仲間は異なるほうがいい ― ひとりでは到達できないところへ行くために ― (エニア話ではなく)

『チームの調和が行きすぎると創造性を破壊しかねない』

より

米国のチューインガム会社の創業者であり、大物実業家のウィリアム・リグレー・ジュニアはかつて、ビジネスは意見を異にする人々によって構築されると指摘し、「2人の意見が常に一致する場合、2人のうち1人は不要であるということだ」と述べた。実際、ビジネスばかりでなく、政治、スポーツ、そして芸術の分野において、アイデアの連携で成功を収めた例と同じくらい、創造的な緊張や不一致が原動力となって成功したパートナーシップの例がある。

マイルス・デイヴィスとジョン・コルトレーンはジャズに革命を起こしたが、2人の関係は一触即発で、コルトレーンは2回もバンドを脱退している。スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックは、スタイルと性格の点でまったくのミスマッチだったが、2人の強み(ジョブズの明確なビジョンを持ったセールスマンぶりと、ウォズニアックの天才的な発明家気質)を融合できたことが、アップルのDNAの核となった。シャキール・オニールとコービー・ブライアントは、NBAファイナルで3年連続の優勝をチームにもたらしたが、周知の通り2人の関係はとげとげしく、ピリピリしたものだった。
(以下略)


これで思い出したのが、富野由悠季監督のこの言葉

宮崎駿は1人だったらオスカーなんか絶対取れませんよ。個人的に知っているから言えるんですが。彼は鈴木敏夫と組んだからオスカーが取れた。組んだ瞬間僕は「絶対半年後に別れる。こんな違うのにうまくいくわけがない」と思いました。知ってる人はみんなそう思ったんです。

https://ghibli.jpn.org/report/tomino/


アニメつながりで思い出した話があります。
何かで読んだのですが、あるアニメーションを作っているときに、
登場人物が水に飛び込むシーンがあって、そこを担当するベテラン・アニメーターが耳の穴にツバをつけて飛び込むアニメーションを作ったのだそうです。それはとても良く出来ていたのですが、作画を管理することになった若手の人がやり直しを求めたそうです。その若手の人も勉強をしていて、舞台がヨーロッパ(アメリカかも)であること、その作品の時代のヨーロッパでは、このような場面では胸の前で十字を切ってから飛び込むことを説明し、作り直すように言ったのだそうです。その話を書いている人(誰かは覚えていません)は黙って成り行きを見守ったそうです。結果として、そのとき作られたアニメーションはとても質の高いものになったそうです。
そういった話を思い出しもしました。


富野由悠季監督はこうも言っています。

みなさん方も、お前ら1人ずつじゃろくなもの作れないんだから最低2人、できれば3人か4人。スタジオワークをやる気分になってごらん。そしたらあなたの能力は倍、3倍になるはずだから。オスカー取りに行けるよ、という見本をスタジオジブリがやってくれているんです。

https://ghibli.jpn.org/report/tomino/

ここでさらに一言付け加えるなら、「異なる人と組め」ということです。
「自分にとっての異端と組め」ということです。

これができたときに、一人では到達できないところに行くことができるのだと思います。

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