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七田苗子
2021年8月24日 05:18
月明かりが そっと一筋の雲を照らし出すと小さな影が 地上をのぞき込んでいる。柔らかく微笑む一人の女性は浮かぶ雲の上でその欠片を 少しづつ 涼む風に流していた。ちぎった雲にそっと何かを囁いてクスリと笑みを浮かべながら それを放っては また手の中で温めた他の雲の欠片に 言葉をかける。じっと彼女を見つめていた月に辺り一面の星々が 輝く瞳を向け そっとお願い事をする。いいでしょう?