僕なりの表現論～アウトプットは排せつ物である

※少々、下品な表現で失礼いたします・・。

アウトプットとは、
（その人の）作品あるいは自己表現であり、
たとえるなら、
排せつ物だと考えています。

ミスチルの『抱きしめたい』という曲は、
ボーカル桜井和寿さんが草野球の帰りに
「スルスルッ」とメロディが出て、
生まれたそうです。

サザンの『真夏の果実』も、
ある時不意に浮かんできた曲みたいで、
以前、桑田佳祐さんがミュージックステーションで

自然に出てきた音楽は、自分でも良いと思うんですよねー。
ごちゃごちゃ考えて練り上げたものはダメです

とおっしゃっていました。

そのときは、
音楽っていうのはそんなものなのか、
自分とは無縁の世界だなー、と思ったのですが、
授業や学級通信等で
日々アウトプットを生業にしていると、
この「アウトプット＝自然に出てくる」という感覚が
わかる気がするんです。

「自然に出てくる」というのがキモなのかもしれません。

自分の肉体とフィルターを通して、
「自然に出てきた」ものはおのずと
自分のスタイルが反映されています。

自分の匂いがプンプンするんですね。
下手に生徒ウケをねらって
媚び売っているような表現は、
そのときは、うまくできたように見えても、
時間が経って思い起こすと、
やっぱり失敗作なことが多い。

自分のスタイル、自分の文体じゃないんです。
感覚的な話ですが…。

快食快便といいます。

やっぱり、日頃、
良質の食べ物を、
仲間とわいわい美味しい美味しい、
と噛みしめている（＝インプットする）と、
朝方、寝起きの水を飲んだら
胃腸がうごめきだして、
健康的な排せつ物（＝アウトプット）が
出てくるんだと思うんです。

ムリして便座に座って力んでも、
出てくるものは出てこない。
インプットをたくさんしても、
身体が元気じゃないと便秘になってしまいます。

排せつは生理現象ですから、
理性だけ、頭だけでこねくり回しても、出てきません。

頭はリラックス。
身体もリラックス。

あまり、
ごちゃごちゃ複雑なことを考えすぎず、
インプットを楽しんでいると、
あるとき、「出ます」！

それが、
自分のスタイルをもった
アウトプットじゃないかなー、と思っているし、
そういう出方をしたアウトプットは、
めちゃめちゃ気持ちいい！というのが実感です。

こんな風に気取って書いていますが、
自分はほっとくと
ガチガチに「考えまくる」人間なので、
余計にそう思うんです。

以前は、
授業で話す内容を文字に起こして、
一字一句間違えないようにする、
なんてこともしていました。
そんな練習をしすぎると、
授業冒頭の発問で、
予期せぬ答えが返ってきたとき、
フリーズしてしまう。
「便秘」になりやすいんですね。

スルスル自然に、
健康的な排せつができるよう、
頭と身体をリラックスさせたいものです。

「快便」のために大切なのは、
まずインプットですね。

日常の中に潜んでいる、
気づきのタネ、感動のタネを、
感激しながら口に入れて、
その養分を身体の中に行き届かす。
食わず嫌いせず、選り好みせず、
なんでも貪欲に食べていく、
自分の中に取り込んでいく。
「いただきます」「ごちそうさま」
の気持ちを持って、
自分のフィルターを通過させていく。

そういう意味では、
インプットを通過させる「肉体」も重要です。

どんなに良質の本や映画を見ても、
目の前にどんなに素敵な人間がいても、
結局のところ「肉体」が元気でないと、
その養分を吸収できません。

たくさん食べる「強い体」、
文字通り、物質としての「肉体」を
健やかに保つことは、
良質のアウトプットの条件なのかもしれません。

また、ネットを中心に、
文字や映像だけの「情報」が
飽和状態になっている現代だからこそ、
「肉体」を通過させて、
ろ過した結果、
出てくるものにこそリアリティーが宿るんだと思います。

最後に
「インプット」と「アウトプット」のサイクルを
バランスよく回すことも大切だと思っています。

「インプット」しすぎて、
「アウトプット」できないと
便秘に陥りますし、
体に鬱々としたエネルギーだけがたまっていき、
鬱々します。
まあ、鬱々すればするだけ、
爆発的に「出る」場合もあるにはあるのですが、
それだけのものを出すと
肉体が傷つくといいましょうか…、
不健全ですよね。

「アウトプット」するから、「インプット」できる。
ここらへんは、呼吸と一緒。
口をすぼめて、息を出していくから、
鼻の穴を広げて気持ち良く酸素を
取り入れることができるんです。
「アウトプット」して、
いったん、肉体も精神も空っぽにすると、
フラットな感覚で、
また一から「インプット」できます。

だから「出し切る」ことが大切。
出し切ることができると、
心身ともに生きている実感、
生きている充実感がすみずみまで
感じられます。

書いていて、
排せつしたくなってきました（苦笑）。
自分の肉体を通じて、
自分が経験してきたものがどんな出方をしてくるのか？

リラックスしながら、
自然に出てきたものを、
できれば快く受け入れる自分でありたいです。