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小説書くのが好きな人 読むのも好きです

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短編小説「歩く、歩く。」

 誰か一緒に住む人なんて、しばらくは出来る予定はない。だから何かするかというと、そういう事もなく、一人、勤めている会社があるという理由で、知り合いがそんなにいない地方都市の町にあるアパートに住んでいる。  仕事以外の日は、家で映画を見るか、本を読むか。あとは、そうだな・・・どこかに出かける。「どこかに出かける。」の、「どこかに」に目的や明確な場所はない。まあ、要は散歩。  車は持っている。というか、車は必須だ。車がないと買い物行くのにも一苦労だし、少し前は近くのコンビニでさえ

    • ある日届いた手紙。 「あなたの事は、もう忘れます。だから、あなたも忘れてください。」 気にせず、ポイと投げた。

      • 短編小説「気がつけば、手軽に買える万年筆の話をしていた。」

         何かに発展する事もなさそうな文章を書いて、ペンを投げ出して、布団の上で横になってしまう。  頭の中が縮まって、グチャっと混ぜられた感覚に陥ってしまった。多分、何も栄養を入れずに書くという作業をしているせいだろう。書かねばならぬというのに、何も進んでいないのだ。  ぼんやりと今ほど投げたペンを見た。プレピーという安い万年筆。ブルーブラック。  たまには万年筆を使ってみようと思ったが、高いのは買えない。そんな中、文房具屋の片隅で見つけた、この万年筆。  最初は万年筆というも

        • なんだか、頭の中が枯渇している。 枯れた木って感じです。

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        短編小説「歩く、歩く。」

        • ある日届いた手紙。 「あなたの事は、もう忘れます。だから、あなたも忘れてください。」 気にせず、ポイと投げた。

        • 短編小説「気がつけば、手軽に買える万年筆の話をしていた。」

        • なんだか、頭の中が枯渇している。 枯れた木って感じです。

          コント「視力検査」 

          ラジオコントでも使えるかもしれません。 もし、使いたいとか、こうした方が良いとかありましたら、星一の方に連絡お願いします。 登場人物 ・医者 ・患者 ・看護師 診察室。 そこでは視力検査が行われている。 医者 これ。 患者 えっと、上 医者 じゃあ、これ。 患者 ・・・下。 医者 これ。 患者 左。 医者 えっと、じゃあ、これは? 患者 左? 医者 おお、じゃあ、これは? 患者 はあ、右。 医者 はいはい、じゃあ、最後。 患者 ・・・左。 医者 はい、お疲れ様、結論から

          コント「視力検査」 

          コント「隠し事」

          昨夜、初心に帰り、コントぽいものを書いてみました。 なんかいい気分転換になったような気がします。

          コント「隠し事」

          エッセイ『かっこよくなりたいです。』

           かっこよくなりたぁあああい!。  絶賛、病み上がり真っ只中、絶不調です。それでいて自分の舞台作品も絶賛直し中です。その作業の中で自分自身を見つめ直す瞬間がありました。現実逃避でしょうか?僕の常に心の中の何かを創作する大きな力の一つは『かっこよくなりたい』なのかなと思ったんです。  演劇(役者と2024年の頭に初めて作演出やりまして、今、頑張っている最中です。)や小説、エッセイを書いているのは、単純に自分が面白いものを作りたい。人に見せて、反応をもらうのが快感だ。僕が描く

          エッセイ『かっこよくなりたいです。』

          短編小説『火の川』

           高台から見た街と祭りの明かりは火の川のように見え、僕はぼんやりとそれを見つめていた。  決して、誰かに連れてこられることのなかった祭り。存在は知っていたが祭りに対する興味なんて一つもなかった。ただ、その火の川を初めて見た、小学生の僕は、祭りを楽しみにするようになった。  祭りの存在を教えてくれたのは、唯一、言葉を交わすことができた少年『ハレタ』だった。彼も誰かと仲良くすることもなかった。誰かと話すときはテンションも上げず、まるで、その場をやりすごくように会話を終わらせる

          短編小説『火の川』

          エッセイ『思い出とお散歩』

          (エッセイと言いつつ、最初に素敵な音楽をどうぞ。) Ella Fitzgerald『on the sunny side of the street(live at the crescendo)』  街を散歩していると記憶を見る事ができる。  僕は散歩が好きだ。ちょっとした時間で、晴れていて、気分が乗っている日なら、散歩に出かける。気分が乗ってない日は出かけない。家で横になってる。  地元をフラフラ歩く。もしくは、飲みの予定がある日、早めに繁華街に乗り込み、すでに酒の雰囲

          エッセイ『思い出とお散歩』

          短編小説「自販機とおしるこ music mix」

           今、目の前に自動販売機がある。  夜、道の途中にある、長方形のデカい図体。やけに眩しい光は、目の前の田園風景と共に僕と虫を照らしている。  僕がどうしてここに立っているのか、単純にコーンスープが飲みたかったから。ただ、それだけ。なら、さっさと買えばいいじゃないかと思うだろうが、どうも小銭を入れる手が引ける。手の中に100円と50円をチャリチャリ言わせている。  と言うのも、今日の昼間、同僚が職場にて、ウキウキとした顔で帰ってきて、こう言うのだ。  「ちょっ、ちょっ、

          短編小説「自販機とおしるこ music mix」

          全然、ここで何も書けずにいます。 近々、何かしらあげたいと思います。 私事ですが、自分で書いたものを上演する機会があり、今年は新作を書いて、演劇としてやろうかなと思っています。 なので、戯曲とかも載せようかなとも考えてます。 短編小説、あげます。

          全然、ここで何も書けずにいます。 近々、何かしらあげたいと思います。 私事ですが、自分で書いたものを上演する機会があり、今年は新作を書いて、演劇としてやろうかなと思っています。 なので、戯曲とかも載せようかなとも考えてます。 短編小説、あげます。

          明けましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。 と言いつつも、中々作品を投稿せずに年をあけてしましました。 何というか小説とか戯曲とか投稿するのに少し気が引けてしまっていていたところがあります。 ですが今年も頑張ります。 そして新作書きました。

          明けましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。 と言いつつも、中々作品を投稿せずに年をあけてしましました。 何というか小説とか戯曲とか投稿するのに少し気が引けてしまっていていたところがあります。 ですが今年も頑張ります。 そして新作書きました。

          短編小説 「焼け空の一日」

           寒さを感じながら職場まで車を走らせる。工場から離れた駐車場に止め、そのまま入り口まで歩く。その道のりはオレンジ色から紫色、暗闇へ、徐々に変わっている。  更衣室で同じ作業員たちが、同じように着替え、各々の作業場に辿り着く。その中で様々な世間話、根拠のない噂話が飛び交っている。それはそれぞれの作業場に着き、作業を終え、自分の車に戻るまで続く。ここは饅頭工場で作業中は甘い香りが身を包むが、それは単なる空気になっていて、各々はえぐ味苦味で一杯だった。  私の作業場は饅頭の検品

          短編小説 「焼け空の一日」

          短編小説 「記憶を歩く」

           気がつくと、俺が知ってる近所の公園にいた。  記憶が正しければ、さっき会社から出て帰宅しようってところだったはずだ。でも、空の感じは明らかに定時である17時15分の日が暮れている頃合いとは正反対で、おそらく昼過ぎくらいだろう。腕時計を確認したら、それは正解だった。  そして、気になるのは、今、隣に知らない男がいるということだった。 同じくスーツ姿の男。彼は、私のことを見ていた。  「なんすか?」  「気づきました?」  訳がわからず、「え?」を繰り返すばかりの私に

          短編小説 「記憶を歩く」

          短編小説 「隣人と生活」

           働かなくなった私は、スマホを見るわけでもなく、本を読むわけでもなく、テレビを見るわけでもなく、何かするわけでもなく、ただ布団の上で横になり壁を見ている。いや、正確には見えない壁の向こう側を見ている。アパートの住人なんて誰も知らないが、ただ、私の部屋の隣の住人を妄想し、ボーッとしている。  大したことをしていないようだが、私には大きな発見だったのだ。決して、興味を持つ事がなかった隣人に興味を持った。スマホの中の騒音やテレビの砂嵐よりも、何も音を立てずに静かに暮らしている隣人

          短編小説 「隣人と生活」

          短編小説「もちもちでクレイジーなばあちゃんの墓」

           うちのばあちゃんが爆発した。  お葬式の最中にも、それを思い出して悲しみたくても悲しめない。 広い荒野の真ん中で、うちのばあちゃんは爆発した。跡形もなくきれいさっぱり。だから、今、目の前にある棺桶の中はおにぎりが入っている。  流石に何もないのは寂しいからおにぎりを入れてくれと、ばあちゃんから言ってきた。ばあちゃんは自分を爆発することを知っていた。  「たまこ、ばあちゃんは爆発するから棺桶の中におにぎり入れておくれ。あ、ツナマヨで・・・。」  たまこというのは私の名

          短編小説「もちもちでクレイジーなばあちゃんの墓」