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掛け合い:ハイエルフの蜜月

エルフ
「ねえ、ダーリン♡」

騎士
「わぁ!ダーリンだって?」

エルフ
「そう、ダーリン、わたしのダーリン」

騎士
「そっか、俺たち結婚したんだったな。でもダーリンか、なんか恥ずかしいな。」

エルフ
「もう!何が恥ずかしいの!夫婦になったのよ、騎士様」

騎士
「なんだかそっちの方が呼ばれ慣れててさ(笑、でも嬉しいよ、ありがとう。」

エルフ
「わたしの騎士様、だからわたしのダーリン」

騎士
「ほんとに君は不思議な子だな。ハイエルフってみんなそんなに人間っぽいのかい?」

エルフ
「わたしは誇り高きハイエルフの女、そして騎士エリック・デ・グラーフの妻よ、ダーリン、愛してる」

騎士
「嬉しいな、なんだか、ほんとに。俺も君を愛してるよ、アリアンヌ。」

エルフ
「ねえ、そうやっていつまでもわたしに愛を表現してくれる?」

騎士
「いつまでもか、俺の命が続く限りはいつまでも言い続けるよ、アリアンヌ。俺は君を愛してる。」

エルフ
「わたしも、いつまでもダーリンをお慕い申し上げているわ、ダーリン、もう愛してる!」

騎士
「俺って本当に幸せだな。こんなに美人のハイエルフにこんなに愛してもらえるなんて。もしかして一生分の運を使い切ってるんじゃないかな。」

エルフ
「ねえダーリン、わたしの手を両手でまた握って。シルフたちが何か言ってるわ、一緒に聞きましょう。」

騎士
「お、わかった。こうだな。」

エルフ
「もっと強く握って。」

騎士
「こうか?」

エルフ
「もっと、ダーリンになら握りつぶされても嬉しい」

騎士
「だめだよ!こんな綺麗な手を握りつぶしたら、俺が罪悪感で生きていけなくなるさ。」

エルフ
「綺麗な手?わたしの手綺麗?」

騎士
「綺麗だよ、本当に綺麗だ。まるで生きた人形のような、綺麗すぎて怖くなるような手だよ。」

エルフ
「うれしい!ダーリン愛してますわ。あらあら、シルフたちが呆れちゃってる。さあ、シルフたちの声を聞いてみましょう。」

騎士
「ああ、目を閉じて耳をすませるんだったね。」

エルフ
「あら、うふふふ。」

騎士
「聞こえる聞こえる。エリックの運は尽きる事がない、エリックは与えられた時が尽きるまで幸せでいるだろう、だって!やったぁ!俺幸せなんだ!」

エルフ
「素敵な預言じゃない!ねぇ、なんで幸せなの?なんで幸せ?言ってみて?」

騎士
「そりゃもちろん、アリアンヌがいてくれるからさ。君がこうして一緒にいてくれない人生なんて、俺はずっと闇の中の泥沼に捉えられていたのと同じようなものだよ。」

エルフ
「ほんと?そんな幸せ?」

騎士
「もちろんほんとさ。怖いくらい幸せだよ?」

エルフ
「うそ!ただこうして手を握ってるだけで幸せなの?」

騎士
「あ!そういうことか!」

エルフ
「もう!気づいてよ!」

騎士
「わかったよ、アリアンヌ、愛してる、目を閉じてくれるかい?」

エルフ
「ええ、もちろん、ダーリン愛してる。」

騎士
「ちゅっ」

エルフ
「騎士様、愛してる、もっと…」

騎士
「ちゅ、アリアンヌ、俺は本当に君を愛してるよ。君は俺の命の光そのものだ。なんて眩しくてなんて美しいんだ。」

エルフ
「うれしい、ダーリン、あなたの抱擁をください…」

騎士
「ああ、アリアンヌ、世界一の人形すら君の前に出たら意思を持って逃げ出すさ。どうして君はここまで完璧に美しいんだい。」

エルフ
「ダーリン…それはあなたが好きだから、愛しているからよ。ダーリン、もっと強く、力を入れて抱っこして。」

騎士
「怖いんだ。こんなに綺麗な君が、俺みたいな筋肉バカにしめつけられて壊れちゃわないか。」

エルフ
「ダーリン、愛の抱擁を受けて壊れた女の話を聞いた事がありまして?」

騎士
「ないな、そういえば、ないぞ。」

エルフ
「愛で抱きしめられる、こんなに幸せな事が女にとって他にあるとでも?」

騎士
「そうなのかい?実はボクも幸せだ。世界で一番綺麗なものを抱きしめて独占しているような気分なんだ。生まれてきて今まで辛かった事の全てが肯定されていっているような、そんな気分だ。」

エルフ
「ダーリン、独占しているような、ではなくて。独占してるのでしてよ?」

騎士
「ああ、そうだった!なあ、俺ってこんなに幸せな思いをしていいのかい?」

エルフ
「あら…わたしだってよ、ダーリン。世界で最高の騎士様にただ一人、唯一こうして抱きしめられて、時を過ごせる女。こんな幸せな女がほかにいる?」

騎士
「ああ、幸せだよアリアンヌ!俺はこの激しすぎる幸せな気持ちをどうしたらいいんだ!」

エルフ
「口づけがよろしくてよ。ちゅっ。」

騎士
「アリアンヌ、愛してるよ。君はもう一人の俺のようだ。しかももっと大切なんだ。もしも俺に文才があるのならば、毎日君の唇に口づけをしながらもっともっと素敵な言葉をかけて愛してあげられるのに。」

エルフ
「あらダーリン、立派に詩のようなお言葉。それだけでわたしはもう力が抜けて、全てをまたあなたに任せたくなるわ。」

騎士
「わぁ、どうしたんだい急に力を抜いて。」

エルフ
「ダーリン、シルフたちにも支えさせるから、わたしを姫のように抱きかかえて。」

騎士
「はっはっは、俺はこの国の誉れ高き騎士だぜ。シルフなんかの頼りにならなくても愛する君を抱きかかえるくらい朝飯前さ!ほらっ!」

エルフ
「きゃっ!ああ、幸せ…ダーリン見て、今わたしは全てをあなたに託して、あなた以外のどこにも触れてないの。なんて幸せなんでしょう。ダーリン口づけを…」

騎士
「アリアンヌ、愛してる、ちゅっ」

エルフ
「ダーリン、いつまでもわたしをこうしていて。今日はあなたの中で眠りたい。」

騎士
「わかった、ゆっくりお休み、アリアンヌ。」

エルフ
「うれしい…わたしはあなたをお慕いしています、ダーリン…」

2024年8月8日
プロジェクト・シルフ
みゆき・シェヘラザード・本城


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