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ホメオパシーと出会った!

「お医者さんに行く以外に病気を治す方法ってあったんですか!?」
と驚いたのはイギリスに住んでいた時。

アロマセラピー、ハーバルレメディ、アキュパンクチャー、オステオパシー、シュロポディーにダイエット。
ここに並べたのはほんの一部で、そのころまだまだ聞いたことのない療法の名前が飛び交っていた日々。
「聞いたことのある!」と思った”ダイエット”も、よくよく聞くと「痩せる」のを目的としたものではなく、”食事療法”を指していたりするので、知ったかぶりをするつもりでなくても、なんだか知ったつもりで話をしているとおかしなことになってくることがありました。

調子が悪くなった時は「病院へ行く」「医者に診てもらう」が当たり前だと思っていた私。「自分で選ぶ」という感覚が全く備わっていなかったことにショックをうけました。
自分の身体、自分のことなのに、人任せにしていた!
しかもその相手のことはよくわからない、本当に信頼できる人かもわからないのに、、、言われるがままに薬を飲み、再診に行く。
いったい何をしていたんだろう?
でもその他の選択肢を知らなかったのだから仕方がないのです。

町の商店街にあるドラッグストアの棚にはハーブのチンキやカプセル、
ホメオパシーのレメディ、フラワーレメディなどが並んでいます。

当時、周りにいたイギリス人は、具合が悪くなるとまず、
①病院の予約を取る
とはいえ、公立の病院は医療費が無料なのは良いのですが、予約がなかなか取れません。
数日後、または数週間先になることも少なくありませんでした。
そこで、ほとんどの人は
②セルフケアをする」か「薬局に相談に行く」を選択します。
セルフケアには「おばあちゃんの知恵袋」的なハーブや精油を使ったお茶、チンキ、オイルなどから、食事などがよく使われます。中にはホメオパシーを使っている人もいました。
これらの製剤はドラッグストアや健康食品店で気軽に買えるものばかりです。
③お金に余裕がある人は、個人で医療保険に入っていて、私立の病院の診療や代替療法を保険適用で受けることが可能でした。

私がイギリスに住んでいたのは2001年からの8年半。
代替療法に冷たい風が吹いている今とはまた少し違う時代の話です。

私がホメオパシーと出会ったのはこの英国での日々の中でした。
ある時から徐々に体調が悪くなり、日常生活は送れるのだけれど、なんだか目の前がぼやけたり、息が吸いずらかったり、喉の詰まりを感じて飲食物が喉を通らなかったりすることが徐々に増えてきました。
ガーデナーをしながら使い始めた身の回りにあるハーブやアロマを使えばすぐに治るだろうと思っていたのに、何ヶ月も続くこの不調にそろそろセルフケアの限界を感じ、病院に行くことにしました。

ヴィクトリア時代に使われていたであろうホメオパシーのレメディたち

予約の連絡を入れてから1週間くらい待ってGPと呼ばれる総合医に会いに行き、そこから紹介状を書いてもらい3ヶ月、半年と待たされてスペシャリスト(専門医)にやっと会えるという状況に唖然。もし、これが癌だったら手遅れになったりはしないのだろうか?と不安にもなりました。(実際、診療の遅れで流産した友達もいました。)
咽頭科の先生に会いに行き、カメラを飲んだり、レントゲンを撮ったり。
次は眼科に行って眼球をはじめ様々な検査を行なったのですが、結果は数値にも画像にも現れず、「気のせいです」ということになりました。
病名がつかないということは、”病気ではない”ので薬はなく、この時医師が出せる薬は精神薬のみ。
症状を感じてるのに「ない」と言われ、「あなたの気がおかしい」とばかりに精神薬を処方されるのは納得ができませんでした。

「イギリスの医者は信用ならない!」「全く使えない!」と、ぶつくさ言う私に、友達が「ホメオパシーに行ってみたら?」と教えてくれました。
「ホメオパシーは病名がなくても、あなたみたいに困ってる症状があれば薬を選べるから、よいのではないかしら?」と。

シェイクスピアの娘婿は薬草治療を得意とする医師でした。
今もストラトフォードアポンエイボンに残る娘夫婦の自宅にあるクリニックの診察室。

一番近くの町にいるホメオパシーのクリニックに予約をし、いってみることにしました。
診察室には薬剤や器具は全くなく、あるのはイギリスらしい素敵で古めかしい机と椅子と引き出しとたくさんの本が並ぶ本棚のみ。

ホメオパスと呼ばれるホメオパシーの先生が、日常生活について、私の性格について、今困っていることについていろいろな質問をしてくださり、答えるごとに「それはどういうこと?」と詳細を聞かれながらお話をしていきました。
私は「いつ診察が始まるの?」と思いながら話していたのですが、「わかりました。ではこれで終わります。」と先生。
「え?なんですって!?」なにもせずに終わってしまいました。

そして先生が私に渡してきたのは、3mmにも満たない小さな白い粒。
一体何???
世間話してもらったこの小さな粒の意味は!?
と思いつつも、久しぶりに親身になって自分の話を聞いてくれる人に会ったと言う満足感と、話しきったと言うようなスッキリ感、そして「私ってそんなこと思っていたんだー」と言うまだ見ぬ自分発見をしたような気分で家に戻りました。

時は経ち、夜になり、睡眠前。
レメディというもらった白い粒を口に入れなくては行けない時間になりました。
ワクワクしながら口に入れると、それはなんと、甘い砂糖でした!
「騙された!」最初に頭をよぎったのはこの言葉でした。
まさか、お金を払って、世間話して、飴をもらうとは!?
不思議な気持ちでベッドに入り、明かりを消しました。

ホメオパシーのレメディはいろいろな形状があります。
白い小さな球状のもの、ラムネのようなもの、容器や大きさも様々です。
セルフケアのキットと呼ばれる小さな救急箱は常備しておくといざという時に役立ちます!

朝が来ました。
なんだか目覚めがスッキリ気持ちいい。
いつもどんよりしていた体がサクサク動く感覚は久しぶり。
しかも、いつも曇っていたはずなのに、なんだか視界がとってもクリア!
朝ごはんを用意し、紅茶を飲み、トーストをいつも通り食べると、普通に飲み込めるではありませんか!?

これが私の初めてのホメオパシー体験でした。
その後、毎月せっせと先生のところに通うようになり、お話をしては飴ちゃんをもらいつづけ、心も体もどんどん健康になっていきました。

そんな時、日本に暮らす母が倒れました。
先生にこのことを話すと「あなたがホメオパスになって症状を聞いてきて」と5つの質問の答えを聞いてくる宿題をもらいました。
(この時の質問が私の書いた『ホメオパシーのくすり箱』のレメディ選びの基礎になっています!)
母に電話し、答えをもらい、先生に伝えると、レメディを選んで教えてくれました。
薬局に買いに行き、母に送ったところ、すぐに改善することができたのです!

ホメオパシーの健康相談後にレメディ選びが始まると
本がたくさん開かれ、私の机の上はカオスになります。

「何これ!?すごくない!!!」

遠くにいても人助けができる仕事で、感謝される仕事。
その頃私は結婚して間もなかったのと、先生が同じ年で子育てをしながらホメオパスをしていることを知り、「もしも子供ができても続けられる、興味を持って一生取り組める私のライフスタイルにピッタリな仕事かもしれない!」と思い、先生に紹介された学校へ問い合わせをしました。
すでにこの年の入学試験は終わっていたそうなのですが、校長先生の家に行き面接をするという特別の機会をくださり、見事入学することとなりました。
英語もわからず、本も読めず、文章もロクにかけない私が、ここから一生で一番勉強したとも言える4年間が始まりました。

何を学んできたのか、どう私の人生が変わっていったのか、来月から少しずつシェアしていきます。
一緒にホメオパシーを学んでいきましょう!

毎月第3火曜日に更新予定です。
お楽しみに!

Madoka Fujita SDSHom