モンゴル滞在記 (5)本の旅
図書館と本屋
今回は、完全に私の趣味回である。
本が好きなのだ。図書館が好きだ。本屋が好きだ。
この世界、本好きに悪い人はいないと信じたい。
有名などこそこに行くよりも、その辺の本屋に行きたい。
図書館でその国の言語と知性に囲まれたい。
ウランバートルにて、美しい建物の前を通り過ぎた。
香りがする。本の香りだ。図書館な気がする。
聞けばやはり図書館だった。モンゴル国立中央図書館だという。
無理を承知で入りたいと言ってみる。手続きがあるからダメだと言われる。日本の国立図書館を思い出し、そりゃそうだと思った。モンゴル語が読めない日本人を入れる必要もないわけだし。
けれど、言ってみるもので、ほかの図書館にご案内いただけたのだった。おそらく、ウランバートル市中央図書館(Улаанбаатар Хотын Төв Номын Сан)。おそらく・・・。
全世界、どこの図書館でも同じ感覚が伝わってくる。
積み重ねられた知性。
私たちはひとりひとりに意志があり、考える力がある。けれど、叡智というのはけっして誰かひとりのものではなく、前の世代から受け取り、次の世代へと渡してゆくものだ。積み重なることで思考が深くなる。受け取ることで、個人の枠を大きくこえて思考の海に泳ぎ出せる。同時代に生きていなくても、わたしたちは同じ時を過ごすことができる。
わたしたちは、ひとりじゃない。
本来登録制の図書館だったと思うのですが、多分無理にご案内いただいたのだと思います。(本当にありがとうございました!)
そして嬉しいことに、本の旅はこれだけでは終わらなかった。
現地の紀伊國屋的な大型の本屋さんにもお邪魔できました。4F建て。
見えにくいですが解読頑張って。
■真ん中の横長のものは、モンゴルの英雄たちの物語。
上の段左から
■岸見一郎氏、古賀史健氏の「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」
■シェリル・サンドバーグ氏「LEAN IN (リーン・イン)」
■改善ってあるから、松下幸之助的ななにか?日の丸を模したデザイン。
下の段左から
■村上春樹
■源氏物語
■禅
上の段エリアは、日本の本屋さんにある本とかなり似通っていて、ちょっと驚いた。きっとグローバル化になると、どこの国でも売れるビジネス書は似てくるのだろう。だって人の悩みの本質は古今東西似ているのだから。
神話だってそうだ。
世界中の神話は5~7くらいのパターンにわけられる。ただその土地の風土により、細部や結末に変化がうまれるのだ。つまり、人間が考えうる「この世界のはじまり」は、それくらいの幅しかない。
想像力がそうなら、悩みだってそうだ。
もちろん、その人のおかれている文化や環境によって細部は変わってくるものの、本質的には大きな違いはない。
「宗教家はもっと頑張れよ!」と怒っていた友人を思い出した。
昔から人間の悩みは同じようなことで、それに対する対処思考だって仏陀の時代からある程度答えが出ているのに、未だにみんな悩んでいるっておかしいじゃないか?本当に宗教は人を救おうとしているのか?宗教家の目的は人を救うことじゃないのか、布教することになっていないか?
私たちは人種が違う。日本人とモンゴル人。
だけど悩むことは似ている。
おなじ人間だから。
音楽で、歌で、もし誰かの魂にふれられたら。
それがたった一人だとしても、アーティスト冥利に尽きるよね。
図書館と本屋。大満足な1日。
でも、モンゴルの旅はまだまだ。
まだまだまだまだ続くのでした。
英語の記事はこちらから
https://ekotumi.medium.com/travel-to-mongolia-5-the-journey-of-the-book-f52184886aa1
モンゴル滞在記 次回は...
(6)拡大しつづける民と安定を求める民
https://note.com/ekotumi/n/n37c8f6c6e27a
(7)ゲルと恐怖と砂漠と
https://note.com/ekotumi/n/n0ec232d014c8
(8)ゴビ砂漠への旅
https://note.com/ekotumi/n/n7319796de9e0
(9)我夢に胡蝶となるか 胡蝶夢に我となるか
https://note.com/ekotumi/n/ne552689ffb0b
(10)赤い土地バヤンザグ
https://note.com/ekotumi/n/n6157eefc4a99
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