私は「ハーフ」です。
この言葉あまり好きではありません。
「ダブル」「混血」なんて自分を表現したらいいのか、ずっとわからないまま大人になりました。
そして、40代になって、やっと…
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信じる心 それが欲しかった
紅葉した木から、葉がはらりと下に落ちる。
そっと手をのばした。
葉は手に触れず、静かに水面に落ちた。
ただの、普通が欲しかった。
普通になりたかった。
みんなと同じになりたかった。
そして、それが幸せだと思っていた。
「普通」とは、なんだろう?
いつもみんなと違う「ハーフ」「ガイジン」の自分には、「普通」がわからない。
顔を変えたらいいのか。
名前を変えたらいいのか。
肌の色を変えたら
みんなとちがう「わたし」かけがえのない「自分」
自分は、いったい、なにものだろうか。
このことについて考えだすと、
心が痛む。
ありもしない臓器の、
いったいどこが痛むのか。
誰かに相談したいと、一度も思わなかった。
誰かに相談して解決できると思わなかった。
自分でもわからない問題を、
他の誰が解決できるというのか。
このまま抱えながら
生きていくのだと思っていた。
この問題から離れたかった。
もう考えたくなかった。
それなのに
「たとえ、だれもいなくても」ハーフとして
先日、子供のお友達のお母さんに「ハーフですか」と聞かれた。
久しぶりに聞いた言葉だった。大人になってから、あまり聞かなくなったから。
私を一目見れば、完全な日本人でないことに気づくはずだ。白い肌、茶色の髪、高い鼻、明るい茶色の目、一般的な日本人とは違う。
「ハーフ」という言葉、やっぱり好きになれない。
子供の頃から自分を説明するたびに話していた。何度も使いすぎた言葉、そして何度も聞きすぎた