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「第1回 WEBマーケティング」(中編)ECサイトブラッシュアップセミナー

ご挨拶

本記事にアクセス頂きありがとうございます。

このnoteでは、三重県の県産品を販売される方々に向けて、インターネット通販(EC)による販売活動の成功に必要な考え方やスキルを発信しております。

このアカウントについて

このnoteアカウントは、三重県雇用経済部 県産品振興課『県産品ECサイト等ブラッシュアップ支援事業』にて運用されています。

三重県内の県産品を扱う事業者の皆様が、効果的にインターネットを活用した販売活動を進めるうえで役立つ情報を発信していきます。

全7回の「ECサイトブラッシュアップセミナー」の第1回目は、最近のECの現状とWEBマーケティング(集客テクニック)の概要を前編・中編・後編の3回に分けてご説明していきます。本ページは第1回の「中編」ですので、初めて訪問された方は「前編」もぜひご覧ください。

課題を探そう

ECサイトの売上方程式
売上=訪問数×コンバージョン率(成約率)×客単価
売上=新規客の売上+リピートの売上

売上を伸ばしたい時にはこの方程式から課題を探します。
まずは訪問数の改善=集客に注力します。ある程度訪問数が増加したところでコンバージョン率の向上、客単価の向上の順に着手します。
訪問数を改善するには、
訪問数=新規ユーザー+既存ユーザー×リピート率
のどこに問題があるかを探っていく必要があります。新規ユーザーの獲得を中心とする場合、どうしても広告費がかさみ利益を圧迫する恐れがあります。一方、既存ユーザー(リピーター)は初回購入時よりも客単価が高い傾向にあり、リピート率の改善が売上に大きく寄与します。このため、まずはリピーターの獲得に着手することが売上を伸ばすための手軽で効果的な方法と言えます。

リピーター獲得には様々な方法がありますが、意外と軽視されているのがオフラインからの集客(商品のパンフレットや同梱物)です。オフライン媒体による集客を行う際は、導線として QRコードや検索窓をつけて→SNS、ブログへの誘導をするような工夫をしてみてください。
また、サンキューメール(「ご注文ありがとう」メール)にキャンペーンの情報やイチオシの商品へのリンクを付けてほしいと思います。これをやってない人が本当に多くてもったいないと思います。
新規ユーザーが少ない場合は、SNSをどう使うかということ、広告媒体の現状把握、それをどのように使うかの戦略を考えていくことが必要です。きちんとした指標を持って広告管理すると非常に時間を短縮することができます。(詳細は後日)
デジタルだけでなく、業種によってはアナログな方法も視野に入れることをおすすめします。

そこで今、特に重視して欲しいのがCRM戦略(顧客関係管理:Customer Relationship Management)です。
CRM戦略とは顧客満足度を向上させるために、顧客と企業との関係を構築することに力を入れた手法のことです。
このお客様は1回購入し、次はいつ・何を購入して、その次はいつ・何を…ということを管理していくことです。その指標になるのがLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)というものです。これは、一人の顧客が初回購入を起点とし、その事業(ECショップ)で買わなくなる(離反する)までの総利益を示す指標で、
LTV=売上×収益率×継続期間・回数
で表すことができます。これを計算すると広告費をどれぐらい投入したらいいかという目安がわかります。
1人のお客様が平均してどれぐらい買ってくださっているかをしっかり掴んでおくと、広告費がどれくらいでペイできるかがわかります。
その中でもよく使われるのがRFM分析です。RFM分析は、次の3つの指標を用いて、顧客をグループに分ける分析手法です。
Recency  最新購買日(直近いつ)
Frequency 購買頻度(頻度)
Monetary 購買金額(購入金額)

これらを見ていくと、どの層に働きかけると良いかが見えてきます。こういったツールもありますので、活用することを考えてみてください。ある程度お客様のデータがたまってくると非常に有効な手法になります。
初回のお客様に確実に2回目を買ってもらえるような商売にするだけで、売上は必ず上がります。ぜひ、皆様にも取り組んでいただきたいと思います。
今は物だけの価値で差別化するのが非常に難しい時代になってきています。そのような中で情緒的価値という、「なぜわが社はこの商品を作っているのか」という価値観に共感して買ってくださるという事例が多くあります。機能的な価値だけで勝負するのではなく、情緒的な価値を伝えるための工夫を加えると2回目の購入に繋がりやすくなります。
2回目を購入していただけないのは、実は「思い出せなかった」という単純な理由が一番多いです。

その根拠になっているのが「記憶の二重貯蔵」という脳科学でよく言われている言葉です。マーケティングにはお客様との心理戦みたいなところがあり、特にWEBの場合はそういった側面が顕著です。
一度見たり聞いたりした記憶は「短期記憶」というところに一旦貯蔵されます。これは時間が経つとすぐ忘れられます。これをいかに「長期記憶」に持っていくかが重要です。
「長期記憶」は別名「エピソード記憶」という言い方をします。ここに入ると高い割合で思い出してもらうことができます。長期記憶というのは割と深いところにあるので、何か思い出すきっかけが必要です。
例えば1時間経ったときにもう1回思い出してもらえるようなことを何かすると、記憶はもう一度戻ります。それを何度か繰り返すと記憶は「長期記憶」に貯蔵されます。このため、なんとなく思い出してもらうきっかけとして、SNSによるマーケティングをおすすめしております。
定期的にSNSを更新することによって、思い出してもらう、選ばれることに繋がります。

もう一つお伝えするのが、これも脳科学の話になりますが、「ザイオンス効果」という言葉をご存じでしょうか?「熟知性の法則」とも言い換えられます。単純接触効果という言い方もしています。
例えば、初めて会う人にはなんとなく警戒することがありますが、何度も顔を合わせるうちに覚えて、やがて警戒心が和らいでいく、というのが「熟知性の法則」です。
それが今、費用をかけずに手軽にできるのが SNS ではないかと思っております。そういった観点でも SNS をおすすめしています。
現代人は、平安時代の人の一生分の情報量を1日で見ていると言われています。明らかに情報過多と言われる時代です。この中で、いかに記憶に残すかという勝負になってきていますし、そこに少し手を加えるだけで売上に繋がりやすくなります。
私たちの脳は、実は関心のあるものや興味のあるものしか認知しないという構造になっています。広告にしろSNS にしろ、何らかの情報に同じように触れていても、自分たちに興味関心がないと、そのメッセージは認知されないのです。
広告やSNSをしっかり見てくれるかどうか、購入にいたる最初のきっかけはそこにありますので、できれば日頃からその点を意識した活動を実施していただきたいと思います。
(後編へ続く)

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