタイプ5ウイング6の問題解決者。完璧主義のタイプ1を筆頭にガッツセンター全般が、収束的思考に入ると思います。
知情意の知(分類)で収束させるか、意(具体的事実)で収束させるか、といった違いは出ると思います。

拡散的思考は、次々に楽しいことを求めるタイプ7、ときに飛躍した思考をするタイプ5ウイング4、タイプ4、あとはハートセンター全般、かな。
知情意の知(考え・案)で拡散させるか、情(イメージ)で拡散させるか、といった違いは出ると想います。

まあ、収束具合・拡散具合は、その人の部屋や行動を見れば分ることでしょう。

その人を見れば分るで、思い出す話があります。

タイプ5ウイング4の人が、タイプ8の上司から「オレ、豚小屋嫌いなの」と言われていた、という話を聞いたことがあります。それだけ整理整頓ができていなかったという話です。
ついでに書くと、その人は、同じ上司から「研究者向き」という意味のことを言われていたそうです。


タイプ5のウイングの違いについては、『同じ『思考者』である タイプ5ウイング4 と タイプ5ウイング6 はどう違うのか?』を読んでみてください。でも学者タイプであればウイング6も部屋が散らかっているかも知れませんね。ウイング4ほどではないにせよ。

蛇足は、ここまで。



今回は、注意力が散漫で、忘れっぽくって、部屋が散らかっているあなたには「創造性」があるかも知れない、という話でした。

今回の話とは関係ありませんが、
『なぜ創造的な社長ほど、仕事が散らかるのか?(略)』
の引用文を面白いと感じたかたは、
『組織の理想形は「まんじゅう」だと思う | ECコンサル坂本のブログ「ECバカ一代」』

も読んでみることをお勧めします。

ビジョンを掲げる「あんこ人間」には、進むべき方向が見えています。ただ、あんこ人間は、味が濃い目で主張が強く、ベタベタして扱いにくいため、あんこ単体では食べられません。

そこで必要なのが、包む「皮人間」です。

というような話が書かれています。
まんじゅうの皮は、見た目でありユーザーインターフェイスである。という話です。皮の向こうにあんこがある。
見てくれが同じ製品や商品に、なぜ違いが出るのかの説明がされています。
引用先では、まんじゅうは、あんこだけでも、皮だけでも成り立たないということが書かれています。

今回の拡散と収束の話と似ていますね。両方が協調してはじめて上手くいく。という。


参考『日本人と創造性(簡易テストあります)
ソニーの“あんこ”
「ソニーの競合はどこだと思いますか?」と問われたら、あなたなら何と答えますか?
表面的な饅頭の皮にだまされていませんか?というような話を書いています。



蛇足の蛇足

心理学者のギルフォード(Joy Paul Guilford・1897―1987)の物語
なぜ、創造性の研究を始めたのか?

 『スウェーデン式アイデア・ブック(フレドリック・へレーン ダイアモンド社)』より

 心理学者のJ・P・ギルフォードが創造性の研究に身を捧げたのは、あるきっかけからでした。

 第二次世界大戦中、アメリカ空軍から依頼されて爆撃機のパイロットを選ぶことになり、知能検査や学業成績、個人面接の結果をもとに適任者を選択しました
 空軍はまた、退役した元空軍司令官にも同じ任務を与えました。
(略)
ギルフォードと元司令官はまったく違うタイプの人間を選びました。

 しばらくして、2人の任務が査定されました。すると、ギルフォードが選んだパイロットはことごとく撃墜されていたことが判明。大勢の兵士を死に追いやってしまったことを知り、ギルフォードは悲嘆にくれました。そしてようやく悲しみの底から立ち上がると、自身の失敗を検証するとともに、なぜ元司令官の選んだ人材が抜きん出ていたのかを徹底的に調べようと決意したのです。

 ほどなく、元司令官は全員に「ドイツ領空で敵機の対空射撃にあったらどう対処するか」と質問し、軍のマニュアル通り「上昇します」と答えた兵士を落としていたことが判明しました。選ばれたのは、「その場になってみないと分かりませんが、おそらく降下します」「ジグザグ飛行を始めます」「左右に機体を揺らして砲火を避けてみます」など、いわゆる「間違った」回答をしたパイロットばかり。その理由は、マニュアル通りに行動する兵士は意外性に欠けており、予測されやすいからでした。

 ギルフォードが失敗した原因はそこにありました。マニュアル通りに機体を上昇させる兵士ばかりを選んでいたのです。お決まりのパターンを敵側のドイツ軍は察知しており、雲の上で上昇してくるアメリカ機を待ち伏せしていました。つまり知性が高くても、常に規則通り動くパイロットより、機知に富んだ考え方ができるパイロットの方が危険をうまく切り抜けられるということです。

 違う考え方ができる能力、枠の外で考える能力―――。そこではたと、ギルフォードは創造性や独創性というものに気づき、以来、その研究に没頭しました。


違う考え方ができる能力、枠の外で考える能力

それこそが、

創造性・独創性



追記
この文章で書きたかったこと。
・拡散的思考と「散らかった状態」「計画性の無さ」「注意散漫」「忘れっぽさ」「振り分けなどが苦手」に関連があること。一般的に否定的に見られるものが拡散的思考と関連付くこと。
・頭の良さと収束的思考が結び付けられることが多い中、能力というものは複数あるということ。今回は、その内、2つについて違いが分ることを目的とした。
・この延長線上において、よく聞く「東大と京大の違い」等の説明を試みた。

なお、いろいろと引用したのは、拡散的思考と収束的思考との違いを理解して欲しかったから。



2021/04/26追記として、
多少、脱線した話を書きます。

片山敬済氏の言葉
「秀才は着込み、天才は脱ぐ」

収束思考と拡散思考
の話と読むことができるかも知れません。

収束思考がとてもできる人は、知識を着込んだ秀才となり、
拡散思考がとてもできる人は、常識を脱いで、新しいことを作り出す天才となる。
どちらも、程度に差があるから、収束思考だからといって秀才にはならないし、拡散思考だからといって天才にはならない(拡散思考の場合は、バカにされる可能性だってあるし変人扱いされる可能性だってある)。

・・・そんなことを思っていたら、

『あなたの会社は「天才」を飼い殺しにしていないか? 社内に埋もれた「天才」を、活かせる組織に変える法 | JBpress(日本ビジネスプレス)』

の話を思い出しました。

あなたの会社は「天才」を飼い殺しにしていないか?
企業にイノベーションは必要なはずなのに、なぜイノベーションを起こせる人材が十分に活躍できなくなるのはなぜでしょうか? 実はその秘密を北野唯我さんが『天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ』(日本経済新聞出版社)の中で鮮やかに描き、話題になっています。同書の一部を引用しつつ、解説してみましょう。

天才:独創的な考えや着眼点を持ち、人々が思いつかないプロセスで物事を進められる人

秀才:
論理的に物事を考えシステムや数学、秩序を大事にし、堅実に物事を進められる人

凡人:
感情やその場の空気を敏感に読み、相手の反応を予想しながら助ける人

 組織はざっくりいうとこの3タイプの人材にわかれます。

新しいビジネスモデルを描く、イノベーションを起こすのは「天才」です。
「仕組み化」が得意なのは「秀才」です。
(略)社員の皆様は「凡人」。秀才が描いたプロセスに沿って堅実に仕事をする役割です。お父さん世代のサラリーマンが「金太郎飴」とか「会社の歯車」と表現されたのはそのためです。

「凡人」、「秀才」、「天才」は基本的に理解し合えません。物事の良し悪しを判断する「軸」が違うからです。

天才は「創造性」、秀才は「再現性=論理性」、凡人は「共感性」に長けているので、軸がかみ合わないのです。

このかたの言う「天才」が「創造性」なら、それは拡散思考です。
また、「秀才」が「再現性」や「論理性」なら、それは収束思考です。
「凡人」が「共感性」となっていて、これは、拡散思考や収束思考とは別の能力です。「EQ」がこれに該当するのか、それとも、また違ったものになるのか、そこは不明です。

引用文に、
「“凡人”、“秀才”、“天才”は理解し合えません。物事の良し悪しを判断する“軸”が違うからです」
と書かれていますが、“秀才”、“天才”の違いが、収束思考と拡散思考の違いならば、お互いに“軸”が違うので、理解し合えなくて当然だと言えます。

(前略)一方で凡人は、秀才のことを天才だと勘違いしており、成果を出す前の天才のことは「コミュニティの和を乱す異物」程度にしか認識していません。なんとなく不気味で怖いから、彼らもまた天才を排斥しようとします。

実はコンサルティングの実務の中も「イノベーター探し」はよく行います。(略)窓際や閉職の中から「元天才」が発掘されることは少なくありません。周囲からは「えっ。あいつが?」と眉間に皺寄せられるような人物であることが大半です。

 事業ライフサイクルで考えるとわかりやすいです。導入期は一人の「天才」がキーです。天才は、まだ世にない新しい価値をゼロから生み出すことが出来ます。そこで市場の掴み方が分かり、一発当たると成長期に入ります。ここからは秀才の出番です。仕組み化して組織を大きくしていくのです。そして安定期になると完全に秀才と凡人の世界です。改善や改良はあるとして、ビジネスモデルが固まり、それを安定的に回して効率化し、生産性向上を行うのが理にかなっているからです。この時期には天才は“異端”になります。多数決という刃物で天才の提案を切り刻み、その存在ですら殺そうとします。実際に閉職や退職に追いやられた天才は数えきれません。縦・横の根回しが必要になるのはこの段階です。そして、天才を失った組織は急速に老化していきます。

 そう、組織は成長もしますが、老化もするのです。老化を遅らせることはできますが、年齢を若くすることはできないと同じです。組織も老化するともとには戻れないのです。人間が美容整形で表面的に若くできても、内臓も一緒に20代の姿に戻せないのと一緒です。


凡人の仮面をかぶった元天才を探しだす

 天才を失った組織は老化します。では、もしも自分の組織にもう天才が存在しない状況になっていたならどうすればよいのでしょうか。

 そのまま、ゆっくり衰退期に向けて死にゆくのを待つのは寂しすぎます。かといって、秀才は天才にはなれません。外資系コンサルタントが経営者にはなれても、世にない新しい価値をゼロから生み出せたりしないのと一緒です。

 解決法は2つあります。1つは、天才に復帰してもらう、もしくは他社から来てもらい、秀才が握っている権限を譲り渡すことです。あのステーブ・ジョブズという天才も、一度アップルを秀才と凡人に追い出された過去があります。そして業績が低迷したアップルは、再びジョブズを迎え入れました。ジョブズ復帰後のアップルの快進撃は鮮やかなものでした。あれと同じことをするのです。

天才を失った組織は急速に老化していきます。

このライフサイクルの話を読むと、
「そもそも、生産性とクリエイティビティはお互いに引っ張り合うもの」
という言葉も、なんとなく理解できます。
仕組み化ができて、安定期に入ると、拡散思考を行う天才は用済みになるわけです。それで閉職や退職に追いやる。
そして収束思考に長ける秀才のもとに、効率化し、生産性向上を行う。
生産性を気にし始めると、クリエイティビティは衰退します。
このとき、凡人は、会社を大きく安定させる秀才を、天才だと勘違いしている。
そうしているうちに、組織は衰退する。


組織が用済みになった天才を追いやった実例は、以下を読むとよいと思います。あなたが拡散思考の人なら、これを参考にしておいたほうがよいかも知れません。

最後のほうだけ引用してみます。

 筆者がコンサルをして十数社を見た経験から言えば、第三、第四の“舛岡氏”や“中村氏”が存在する会社が少なからずある。そして、そのような人物は、その会社への貢献に見合うポストにもついていないし、報酬も得ていない。それどころか“出る杭”として叩かれ、足を引っ張られ、冷や飯を食わされているケースが多い。

“舛岡氏”や“中村氏”は、「0を1にする」発明をした。これは、何もないところから価値を創造する“タレント”にしかできない仕事である。一方、多くの会社では、「0を1にする」仕事ではなく、「1を2にする、2を5にする、5を10にする、10を100にする」仕事をした人たちが評価され、昇進し、高額な年俸をもらうようになる。

「10を100にする」仕事ももちろん必要だ。しかし、それは、「0を1にする」発明があって、初めて成立する仕事である。これはまったく質の異なる仕事である。日本では不幸にして「0を1にする」仕事をした技術者が評価されない。これは多くの日本の会社が、可及的速やかに改めなければならない決定的に重要なことである。

 それがなされなければ“タレント”は海外にどんどん流出していくだろう。日本のプロ野球選手が次々とメジャーリーグに行ってしまうように。

『天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ』という題を思い出させる話となっています。


人は誰でも創造性を持っています。そしてあるアイディアが思い浮かんだ時には、天才→秀才→凡人の順で思考が駆け巡っています。

とも書かれています。

天才・秀才・凡人の話の詳細は、先ほどの『あなたの会社は「天才」を飼い殺しにしていないか?(略))』のリンク先で読んでみてください。



2021/09/04追記
今回の文章の続きになるような文章の紹介です。

「アリの思考とキリギリスの思考」の感想
細谷 功 氏の書いた「アリの思考とキリギリスの思考」の感想です。

細谷 功 氏は、
「問題発見」のための考え方を「キリギリスの思考」と表現し、
「与えられた問題を解決する」「狭義の問題解決」を「アリの思考」と表現して文章を書いています。

日本企業は「アリの思考」で成功してきました。

細谷氏はこう書きます。

これまでの日本企業の典型的勝ちパターンは、「すでに決められた枠の中を最適化する」ことではなかっただろうか?
ある程度製品の大枠が決まってからそれを高性能化し、低コスト、軽量小型化することは自動車や電気製品で見られた日本製品のひとつの勝ちパターンだったと言える。
ところが社会や市場の成熟化、新興国の台頭、製品のコモディティ化、ICT(情報通信技術)の発展などによって、「枠の中を最適化する」という勝ちパターン以外のことが求められる場面が多くなっている。
ところがここでの最大の問題は、従来の問題解決に求められていたスキルやものの考え方(アリの思考)と、上流の問題発見のためのスキルや考え方(キリギリスの思考)は、真逆と言えるぐらいに異なっていることである。

興味のあるかたは、先のリンクで私の文章を読むか、細谷氏の文章か本を読んでみてください。



イノベーターはいるのだけども(エニア話ではなく)
「イノベイターDNA診断」の話をしています。
凡人の説明は、エクゼキュータに該当し、
天才はイノベーターに該当するようです。

ちなみに、エクゼキュータは、「ものごとを継続的に成し遂げることで成功する」「根気強い」「実行力のある」人のことを指します。

日本の企業は、秀才の指揮の下、根気強く実行力のあるエクゼキュータが働くことで成り立っていました。
日本はエニアグラムのタイプ6の国なので、試行錯誤を嫌い、判断が苦手で、確立された答えを求めます(キリギリス的な生き方は嫌、アリのままでいたい)。
なので、答えは外からもってきて、秀才とエクゼキュータ(凡人)が会社を動かしているのが日本型企業運営となります。
そして、ときどき、社内の天才が力を発揮して、その恩恵にあずかるわけですが、「夢ばかり語って実行が苦手な」イノベーター(天才)は、通常業務においては邪魔なので、基本的には、のけ者にしてきました。
ところが現在は、イノベーターの力が各企業で重要になってきているので、イノベーターを活用できない企業は(今、秀才にできる対応は、賃金カット、コストカット、リストラ、太枠の中での最適化、くらいで、新しくお金を生み出すアイデアは出せない。ので)ジリ貧になっているわけです(収束思考が得意な秀才に、拡散思考の創造性は期待できないので)。

上記に紹介した二つの文章が気に入ったら、
以下の文章も読んでみてください。
なぜ日本には戦術があっても戦略が無いのか?
日本のITは何故弱いか


2021/11/09追記
「イノベイターDNA診断」におけるイノベーターとエクゼキュータの違いに関連して、
あなたは想像力が豊かな人ですか?心理テストでチェック - kazuosite☆心理学から学ぶ人生のいろはにほへと
の記述が参考になりそうです。

想像力は創造力にも通じるところがあります。偉大な発明や芸術は想像力のなせる業です。あなたは想像力の豊かな人ですか、気楽な気持ちでチェックしてみましょう。

リンク先にはテストがあり、このテスト結果を見てみると、想像力(≒創造力)が強すぎると実行力が無いことが理解できます。
「想像力はあなたの武器になるが、暴走しすぎて非現実的にならないように注意する必要がある」なんて書かれています。

想像力(≒創造力)が強い人が、イノベーター。
現実的で実行力がある人が、エクゼキュータ。
となります。

リンク先のテストにおいて、
10点~15点、低い点であるほどにエクゼキュータの傾向が、
24点~30点、高い点であるほどにイノベーターの傾向があることになります。

※ 本当にキチンと知りたいかたは、お金を出して「イノベイターDNA診断」を受けてください。

■ 10点~15点 : 現実的でより具体的な思考をするタイプ。現実とは違う状況を想像することは出来るが、もっと現実的なアプローチを好む。

■ 24点~30点  :大変豊かな想像力の持ち主である。この想像力はあなたの武器になるが、暴走しすぎて非現実的にならないように注意する必要がある。


2022/05/26追記
先に関連したリンクです。『イノベーターはいるのだけども(エニア話ではなく)
天才・秀才・凡人、アリとキリギリス、「イノベイターDNA診断」を使って2021年6月に書いた文章です。

最近読んだ、ちょっと面白かった話。

より
英特殊空挺部隊(SAS)ができた いきさつ。

英陸軍士官だったデービッド・スターリング(1915~90年)はドイツ軍の空挺部隊を見て、敵の後方に高度な訓練を受けた少数の精鋭部隊を落下させれば、ドイツ軍の航空戦力を破壊できると思いついた。

これが試行錯誤の末にSASへとなるようです。詳しくはリンク先で読んでください。


スターリングは優等生タイプではなく、長身で怠惰だったことから「巨大なナマケモノ」と呼ばれていた。エベレストへの初登頂や芸術家になることを夢見る夢想家だった。

このスターリングという人、
どちらかというと、実行力よりは創造力(想像力)が強い、「イノベイターDNA診断」におけるイノベーターのようです。
つまり拡散思考者ということです。

英軍の指揮官バーナード・モントゴメリー陸軍元帥はスターリングを「この野郎はかなり、かなり、かなりイカれている。しかし戦争はしばしば、そんなイカれた野郎を必要とするのだ」と荒っぽい言葉で称賛した。スターリングの独創的な発想と不屈の行動力は大戦の流れを変えたのだ。


話は変わって個人のページ
『心理学の基礎-「創造性」_ ひろみの勉強部屋』

より

●創造性と知能の相関
一般に正の相関を示すが、知能指数が120を越えるとこの相関は消失する。

●創造的思考の進展
準備期・・・必要な情報の収集と問題状況の分析
孵卵期・・・意識的な思考活動の停止、休息期のように見えるが、それまでに準備された内容が整理され消化される時期
啓示期・・・創造的思考の決定的要素であるひらめきが突如として出現する
検証期・・・ひらめきとして与えられた着想を枠組みにしたがって現実的に仕上げる段階

創造性には収束思考(知能)も必用だけど、それは、知能指数において120を超えると相関は消失するようです。

これは、
「地方大学出でもノーベル賞を取る人が現れるのはなぜなのか?」
の説明にもなると思います。
創造性において収束思考(知能)は、ある程度あればよいわけです。
とはいっても120は高い値ではあります。

あとは、創造的思考には、準備期において情報収集が必要だということです。
この前提で話を進めます。

今回追記をするのは、以下を紹介したかったからです。
『知の探索・知の深化の理論
【解説動画】『世界標準の経営理論』#11
入山 章栄 :早稲田大学大学院 経営管理研究科(ビジネススクール) 教授 』

2分ちょっとの動画解説です(説明は前半の1分ちょっとを見るだけで分かります)。とても分かり易い動画です。
これを見ると
「そもそも、生産性とクリエイティビティはお互いに引っ張り合うもの」
が実感できると思います。
以下、文字起こしをした文章です(文字を読むより1分ちょっと動画を見たほうが分かり易いです)。

もしですけども、今、この動画を見てくださっている皆さんの組織とか企業とかで「うちの会社、イノベーションが足りない、新しい価値を生み出せていない」というのがあるんであれば、こういう状態なんです。目の前の知と知の組み合わせは終わっちゃってるんで・・・

じゃあ『新しい知』はどうやったら生まれるかっていうと、この『探索』が重要なんですよ。

( 縦軸『探索』、横軸『深化』

『探索』




・―――――――― 『深化』



この(縦軸方向の)遠く、なるべく遠くの幅広~い知見っていうのをいっぱい取って、例えば今自分が持っている知と組み合わせる。もう目の前終わっちゃってますんで・・。(これが)イノベーションの第一歩です。
イノベーションが足りない、新しいことが足りないというのあるんであれば、それは『知の深化』(横軸)に偏り過ぎなんで、なんとかして、この横に寝ている線(原点から出ている方向線)を縦に起こしてやる。
これ『深化』も重要なんですよ。『深化』もやるな言ってんじゃなくて、『深化』をやりつつもっと『探索』側にもリソースをふって『探索』をやっていきましょうと・・・

日本の企業の場合、ちょっと怒られるかも知れませんけど、この『深化』だけやった利益率の高さだけになっている会社が多くはないかという・・、ここだけやっているんではないかという個人的な危惧をしてまして・・、そうすると短期的にはいいんですけど、中長期的には絶対息切れします。
ですので、そういった意味でもこの両利きのバランスを取るというのは是非考えていただきたいと思っております。

ここまで読んできている皆さんに説明は不要かも知れませんが、
この縦軸の『探索』が拡散思考に関連し、
横軸の『深化』が収束思考に関連していると言えます。

そして、
「そもそも、生産性とクリエイティビティはお互いに引っ張り合うもの」
という話もこの動画を見ると、横軸(生産性=深化)と縦軸(クリエイティビティ=探索)の関係だと理解できると思います。

たぶん始めは『探索』なんですよ。それがだんだんと方向線が寝てきて、『深化』になるのだと思います。
もしくは『探索』なんてせずに、正解をコピーしてきて、その上で『深化』させているのだと思います。

関連する話です。
『イノベーションのために生産性と創造性の違いを理解する』

生産性を上げる。

少ないインプットで、より速く正確に標準的なアウトプットを出す。
時間を効率的に使う必要がある。インプットも同じようになっていく。これが習慣になる。習慣は条件反射でできる状態。脳の神経細胞のネットワークができている状態。

これが『深化』。


創造性を高める。

できるかぎりインプットを増やす必要がある。インプットを増やすには、興味関心の幅を広げ、深くする必要がある。

これが『探索』。


生産性を上げる環境で行動と思考が習慣化されている場合、インプットを増やすことがしづらくなる。(略)また、インプットを増やす行動をしていると、周囲から、ムダなことをしているように見られてしまう。その結果、創造性を上げるために必要なインプットが減っていく。
そもそも、なぜ、インプットを増やす必要があるのか。創造には想像が必要になる。インプットが変わらない場合、想像で描かれる絵・イメージは現状の焼き直し、延長線上になる。
(以下略)


今回は、
「そもそも、生産性とクリエイティビティはお互いに引っ張り合うもの」
の分かり易い説明のために追記をしました。


その上で、
仲間は異なるほうがいい ― ひとりでは到達できないところへ行くために ―
を書いたので、それを紹介しておきます。

「“凡人”、“秀才”、“天才”は理解し合えません。物事の良し悪しを判断する“軸”が違うからです」
という言葉を以前紹介しましたが、
それは、お互い違うままで、異なる人たちが組むことで、
だからこそ、物事が進展することもあるという話です。

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