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雇用調整助成金の上限額が15,000円になった後の問題点について

昨日雇用調整助成金について安倍総理が上限額を15,000円に引き上げすることを言及しました。

新型コロナウイルスの感染拡大で、自民党は、雇用調整助成金の上限額を1万5000円に引き上げるとともに、勤め先から休業手当を受け取れない人には、国が直接、給付金を支払うとした案をまとめました。

自民党の作業チームは、従業員に休業手当を支払うなどして雇用を維持している企業に助成を行う雇用調整助成金の申請が伸びていないことを受けて、新たな案をまとめました。

それによりますと、現在、1人1日当たり8330円となっている雇用調整助成金の上限額を1万5000円に引き上げ、利用する企業を増やし、より多くの労働者に休業手当が行き渡ることを目指すとしています。
(NHKニュースより)

雇用調整助成金の上限額が引きあがるのは会社にとってもそこで働く社員にとってもいいことだと思います。
しかしこの上限額が引き上げるに伴って問題点が出てきます。

✅これまで支給申請していた会社はどうなるのか?

新型コロナウィルスによる雇用調整助成金は1月からスタートしている。それまでに雇用調整助成金の支給申請をして支給決定できていている会社も少ないないが出てきています。
この人たちが上限額よりも高い平均賃金額だったけど上限額のために8,330円になっている会社もいると思います。
その会社に対しては追加で助成金額を出してくれるのかという問題が出てきます。

おそらく追加で助成金額は出してくれるとは思いますが、その処理のために追加の書類を書かなければならないことが予想されます。

✅申請書類がまた変更になる

これまで何度か雇用調整助成金の申請書類がたくさん変更があったが、上限額が引きあがることによりまたさらに申請書類が増えることが予想されます。

助成金額の計算書でも2種類の上に緊急雇用安定助成金の書類が2種類の上に上限引き上げによってもさらに書類が追加される。

いったい何の書類を用意しなければならなくなるのでしょうか?

✅助成金額の方が高くなる逆転現象が起きる人がたくさん出てくる

雇用調整助成金の平均賃金額というのは給料が高い人でも安い人でも同一の金額になります。そのため休業手当の補償額よりも助成金額が高くなるという逆転現象が起きてきます。

例えばこのような人が働いているとします。
Aさん
時給1,000円、所定労働時間5時間、80%補償
1日の休業手当=1,000円×5時間×80%=4,000円

会社が15,000円の平均賃金になると・・・
15,000円-4,000円=11,000円

Aさんを休ませた方が会社が入る助成金額が多くなります。

上限額がさらに引き上げることにより逆転現象が起きる人がたくさん出てくることも予想される。

考え方によれば給料の低い人を休ませたら助成金額が多くもらえるならパートさんを休ませればよいという安易な考え方になる会社も出てきます。
またシフトを水増しして不正しようとする会社も出てくる可能性があります。

✅雇用調整助成金とは別物の助成金を作ればよかった

雇用調整助成金は昭和50年にできた助成金です。以前に雇用調整助成金は使えない制度だと記事にしました。

雇用調整助成金は頻繁に改正されて全く別物の助成金になってしまっています。これなら最初からコロナ助成金を作った方が結果として助成金の申請も早く支給決定も早く決定できたと思います。

今回の改正により上限額が引きあがりますが、手放しでは喜べないのは私だけでしょうか?

✅【追記】雇用調整助成金の上限額決定しました

6月12日の第二次補正予算成立により雇用調整助成金の上限額が15,000円に正式に決定しました。
その記事を書きました。

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