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【空想日記151日目神田17歳】ボールペンのインクがなかっただけの話

10月31日
初めてかもしれない。
ビンタされた。痛かった。
でも、泣かせてしまったし殴らる理由があったのだろう。
誰もいない保健室。
あいつが近付いてきたとき、少しでもキス的なことを
思ったというか、期待してしまった自分が恥ずかしい。

ボールペン貸して。

これのどこがいけなかったのか? 
わからないが、めちゃくちゃ泣かせてしまった。
みんなからめちゃくちゃ責められた。

あいつが俺をビンタした瞬間に先生が帰ってきた。
あいつの泣き晴らした顔に、ビンタ。
先生にめちゃくちゃ怒られた。
俺の頬は赤く腫れていた。

教室に戻ると、そんな俺の顔を見てみんなにめちゃくちゃ責められた。

俺は本当にとんでもないことをしてしまったのか。
ボールペンは持って来てた。ただインクがなかったんだ。
インクがなくなりそうなのはわかってた。
こんなことなら予備を持っておけばよかった。

勉強しないからな。
ボールペンなんかなくても困らなかったんだよな。
あぁ、勉強しよう。
こんなことになるなら勉強しよう。

頭を抱える俺の元に委員長がやってきて、
ボールペンをそっと置いた。
「ボールペンなんかいくらでも貸すから」

頑張ります!一生懸命頑張ります!!