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記事一覧
[2月第4週] Weekly DAO Report Vol.58|強気相場の注目テーマ「DePIN」 DAOとの相性も良い?
新しいマーケットのテーマとしてDePINへの注目が高まっている。本稿ではDePINとは何かについて解説し、DAOではどのような領域で応用できそうか紹介する。
DePINとは、"Decentralized Physical Infrastructure Network"の略で、日本語では「分散型物理インフラネットワーク」と直訳できる。要するに、暗号資産をインセンティブとして使って分散型で不特定多数
[2月第3週] Weekly DAO Report Vol.57| Uniswapの手数料スイッチ提案 DEXの新たなナラティブに
Uniswap Foundationが、Uniswapのプロトコルをアップグレードして、UNIトークン保有者に手数料を分配する提案をした。今後のDeFiとDEXの新たなナラティブとして、手数料へのユーザー上の分配が意識されるようになるかもしれない。
提案の背景にあるのは、Uniswapのガバナンスにおけるデリゲーション活動の低迷だ。デリゲーションとは、トークン保有者がガバナンス活動を代わりに行っ
[2月第2週] Weekly DAO Report Vol.56|「コードの選択は極めて政治的」という現実 DAO規制のあり方で押さえておくべき文献シリーズ①「サイバースペースの規制」
日本では、DAOをはじめとしてデジタル社会(Cyberspace)への規制に向けた議論が始まっている。デジタル社会にはとかくデフォルトで「自由」というイメージがつきまとうが、やり方によっては最も規制が厳しい空間になる可能性がある。とりわけ、リアル社会にない「コード(Code)」が規制の方向性を決めてしまう点には細心の注意を払う必要がある。時代背景は多少違うが、Lawrence Lessig氏が19
もっとみる[2月第2週] Weekly DAO Report Vol.55| dYdXが掲げる「トレーダーの未来を築くビルダー達」 と集結に必要な「反直感力」
先週、dYdX FoundationがdYdXのトレジャリーから3000万ドル相当のDYDXトークンを受け取った。前回のブログでお伝えした通り、dYdX Foundationは向こう3年間の予算として3000万ドルを提案し、コミュニティの圧倒的多数の賛成で支持されていた。本稿では、DAO参加者が分散化を進める上で反直感的なことが良しとされることもあることについて解説する。
分散化と直感的に良くな
[2月第1週] Weekly DAO Report Vol.54| dYdX Foundationが45億円の予算獲得 なぜDAOに"Foundation"が必要なのか?
dYdX FoundationがdYdXコミュニティのトレジャリーから3000万ドル(約45億円)の資金調達に成功した。この予算は向こう3年間で下記のさまざまな用途に使われる予定だ。
dYdXは取引量でDEX1位、2位を争う取引所だ。昨年10月にdYdXチェーンを立ち上げて「完全分散化」を果たした。これまでニューヨーク拠点のdYdX Trading社が取引板の管理を中央集権的に行なっていたが、d
[1月第3週] Weekly DAO Report Vol.53| 自民党のDAO提言 マーシャル諸島のDAO法と同じくらいクリプト民から称賛されるために何をすべき?
自民党web3PT「DAOルールメイクに関する提言」が審議会で了承された。自民党の平将明議員が提言の内容を公開した。本稿では、2022年2月にDAOを法人として認識した最初の国と言われるマーシャル諸島のDAO法と比較して解説する。「ネットワークステート」で有名なバラジ・スリニバサンもマーシャル諸島のDAO法を称賛しており、世界のクリプトプロジェクトの支持を得るには日本のライバルと考えてもおかしくな
もっとみる[1月第3週] Weekly DAO Report Vol.52 |DEXがCEXに勝つための秘密兵器?パーミッションレス・マーケットについて解説
2024年はDEXの年になるという予想は少なくない。そして、古参のDEXであっても主役の座を守ることが確約されたわけではない。先週、dYdXチェーン(v4)は1日あたりの取引量でUniswapを超えて世界最大のDEXとなった。そんなdYdXは、DEXの中でもパーペチュアルスワップに特化したDEXに分類されるのだが、HyperliquidやVertexから猛追を受けている。DEXの中で競争が激化する
もっとみる[1月第2週] Weekly DAO Report Vol.51 | StrideがDYDXのリキッドステーキング開始へ DAOの分散化にも期待できる理由を解説
Cosmos最大のリキッドステーキングプロトコルであるStrideが、DYDXトークンのサポートを開始すると発表した。リキッドステーキングとは暗号資産のステーキングの際に代替トークンを発行する仕組みだ。一般的にステーキング解除には時間がかかる。その間、代替トークンを使うことで他のDeFiで運用したり場合によってはイグジットできることがリキッドステーキングのメリットだ。DYDXトークン保有者にとって
もっとみる[1月第1週] DAOレポート Vol.50 | 2024年の抱負 DEXにしか実現できないことを探す年
2023年は、「冬の時代」であったと言えるだろう。2022年のTerraやFTX崩壊の後遺症が続いた他、多くのクリプト関連プロジェクトが口座を持っていたシリコンバレー銀行が破綻した。当時、意思決定が不透明な中央集権的な体制に失望させられたクリプトユーザーやトレーダーは多いはずだ。しかし、人間は時が経つとかつての悲惨な状況を忘れてしまうことがある。平時で大事なのは「分散化」より「使いやすさ」だ。これ
もっとみる[12月第4週] DAOレポート Vol.49 | DAOとは一体何なのか?Messariやa16zでさえ手探り状態 未だテスト段階であることを認識しよう
2023年もわずかということで、多くのリサーチ機関が2023年の振り返りと2024年の展望に関するレポートを出している。ソラナの復活を皮切りにMonolithicなL1チェーンがL2一辺倒のナラティブを変えるのか、米国の大統領選の注目ポイントは上院の議席数か、ビットコインETFの次の相場のテーマは何か、など様々な切り口の分析が出てきている。そして、もちろん、「DAO(自律分散型組織)」もMessa
もっとみる[12月第3週] DAOレポート Vol.48 | 急騰のソラナBONK ミームコイン文化の醸成に成功した?
ソラナのミームコインであるBONKが急騰している。今年はイーサリアムのレイヤー2が大いに注目を集めてきたが、かつてイーサリアムキラーと呼ばれたソラナが復活し始めている。犬をモチーフにしたミームコインのBONKは、そんなソラナ復活の象徴となっているようだ。背景として「ミームコインの文化」の醸成を指摘する声も出ている。
BONKは、現在時価総額ランキングで55位。先月から800%ほど上昇し、先週10
[12月第1週] DAOレポート Vol.47 | 「まるで国同士による企業本社の誘致合戦」コスモスのDeFiスーパーアプリ目指すMars、OsmosisとNeutronから移行提案を受ける
コスモス系のプロジェクトであるOsmosisとNeutronが、Mars Protocolの「本社」の誘致合戦で火花を散らしている。それぞれが独自のブロックチェーンを持つ中、Marsは効率化のために自らのブロックチェーンを閉鎖し、ガバナンス機能とトークン発行機能を新しいチェーンに移行しようとしている。
11月4日、Marsは、フォーラムにおいてNeutronに移行する計画を発表。執筆時点では正式
[12月第1週] DAOレポート Vol.46 | Bankless DAOのArbitrum3億円予算提案 何が問題だった?
Bankless DAOが、イーサリアムのレイヤー2であるArbitrumから教育コンテンツなどキャンペーン費用として約200万ドル(約3億円)をの予算を提案したことが、物議を醸している。BanklessといえばDavid Hoffman氏とRyan Sean氏によるポッドキャストが有名で、筆者も毎週のように聞いている。クリプト中級者〜上級者向けの内容で2人による毎週のニュースダイジェストは充実し
もっとみる[11月第4週] DAOレポート Vol.45 | 投票締め切り直前で大逆転 Cosmos Hubインフレ上限10%案を可決 | ATOMフォークを示唆する声も
Cosmos Hubのコミュニティが、ATOMのインフレ率の上限を10%に削減する提案を可決した。約2週間に及んだ議論、X(Twitter)での自由な意見表明、コミュニティの声に応じてNO票をYES票に変える柔軟さ。投票締め切りまで拒否されるムードが漂う中での逆転劇。これだから「ATOMのガバナンスはやめられない、米大統領選よりも楽しい」という声も聞かれ、まさにDAOガバナンスと言える要素がたくさ
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