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「働きたい70歳」になるための2つの条件|継続雇用制度の義務化
2025年4月から、とうとう「継続雇用制度」が義務化される。
継続雇用制度とは、働き続けたいと希望する従業員全員を、65歳まで雇用するしくみのこと。
事業主は、①定年制の廃止か、②65歳までの定年の引き上げか、③65歳までの継続雇用制度(再雇用制度)の導入をしなくちゃいけない。
働ける選択肢がもてるのは、とてもありがたいことだ。
いや、ほんとに。…でも、ちょっとだけ焦る。
だって、まだ、準備できていない。そんな40~50代、多いのではないだろうか。
70歳以上が働ける時代の到来
統計局の労働力調査によると、65歳以上の高齢者の就業率は約25%。
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60代前半:71.5%
60代後半:50.3%
70歳以上:18.1%
2025年4月からの「継続雇用制度」の義務化によって、さらにこの割合は増えていくだろう。
近い将来、60代前半の就業率がほぼ100%になる時代がくるのだ。
そして、70歳でも働く時代がくるのも、時間の問題かもしれない。
70歳は、「本当に」働きたいのか?
WEBメディア「Manegy」のインターネット調査によると、たしかに「定年後も生涯現役で働きたい」と答えた高齢者は、70%以上だ。
これだけを切り取れば、たしかに働きたい高齢者は多い。
![](https://assets.st-note.com/img/1716336583862-l6KR0VWzmV.png?width=1200)
でも、気になるのは70歳以上になると、「強く思う」人数と同じくらい「全く思わない」人数が増えていること。
65歳以上だって、「あまり思わない」人が、4割以上もいるのに、これについては、みんなあまり言及しない。
案外、高齢者は「めちゃくちゃ働きたい」というわけではないのに、若者たちが、「働きたいはずですよね?」と、押し付けているように…みえなくもないのだ。
実際のところ、高齢者が働きたい理由の1位は、「収入を得るため」。
みんな、シンプルにお金が足りてない。
![](https://assets.st-note.com/img/1716337260139-5YHe9WHHL8.png?width=1200)
「生きていくお金さえあれば、別に働かなくてもいい」
「働くのが楽しいなら、働こうかな」
…ぐらいのテンションの人が、おそらくとても多いのだろう。
***
わたしの父は、75歳くらいまで働いていたけれど、彼も別に「働きたい」という強い希望があるわけではなかった。
もともと若い時は、サラリーマンをしたことがなく、自営業一筋。
持ち前の行動力で、急にラーメン屋台を始めた時はびっくりしたけど、新しいことを思いつきで、どんどん始める人だった。
そんな人でも70歳を過ぎたころからは「疲れた」と言葉にするようになり、お昼寝の時間をしっかりとるようになった。
そして、娘のわたしに「次はカフェを開く。人気のカフェを調べて教えてくれ」と、いつものようにオーダーしたところまではよかったが、
「カフェ、どうした?」
と聞くと、
「なんか気力が続かないんだよな」
と、彼らしくもない言葉をぼやいていた。
75歳を過ぎたころからは、カフェの話はしなくなり、最後の彼の夢だった田舎カフェのオープンは、実現しなかった。
働きたい高齢者が、働ける選択肢を持てることは、めちゃくちゃ大事だ。
でも、若い人たちが期待するほど、高齢者がめちゃくちゃ働きたいかと言えば、そうでもないかもしれないな、とは思う。
「働きたい70歳」になるための2つの条件
人生100年時代に突入する今、いちばん大事なのは、「働ける70歳」になることではなく、「働きたい70歳」になることだと思う。
そのためにわたしたちが準備すべきことは、ふたつだ。
ひとつは、お金。
働きたい理由が「収入」ではなく「楽しみ」である状態を作ること。
「イヤな労働」、「疲れる労働」なら、いつでも辞められる選択肢を持つこと。
それまでにFIREしておければ、労働は遊びになる。楽しいかぎりだ。
もうひとつは、健康。
働きたいと思える「体力」と「気力」を高齢まで維持すること。
「体力」はよく語られがちだけど、父を見てきたわたしとしては、意外と大事なのは「気力」なのではと思う。
答えはたった2つでシンプルなのに、人生の先輩たちをみていると、意外と実現は難しそう。
難しい理由は、ヤバいと思った時に準備しても間に合わないからだ。
お金も、健康も、コツコツ長期戦。
「働きたい70歳」になるための道は、法律を変えれば足りるものではなく、個人のたゆまぬ努力が必要なのだ。
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