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詩:戦争を辞めたい

※辞めよう = 誤字ではありません、敢えて「辞めよう」を使っています。

本編

かつてわたしたちは戦争をした
した、された、関係なく、戦争をした
しなくてもよかった、せざるをえなかった、関係なく、戦争をした
そして、たくさん殺した

一人として加害者でない者はいなかった
日本国旗を振り、兵隊を戦地へ送った
新聞は大いにそれを賑わした
その兵隊は、自分の家族、自分の息子、自分の夫、そして自分だった

兵隊は死んだ
次々に死んだ
片道の燃料を積んだ飛行機で、海へ消えた
カミカゼではなかった、ただの無謀だった

戦争の理由はある、確かにある
あの時に戦争を決定する立場に置かれた人間であれば
多くが開戦を決定したのだろう
やむを得なかったのだろう

しかしやむを得ないにしては、大きすぎた犠牲だった
東京は焼け野原になり
原爆は広島と長崎に
沖縄のひめゆりの悲劇
南方の島々の悲惨な戦い
挙げていけばキリがない

方法はわからない
もし人類から戦争を無くせれば、その人はノーベル賞ごときではない
新しい時代の教祖にでもおさまって違和感のないことだろう
しかしわたしは、戦争を辞めたい

戦争を辞めたい
しかし、戦争の反対とされる平和がわたしにはわからない
武器がないことだろうか?
では貧困者を札束で殴る現世が平和か?札束で無理やりに足を開かれる女の列は平和か?
格差がある世の中は平和か?ではその格差は適当であるものなのか?生まれや教育に格差はないのか?その格差を自分で埋めて乗り越えられるだけの支援はあるのか?

これが平和か?武器がなく爆弾もなく核兵器も落ちてきていないが、これが平和だろうか?平和ならば毎年2万人の自死者を出すのだろうか。

わたしは戦争を辞めたい
しかし、如何にしてかそれを辞めても、行くべき平和が見つからない
では、戦うしかないのだろう
すなわち、武器が兵器でなくなっただけで、戦うしかないのだろう

それは平和ではない

2024年8月15日 みゆき・シェヘラザード・本城

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