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高校生物おすすめ参考書① ~まず知識を詰めよう~

こんにちは。この記事は、高校理科の授業で生物を選択し、生物受験を決意した高1・高2生を主な対象に(もちろん高3・浪人生も)おすすめ参考書や学習法を提案する内容となっています。どうぞよろしくお願いします。

生物は暗記科目と言われます。

実際、物理・化学と比べて暗記事項が多いという事実はどう頑張っても覆りません。こればっかりは仕方がないので諦めてもらうことにしまして...…
生物を選択している時点で、この点は受け入れてもらっている、ということにしておきましょう。

加えて、難関校で必ず出題されるのが実験考察問題です。

膨大なリード文から必要な情報を抜き出し、適切な選択肢を選ぶ・論述するという、ある意味現代文に似た力が要求されます。基礎知識の理解に加え、読解力と論述力が必要になるわけです。

そこで、

①効率よく知識をインプットする
②良質な実験考察問題の演習を重ねる

という2大目標を掲げ、おすすめの学習法について参考書を挙げながら提案していきたいと思います。今回は①知識編となります。

1.講義系参考書を一冊持っておこう


大森徹の最強講義117集 生物[生物基礎・生物](シグマベスト)


この本は、分厚く内容も充実した、いわゆる講義系の参考書といわれる代物です。「高校の授業があるのにそんなもの必要あるのか?」と思われるかもしれませんが、実は持っておくメリットがあるのです。


まず1つめのメリットは、学校で使われる生物の教科書/資料集は出版社ごとに内容の差が大きいので、教科書に相当する本を一冊余分に持っておくと保険がきく、という点です。

「ある教科書では発生の分野は詳しく書いてあるが、進化の分野が心もとない」などというようなことはよくあります。学校の授業も、「先生の専門分野は詳しく扱われるのに他はあっさりしていた...」などということが起こりやすいです。そんなとき、受験において必要な知識がある程度網羅されている講義系の参考書は、持っておくと心強いものです。


2つめは、一つのストーリーを複数の表現で学ぶことで理解が深まる、という点です。

生物という科目は、「ある一定の長さをもったストーリーの理解が求められる」という状況がよくあります(例:裸地から極相林に至る過程、刺激の受容から筋肉の収縮までのメカニズム、カエルの発生過程など)。その際に図の色づかいやアングル、言葉づかいなどが異なる複数の表現を見比べると、理解が深まります。また、こうしたストーリー理解を通して学んださまざまな表現は、論述にも役立ちます

一番有名なものとして大森先生の著書を挙げさせていただきましたが、講義系参考書については当たりはずれは少ないと思います。教科書販売店に行って自分の持っていない出版社の教科書/資料集を買ってしまうのもアリかもしれません(高1・高2で異なる出版社の教材を配布する高校もあるようです)。


2.教科傍用問題集を完璧にせよ


教科傍用問題集というのは、学校で配られるであろうセミナーとかリードαとかそういう類のものです。皆さんお持ちだと思いますが、これを100%活用することでかなり力がつくはずです。

活用するにあたっての注意点を3点ほど挙げたいと思います。


1点目に、学校の勉強と並行して進めよう、ということです。

一見当たり前ですが、大事なことです。そしてこれは生物という教科の都合に加え、他の教科との兼ね合いによるものでもあります。前述したように、生物はまとまったストーリーの理解が重要です。ですので、授業のライブ感そのままになるべく早く復習してしまった方が頭から抜けにくいのです。あとから書面上の記述だけで理解しようと思うと理解の効率がかなり落ちるでしょう。特に高1高2は理科よりも英数国に時間を使いたいでしょうから、生物の内容はできるだけ生物の授業時間中に理解して、記憶が鮮明なうちに問題集で定着させておくのがよいと思いますよ。


2点目に、基本問題だけは100%の理解を目指したいということです。

ここでの基本問題は、セミナーではそのまま基本問題、リードαではリードCに相当します。知識問題を確実に得点したいからというのもありますが、根本的な理由は考察・論述問題の土台が揺らぐことによる大量失点を避けたいからです。全体を何周もするのは時間の都合上おすすめしませんが、苦手な分野をピックアップして2, 3回は解き直すようにしましょう。応用問題(リードD)はその後でよいと思います。


3点目は、むやみに新しい問題集を買わないことです。

先ほどインプットは複数の表現で学ぶとよいと書きましたが、知識問題のアウトプットは話が違うと思っています。聞かれ方が変わると正解・不正解が変わるようでは知識が定着しているとは言えませんよね。今持っている問題集Aで答えられない問題を別の問題集Bで答えられたとしても意味がないですし、問題集Aで答えられる問題を問題集Bで確認している時間はないでしょう。「一冊を完璧に」、です。


3.遺伝問題を特訓したい人へのオススメ


大森徹の生物 遺伝問題の解法(旺文社)


一冊を完璧に...とはいえ、やはり網羅系の問題集だと質と量が足りないかな、と思われる例外的な分野が遺伝の計算問題です。今までさまざまな学校・塾の生徒さんを見る機会がありましたが、計算問題になった途端致命的に出来なくなる人・拒否反応を示す人がどこでも一定数はいます。自覚のある人は早急に対策を打っておくべきです。

再び大森先生の著書の紹介となりました(筆者は大森先生の回し者ではありません。本当に偶然です)が、この『遺伝問題の解法』は、減数分裂の基礎から伴性遺伝・遅滞遺伝などの特殊ケース、集団遺伝まで計算問題の一通りを網羅した良著です。問題数も多すぎず少なすぎず(50-60題くらい)、解説も丁寧なのでかなりおすすめです。


知識が一通り身に付いたら、いよいよ実践的な演習に入りましょう。次回は②実験考察編と題しまして、難関校の実験考察問題対策におすすめの参考書を紹介したいと思います。


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