人には、選んでいるけど、選びたくなかった「孤独」があるのかもしれない
こんにちは!
エンパブリックスタッフの渡邉です。
この記事では、エンパブリックスタジオで定期的に開催している「スタジオ図書館」でおこなった企画についてご紹介します♪
スタジオ図書館って?
スタジオ図書館は「もっと本についての感想を話したい!」というメンバーの声から生まれた、とにかく本を使った交流・学びの可能性を探求していこう!という有志の集まりになります。
大体月に1回集まって、さまざまな本にまつわる企画をおこなっています。
スタジオメンバーのおすすめ本を読んでみよう!
そんなスタジオ図書館ですが、10月からは「スタジオメンバーおすすめ本を読んでみよう!」という企画を行なっています。
毎月1人から推薦された課題図書を開催日までに本を読んできて、当日は感想や湧きあがった疑問などを意見交換していきます。
(ガッツリ熟読する人から、さらっと読んできたという人まで、それぞれできる形で参加します)
初回が夏目漱石ということで、「高校の国語の教科書ぶりじゃない…?」「なんか難しかった覚えがあるな…」と戦々恐々としつつも、課題図書を推してくれた方による素敵な推薦文でモチベーションを上げながら、それぞれ本を読んで当日を迎えました。
夏目漱石の「こころ」を読んでみた
こころは、「先生と私」「両親と私」「先生と遺書」という3部構成になっており、それぞれの部で登場人物のいろんな心の動きがリアルに描かれています。
最初の1時間は、本を読んでの感想や印象に残ったシーンを参加者と共有しました。
・現代とは時代背景や言葉が異なっていて、読みづらかった
・高校で読んだときはそこまでよくわからなかったけど、今改めて読んだらすごく面白かった
・過去の自分の体験と照らし合わせながら読んだ
などなどの本についてのコメントが出てきました。
また、両親を看取ったことがある方から、自分の親が弱っていく姿を見る悲しさ、虚しさや最期に立ち会うことの意味について改めて考えたというお話が出てきたり、
過去の自分も罪悪感や劣等感など先生と同じような感情になった時期があったというエピソードが紹介されるなど、
1冊の本でも、年齢や経験によっても響く部分が全く違うことを感じられたり、登場人物の感情に自分自身の人生を重ね合わせて語られる場面も見られました。
先生は「孤独」だったのか?
感想を一通り話した後は、話してみて改めてそれぞれが気になった疑問、もう少しみんなで考えてみたいことから1つを選んで話してみました。
そして、今回選ばれた問いは「先生は「孤独」だった(を感じていた)のか?」です。
こころの第2の主人公である「先生」は、親しい人の裏切り行為や親友を亡くした経験から、「私は孤独な人間だ(孤独でいないといけない人間だ)」を主人公につぶやくシーンもあるなど、人との深い関わりを拒絶するような姿が見られます。
一方で、結婚して奥さんと暮らし、金銭的な問題もなく、主人公にも好かれており、社会的な孤立状態とはいえない「先生」が感じる孤独とは一体何なのか?そんなことを考えていきました。
人には、選んでいるけれど、選びたくなかった「孤独」があるのかもしれない
先生の感じる孤独感に対しては、先生の生きていた時代背景や、男性の在り方(求められていた姿)の話や、孤独になることが自分の誇りもしくは罪滅ぼしになっているという意見も出てきました。
その中で、みなさんと話している中で感じたのは、孤独というのは、人と関わることで傷つきたくない気持ちの表れなのでは?ということです。
一見 "自分自身の意思で" 繋がりたくないように見えている人も、実は、人と関わって傷つくのが怖かったり、周りから見たら「そんなこと気にしないのに」と思っている小さなハードルが本人にとってはとても大きな壁に見えていることもあります。
地域などでも、ついつい「あの人は一人が好きだから」と諦めてしまうこともありますが、一度立ち止まって「この人はどうして一人を選ぶんだろう?」ということに関心を持ってみるとまた違う角度でその人のことが見えてくるかもしれません。
孤独・孤立について考えてみよう
エンパブリックスタジオでは、定期的に「孤独・孤立を考える会」を開催しています。
(メンバー限定コンテンツになります^^)
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