アシナガ文庫

みゆき・シェヘラザード・本城と申します✒️👩‍⚕️ 物語作家、台本作家、朗読作家、詩人👩‍🎨 物語…

アシナガ文庫

みゆき・シェヘラザード・本城と申します✒️👩‍⚕️ 物語作家、台本作家、朗読作家、詩人👩‍🎨 物語、モノローグ、朗読劇を書いています✒️ 代表作:脚の長い馬🐴🐾 ふたりのうさぎ🐰🐰 ただ読んで頂いてもいいですし、ライブ配信や動画のセリフ枠や朗読、動画作成にフリーでご利用頂けます。

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脚の長い馬

はじめに この寓話は全てが創作です。現実の世界とは一切関係ありません。 テキストは全て、当noteのURLを掲示して下さる条件で、転載や朗読等に使って頂いて構いません。印刷や製本はお断りしております。 脚の長い馬むかしむかし、あるところに馬を競争させ、それを見るための人を集めてお金をもらっている村がありました。 村人たちは毎日かわいい馬たちのお世話をして、毎週土曜日になると村の大きな広場に集まり、大きな広場の大きな道で馬たちに競争をしてもらって楽しんでいました。土曜日の村

    • 朗読:王女セイラ 第二話 セイラの馬

      「ガスパールに子どもがいるのか!?なぜ今まで黙っていた!」 セイラは両手でアグニスの机を叩きながら言った。あまりに強く叩いたので机の上の書類だけでなくセイラの体までもが浮き上がりそうだった。 「いえ!決して黙っていたわけではございません!たまたまご質問を頂かなかったため、お答えしておりません次第でございます!」 アグニスの顔色は明らかに悪い。ましてこのような低級な言い訳が通じるような相手ではない事は、もう10年以上の付き合いである彼にはよくわかっていた。そしてこの話しの結末も

      • 朗読:サイコセラピスト・リタ 律子編①

        車庫から出るとリタは空を鬱陶しそうに見上げる。まだ豪雨の最中だ。鬱陶しい湿気にも顔をしかめた。この屋根付き車庫から玄関までの10メートル程でどれだけ濡れるか。買ったばかりのポルシェの中で待つのも良かったが、早く片付けたい仕事もあり、やはり玄関を選んだ。その少女を見つけるまでは。 玄関に1人、高校生くらいだろうか、それにしては小さい。しかし雰囲気が中学生のそれではない。何事かと駆け寄りたかったが、こちらも新品のルブタンが足に合わずふらついていると言う有様で、思わず今の駐車場か

        • 詩:戦争を辞めたい

          注 ※辞めよう = 誤字ではありません、敢えて「辞めよう」を使っています。 本編かつてわたしたちは戦争をした した、された、関係なく、戦争をした しなくてもよかった、せざるをえなかった、関係なく、戦争をした そして、たくさん殺した 一人として加害者でない者はいなかった 日本国旗を振り、兵隊を戦地へ送った 新聞は大いにそれを賑わした その兵隊は、自分の家族、自分の息子、自分の夫、そして自分だった 兵隊は死んだ 次々に死んだ 片道の燃料を積んだ飛行機で、海へ消えた カミカ

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          掛け合い:夫婦ラブ①

          妻 「ねー、ぴっぴ」 旦那 「ん、どうした?」 妻 「抱っこ!」 旦那 「ん、おいで。よしよし。」 妻 「ふみゅぅ、しゅきしゅき。」 旦那 「愛してるよ。」 妻 「うん、わたしも愛してりゅ」 旦那 「どうしたの?なんかあった?」 妻 「甘えたくなったの」 旦那 「そうか、よしよし。」 妻 「もっとよしよしして」 旦那 「うん、よしよし。」 妻 「ぎゅーって、頭をダーリンに押し付けて」 旦那 「うん、ぎゅーっ。」 妻 「幸せ、ダーリン。普段から抱っこ

          掛け合い:夫婦ラブ①

          掛け合い:ある米国人医師の講演 - 休憩① -

          注意 ・この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。 ・またこの物語に登場する病気やその治療法も同様にフィクションであり、実在の病気や治療法とは一切関係がありません。 ・イヴのセリフの日本語が怪しいのは外国人であるためです。外国人になりきってロールプレイしてみて下さい。 本編イヴ 「みゆき先生、この大学の子たちはミナサンとてもイイ子ですね。」 みゆき 「いい子(笑。みなさん、とってもいい子だそうですよ(笑。はい、拍手しない(笑。」 イヴ 「み

          掛け合い:ある米国人医師の講演 - 休憩① -

          掛け合い:ある米国人医師の講演①

          注意 ・この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。 ・またこの物語に登場する病気やその治療法も同様にフィクションであり、実在の病気や治療法とは一切関係がありません。 ・イヴのセリフの日本語が怪しいのは外国人であるためです。外国人になりきってロールプレイしてみて下さい。 本編みゆき 「みなさん、しっかり勉強してますか(笑 今日は本講堂へ招聘(しょうへい)医師であるイヴォンヌ・デ・グラーフ先生をお招きし、先生の考える解離性障害とこれからについてお話

          掛け合い:ある米国人医師の講演①

          掛け合い:ハイエルフの蜜月

          エルフ 「ねえ、ダーリン♡」 騎士 「わぁ!ダーリンだって?」 エルフ 「そう、ダーリン、わたしのダーリン」 騎士 「そっか、俺たち結婚したんだったな。でもダーリンか、なんか恥ずかしいな。」 エルフ 「もう!何が恥ずかしいの!夫婦になったのよ、騎士様」 騎士 「なんだかそっちの方が呼ばれ慣れててさ(笑、でも嬉しいよ、ありがとう。」 エルフ 「わたしの騎士様、だからわたしのダーリン」 騎士 「ほんとに君は不思議な子だな。ハイエルフってみんなそんなに人間っぽいのかい

          掛け合い:ハイエルフの蜜月

          掛け合い:リアル女医日常

          後輩「先生!なんですかこの車!」 女医「〇〇ちゃん久しぶりー!わー、うれしいー!」 後輩「え、なんですかこれ?救急車ですよね!?」 女医「はーい、送迎ありがとうございますー。〇〇ちゃん久しぶりーだねー!」 後輩「先生、聞いてます?これ救急車じゃないんですか!?」 女医「あー、これね!前話したじゃない、あそこ!あの民間救急と訪問看護やってるあそこ、講習会の仕事受けたとこ。そこで講習があってね、ついでに送ってくれるって所長が言うもんだからさ、乗ってきたの。中古の救急車みたいよ。」

          掛け合い:リアル女医日常

          掛け合い:愛の日常

          女「ダーリン、腕枕貸して」 男「あいよ、今そっち行く」 女「左腕ね」 男「あいよ、今横になる」 女「よきよき、じゃ借りるね、よいしょっと」 男「ちょっと待った、一瞬左手使わせて、スマホ取りたい」 女「あいあい、早くして」 男「おっけ、ごめんごめん、読みたい本あるんだ」 女「はい、じゃ手広げて。借りるよ。」 男「はいよ、どれくらいの利用だい?」 女「ん、寝落ちまで」 男「今日は寝落ちか、わかった」 女「ねぇ」 男「どした?」 女「頭撫でて」 男「え...右手にスマホが...」

          掛け合い:愛の日常

          朗読:演奏と狂気

          名声と孤独 最高のピアニストの証とも言われるバッハコンクールを制したイーサンの名声はまさに絶頂だった。CDの売上もうなぎ登り、クラシックカテゴリーでの売上は当然のように1位だった。それも今のところ15週連続である。 その見た目の淡麗さ、アジアの血が入ったオリエンタルな雰囲気、それらのスター性も伴ってCDのジャケットを見ただけで売れていってしまうような状態だった。 最新の録音はベートーヴェンの皇帝。ベルリン交響楽団との共演の演奏はベートーヴェンの再来と言われるほどの演奏で、あ

          朗読:演奏と狂気

          朗読:王女セイラ 第一話 楽しき会話

          セイラとアグニスはそれから毎日欠かす事がなく顔を合わせては、勉強に遊びに、そして剣術にと忙しい毎日を送っていた。アグニスは王妃の計らいで学術顧問がつけられ、自らもセイラと一緒に勉強をして、それをセイラに教えるというさらに忙しい日々を送っていた。 「ではアグニス殿、答えなされい。コップいっぱいの水に塩をどれくらい溶かす事ができるのか。同じくコップいっぱいか、それとも樽いっぱいか。」 「え…え…そんなに多く溶けたっけか?」 「素晴らしい!それほど多くは溶けない。では少しでも多く溶

          朗読:王女セイラ 第一話 楽しき会話

          詩:真夏ラプソディ(挨拶)

          毎日暑いね、暑い暑い 暑いと思えばいきなりね、どざーっと雨が振ってきて大騒ぎ スコールみたいな、バケツみたいな雨 下がる気温 なんとか人間が生きる環境くらいは保たれているみたいだね 暑い時に食べるかき氷とかね みんな食べてる? 贅沢だよぉ? 体が氷と水、そして甘いのを欲してるからね もちろんカップのかき氷がたくさん入ったね 冷蔵庫だってとても贅沢なものなんだけど 夏の贅沢、甘味屋さんにいって本格的なかき氷もね いいんじゃないかなぁ? あんまり暑いからさ 冷たいものは体に悪

          詩:真夏ラプソディ(挨拶)

          朗読:枯れない花物語6「エルフの森」(前編)

          勇敢な騎士エリックの、幼少時代の物語。 エリックはまだ幼い頃に病で母を亡くした。貧乏な村での出来事、お医者さんもいなければ薬もろくにないという状況で、仕方のない事だった。それから父は変わってしまった。元々酒を飲んでは暴れる事もあった父は、ますます酒の量が増えた。家にある物も次々と売ってしまい、酒を飲んで暮らすようになった。 もう成長していた兄二人は父の変容に耐えかね、エリックを放って家を出ていってしまった。幼いエリックは食事もろくに与えてくれない父の下で育った。常に飢えた

          朗読:枯れない花物語6「エルフの森」(前編)

          掛け合い:お医者さんごっこ まとめ①

          誤診 指導医 「先生、ちょっといいかね」 医師「はい、なんでしょう。」 指導医「君の担当している本城みゆきだが、本当に統合失調感情障害かね?」 医師「はい、これでも診断基準くらいは頭に入っています。定期的に発生する幻聴、気分の浮き沈みも顕著です。何か問題がありますか?」 指導医「うむ、問題だ、非常に問題だ」 医師「非常に?ですか」 指導医「例えば幻聴だが、君は幻聴を起こす疾病をいくつ知っているのかね?」 医師「それは、、、たくさんありますが」 指導医「統合失調症が当てはま

          掛け合い:お医者さんごっこ まとめ①

          朗読:王女セイラ Overture

          エルデンガルド。北極海に面した広大な敷地を持つ豊かな国。4代目国王ラグナル・エルデンガルド二世の統治の下、豊かな緑の国として栄えていた。 ラグナルには7人の娘があり、その4女としてセイラが生まれた。 宝石を削ったかのような瞳、天使のラッパのようなうぶ声。美貌の姫と呼ばれる事になるセイラは生まれながらにして美貌の赤子と言われ、大変にラグナルの愛情を受けた。 「国中の人形職人を集めて、セイラの美しさを表現する人形を作らせるのだ!」 ラグナルの命令でエルデンガルド各地の高名な人形

          朗読:王女セイラ Overture