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偉そうな医者は本当に偉いのか?その態度の理由とは

患者さんは誤解されがちなんですけど、偉そうな医者っていますよね。パソコンに向かってふんぞり返っていて、患者さんと目も合わせず、診察でも決めつけの発言をする。簡単に言うと、ホスピタリティーを全く感じさせない医者が一定数います。

では、なぜそういった医者は偉そうなのでしょうか?

それは彼らに自信がないからです。不思議なもので、自信のある医者ほど腰が低くなり、「わからないことはわからない」とはっきり言えるようになります。夜間の救急外来で研修医が当直している場面に遭遇したことがある人もいるでしょう。彼らも二通りに分かれます。自信がないことを悟られないように偉そうにする研修医と、自信がないから腰が低くなる研修医です。研修医なんですから、当然自信なんてあるはずがありません。

僕も恥ずかしながら、研修医の時は自信がないことの裏返しで余裕がなかったですね。余裕がない態度は患者さんに偉そうと感じさせるのです。余裕が出てきて初めて気を配ることができるようになります。もちろん今の医療教育では、診察法もちゃんと実習項目に入っており、表面上は取り繕うことができるようになっています。僕らの時代にはそんな実習も試験もなかったので、外来診察はどのドクターもそれぞれ異なっていました。今の患者さんからすれば驚くかもしれませんが、自己紹介をする医者なんてほとんどいませんでした。当然ながら今の教育では自己紹介がカリキュラムに含まれており、外来診察ではまず患者さんの名前を確認し、自己紹介し挨拶をすることが書かれています。しかし、そういった教育を受けて試験に合格したとしても、全員がその通りに行動できるわけではありません。

つまり、偉そうな医者は自信がなく、余裕がなく、信用できないということです。

例えば、頭痛の原因を聞かれて「わかりません」と言える医者を信用してください。頭痛の原因は多岐にわたります。ちょっと診察したぐらいでわかるはずがありません。でも、可能性については語ることができます。例えば、頭痛一つとっても、次のように説明します。「頭痛の原因はたくさんあります。肩こりでも起こるし、寝不足、眼の疲れ、副鼻腔炎、タバコや酒、ストレスでも起こります。心因性のものもあります。おそらくどれかが当てはまるとは思いますが、今のところはどうでしょう?思いつくような可能性はありますか。頭の中からくる頭痛は本当に少なくて数パーセントです。でもなぜ検査をするかというと、その数パーセントが致命的な疾患の可能性があるからです。見たところお疲れのようですし、お仕事が忙しいのではありませんか?そういったストレスももちろん頭痛の原因になりますが、いかがでしょうか。」

こんな感じで説明します。ここまで到達するには、僕も時間が必要でした。専門医を取った直後などは自信に満ち溢れていますが、若造の医者が患者さんから信頼を得るのはなかなか難しいものです。じゃあどうしたらいいかと言えば、言葉を尽くすしかないし、態度で示すしかないのです。

さて、話を戻しますが、僕は偉そうな医者にかかるくらいなら、病院を変えたほうがいいと考えます。自分の自信のなさを周りに当たる医師は本当にろくでもありません。今あまりこんな言葉は使いませんが、『薮医者』と言っても良いかと思います。


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