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ジェンダー学・家族社会学との出会い

女性学の講義

私がジェンダー学との出会ったのは大学2年生の時のことでした。

履修登録をしていた時に、他大学での授業を取ってみようとなんとなく思った私は、某女子大学で開講されていた「女性学」の授業を履修することにしました。

その当時の女性学の授業は、生殖医療や養子縁組について研究している先生の授業でした。子どもを産みたいのに産めない女性や、産んでも育てることができずに児童養護施設や特別養子縁組をする女性たちに関して学びました。その授業を通じて、血縁や家族形成について私は強く意識するようになりました。

もともと私の家族や親族はどちらかというと血縁という意味では複雑な家庭でした。実父には母と結婚する前に娘がいたので、私には一度も会ったことのない異母兄弟がいたり、母方の祖父は女性関係が複雑だったために婚外子がいます。また、母は実父と離婚後に再婚したため、私は血のつながりのない養父とも一緒に暮らしてきました。

血縁関係があっても家族や親族として意識することのない人がいる、逆に血縁関係がなくても家族として認識する人がいる。

世の中の「普通」とされている家族とは異なっている私の家族ですが、何が「普通」とはされていないのか、何が逸脱しているのか、そのことを突如知りたくなったのです。

女性学の授業をきっかけとした血縁への意識から始まって、核家族の成立などの家族の形態、恋愛・見合い結婚や離婚などのトピックに私は関心を持ち始めました。

ジェンダー学・家族社会学への一歩

女性学の授業を通じてジェンダー学や家族社会学への関心を深めた私は、まず入門として上野千鶴子先生の『家父長制と資本制-マルクス主義フェミニズムの地平』や千田有紀先生の『日本型近代家族-どこから来てどこへ行くのか』を読みました。

作者自体の主張については賛否両論様々で私はどちらの立場でもありませんが、これらの本を通じて、日本及び東アジアの家族を考える上で不可欠な概念である「家父長制」、男性は公的領域で女性は私的領域といった性別役割分業等の特徴を持つ「近代家族」、恋愛・性・生殖が結婚によって一体化する「ロマンティックラブ・イデオロギー」などなど、重要な概念を学ぶことができました。

特にロマンティックラブ・イデオロギーに関しては、私自身が持つ家族関係への固定観念を客観的に見るのに個人的には役立ちました。このイデオロギーでは、女性は婚姻内の女性(主婦)と婚姻外の女性(娼婦)にはっきりと区別されます。婚姻外の性関係を持つことや婚外子への差別的な視線などが生じてしまうというのです。私の母や叔母たちが祖父にできた婚外子に対して差別的な言動をしていたのは、感情的な原因のみならず、社会に浸透していた家族規範の影響もあったのだと感じました。

上記は一例ですが、私は家族に関して客観的な観点から見つめなおしたい、そして自分の納得する家族関係を築いていきたい、その一心で本を読み、研究をしたいと強く思うようになりました。


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