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vol.5 町田そのこ「52ヘルツのクジラたち」(本屋大賞受賞作)を読んでみた

2021年本屋大賞第1位の町田そのこ
「52ヘルツのクジラたち」(中央公論新社)
を読みました。


2024年3月には、
杉咲花さん主演の映画も公開されます。

このお話は、
東京から大分に移り住んだ貴瑚(きこ)
という女性が主人公のお話になります。



私にとっては、初めて本屋大賞受賞作品を
読む機会になりました。

元々、「○○賞受賞作品」というのが
あまのじゃくな性格のせいなのか
好きではなかったのですが、
最近は、売れている本には理由がある、
○○賞を受賞するのには何か理由がある、という
理由を知りたい欲求の方が強くなり、
なるべくそのような本を手に取るようにしています。

そのため、Amazonなどでは、
レビューの数は気になるのですが
(レビュー数が多い → 販売部数も多い)、
レビューの評価で星がいくつなのかは
あまり気になることはありません。

この本のタイトル
「52ヘルツのクジラたち」から
どんな話なのか、想像しようと思いましたが、
なかなか思い浮かびませんでした。

約300ページ。
大変読みやすく、話している人の表情が
はっきりと分かるような表現が
とても心地よかったです。

「自分の人生は自分のために使っていいんだ」

これは、アンさんの作中での言葉ですが、
私のとても好きな言葉になりそうです。

また、作中には、すごく嫌いな人物が出てくるのですが、
その人物の性格の悪さというのか、
人間力のなさのような表現がとても上手く、
心の底から嫌いになることができました。

「私は私こそが被害者だと思ってる」

うーん…今思い返しても、この人のことを
好きになることはできないですね。
いや、嫌いですね!



本の最後にある解説では、この本の
担当編集者の思いも綴られています。

「あまりにも素晴らしい原稿が手元に届き、
一読して衝撃を受け、号泣を超えて鼻血が出た」

本を読んでいて、「おおっ」と
思わず声が出ることはあります。

ただ、この本を読んで泣くことも、
鼻血を出すこともありませんでしたが、
町田先生の思いと担当編集者の思いが
熱いことだけは伝わってきました。

2022年本屋大賞に
「星を掬う」でノミネート、
2023年本屋大賞に
「宙ごはん」で3年連続ノミネートされています。

文庫になれば、是非読んでみようと思います。


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