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【書籍紹介】大学院生10万人を助けたノウハウを凝縮!研究を頑張る人々に贈る就活読本【博士号もちアラサー主婦の独り言。】

あまり表に出てこない博士に関する情報を調べるにあたり、ネットだけでは物足りず、書籍を探すこともあります。

そんななかで見つけた「大学院生・ポストドクター向けの就職活動マニュアル」な書籍を、今日は簡単に紹介します。修士・博士のみならず、ポストドクターと呼ばれる、博士号取得後に任期つきで大学の研究職に就いている方も対象としている、なかなか珍しい一冊です。

~Dr. りけ子の簡単な経歴~
・国立大に入学し、学士で無機化学→修士から物理化学を専攻。
・ノリで博士進学して地獄を見るが、なんとか博士号(理学)を取得。
・卒業後は大手メーカーに開発職で就職、事業企画・技術調査なども経験。
・その後ITコンサル会社に転職するも、物足りなさを感じ退職。
・企業勤めの4年間で「博士は研究職以外でも幅広く活躍できる」と実感。
・「そんな思いを実現するお仕事」を模索中な専業主婦。

詳細な経歴はコチラの記事へ🖊

では早速、今日紹介する書籍はコチラ!

本書の編集に携わったのは、アカリクさん。大学院生で就職活動(就活)をしようと思ったら、この名前を目にしたり耳にしたりすることが一度はあるはず。

アカリクさんは、大学院生の就職・採用支援に特化した事業を展開する企業。2017年時点で、のべ10万人以上の大学院生やポストドクターの就職活動を支援してきたそうです。

そんなアカリクさんが編集に携わって、2017年に改訂新版として発行されたのが本書です。

本書の構成は、2章から成ります。

I章 就職活動をする前に知っておきたいこと

II章 大学院生、ポストドクターのための就職活動マニュアル
II-1 就職活動に向けて準備しよう
II-2 就職に役立つ情報を集める・使う・活用する
II-3 行きたい業界・企業を研究する
II-4 合格に近づく書類の書き方
II-5 会社説明会に参加しよう
II-6 適性検査を制する
II-7 押さえておきたい面接のポイント
II-8 内定獲得以降の流れ
II-9 文理・学歴別就職活動アドバイス

本書の見出しより。

I章では、「大学院生やポストドクターがどんな心構えで就活に臨めば良いのか」など、就活を行う上で意識すべきことや知っておくべきことについて書かれています。マーケティングの視点で自己分析の手法を提示されている点も面白いです。

II章では、「就職活動マニュアル」という名を冠している通り、就活で直面するステージごとに、どんな対策をすれば良いのかなどが詳細に記載しています。

私は就活時に本書を読んでいないので、「この本を読んで就活を乗り切った!」ということは言えないのですが、実際に読んでみた感想を3点ほど簡単に綴ります。

まず1つ目、情報の専門性について。題名に「大学院生・ポストドクター」と書かれている通り、研究活動に勤しむ大学院生・博士研究員に向けた情報を掲載しているのが、本書の特徴です。就活の心構えなどを記載しているI章は、大学院生やポストドクターに寄り添った内容になっていると思います。

ただ、実際の就活対策が書かれているII章では、大学院生・ポストドクターに特化した情報が少ないというか、具体性に欠けている気がします(就活の主な対策は、実は最終学歴に依らないということなのかも?)。

2つ目として、個人的に面白いなぁと感じた部分について。本書は「文理・学歴別就職アドバイス」という章で締めくくられます。この章では、修士・博士・ポストドクターそれぞれについて、就職活動のポイントを明記しています。しかも、文系・理系別に!これを書くことができるのは、アカリクさんならではだと思います。

最後に3つ目、本書の読み方について。「シューカツの方法がつかみきれない修士・博士のための完全”時短”ガイド」と帯に書かれているのですが、2段組の構成で222ページにわたる大ボリューム。「時短なのか……?」という感想を抱くくらい、内容が詰め込まれています。

就活直前に読むというよりは、「就活ってなんだろう?」と疑問を持ったときに、さらっと読んでみて、就活の全体像を掴むのが良いかなと思います。「準備、企業研究、自己分析、書類選考、面接、内定獲得後」と就活で発生するイベント全てを、時系列順で網羅しているので、「大学院生の就活とはなんぞや?」と理解するには良い書籍です。

例えば、博士学生さんであれば、博士に進学した頃になんとなく目を通すのが良いかも。実際に就活を始めた際に、自分の置かれている就活ステージに相当するページを再度読み進めると、就活のヒントが得られると思います。


少し辛口めの評価をしましたが、博士学生を始めとする大学院生やポストドクター向けの就活情報は、世の中にはあまり出ていません。そんな情報を得られるだけでも、本書は貴重だと思います。

本記事を通して、少しでも内容が気になった方は、大学や近くの図書館で借りたり、本屋さんで購入したりしてみてください!本書を読んだ感想などあれば、ぜひコメント欄へ!




普段は、博士情報のまとめ記事や経験談を綴った400字記事を上げています。
細かな情報や考え事などは、上記マガジンで掲載します~!

博士が輝ける社会となりますように!

Dr. りけ子(Tsugumi)


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