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KBオヤジの入院記

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二度目の入院、退院後からと思っていたけど、リハビリ入院中にはじめることにしました。 ある日突然何らかの理由で入院、短期間で済まなくなったら・・・。 誰にでも起こりうることをどう…
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#入院生活

『退院しました』

『退院しました』

 リハビリ最終日を昨日迎え、
ドタバタしてる間に退院となりました。
特に仲の良かった方とかは
いませんでしたが、
荷物をまとめていると
時間が過ぎて、
あっという間に病院から出発・・・
慌ただしい時間でした。
あまり早く進むことのない時間を
毎日送っていたから、
尚更
そう感じてしまったのかもしれませんね。

帰る前に療法士の方から、
自主練の資料と注意点をいただきました。
別に
必ず渡されるもの

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『イブの前日』

『イブの前日』

リハビリの部屋では、
いつもFMラジオが流れています。
時期的に
クリスマスにちなんだ曲が目立ちます。

"Do They Know It's Christmas?"
"恋人はサンタクロース"

などといった
何年前の楽曲だっけという曲が
次々と流れてきます。
私は、
ほぼ世代なので懐かしく聞いて、
関連する時代を思い出したりしますが、
他のリハビリを受けている方は、
昭和歌謡や流行歌の時代が

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『冬至』

『冬至』

今日は、冬至だったので、
"カボチャのいとこ煮"が、
メニューに登場しました。

柚子湯も
メジャーなこの日ならではのことですが、
入浴日は決まってますし、
個々人の趣味趣向もあるからか、
そんなしきたり的ことは、
予定に入っていなかったようです。

療法士によるリハビリもあと1セットとなり、看護師の中には、退院の挨拶をしていく人も現れて、いよいよ退院なんだなと実感が強まります。

メインの療法士

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『栄養指導』

『栄養指導』

退院予定が近づくと、
管理栄養士による栄養指導が入る。
情報だけなら、
ネット上にいくらでも転がっている。
しかし、
それだけでは、知識量が増えて
頭でっかちに終わる可能性は歪めない。
情報を溜め込んで
知った気になってしまうのは、
人間の悪いところである。

管理栄養士がわざわざ対面で話すのは、
情報や知識を見せることが目的ではなく、
現状を把握して、
改めるべきことを正して、
より良いと思われ

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『確認測定』

『確認測定』

今日のリハビリは、
ほぼ最終確認的。

器具や動作を用いた、
状態確認テストが主。

平均台を歩く様に直線上を歩いたり、
同じ距離を大股で歩いてみたりと、
バランスと関節の状態などを
確認したり、
検査器具を用いて
ボールなどをAからBに移動させる
という単純動作を左右別々に行なって、
その作業時間を測定したりと、
本当にこの手の確認テストは、
見た目が単純なものが多いね。
単純なだけに
回復状態

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『いつもの様に』

『いつもの様に』

世間は、クリスマス、正月と
近づいてきて、
楽しげなムードが感じられますが、
暗いニュースが連日報道されて、
水を差している様に感じます。

私は、
あと数日で退院となる予定ですが、
この時期を
家族と過ごせないことになる方も多く、
寂しげな空気も漂っています。
聞いたところによると、
リハビリも週末の様に
担当者や回数などが変わるものの
行われる様なので、
病室とは異なる時間を過ごせる機会は、

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『別れはあっさりと』

『別れはあっさりと』

退院が近づいてきたので、
最後の日となる療法士の方が
出るようになって、
「最後ですね」
なんて話をしたりする。

でも、
若いからか何人も
同様のことがあるからか、
結構あっさりした対応。

うん、まあそんなものだよね。

施術は一対一なので、
こちらが勝手に
親近感を持ってしまっているだけで、
療法士からすれば、
終了の度にそんな近い感じで
分かれていたら保たないよね。

あっさりさに納得いっ

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『退院と期限』

『退院と期限』

いつの間にか二人、三人と
一般病棟から移ってきた方がいる。
皆さんどう見ても高齢者。

隣の建物が、
老人ホームだからということもないし、
高齢者を主に受け入れているわけでもない。
他の事情は知らないが、
こんな状態が当たり前なのかもしれない。

リハビリ病院なので、
日常生活上必要なことを
回復するようにしていくが、
年齢が増せば回復には時間がかかる。

その現実と
保険制度で同じ病院に
入院し

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『回復すると』

『回復すると』

自分が、
リハビリが終盤になる様に
他の方々もリハビリが進んで、
歩行器や杖を利用した練習に
なってきていたりします。

回復して、
皆さん元気になっていくわけですが、
中には回復してきて
元気に動けるようになってくることで、
トラブルを引き起こしそうに
なりやすくなる方も出てきます。

元気な頃、
どんな生活でいたのか知りませんが、
中には、
気に入らないことがあると、
やたらと怒ったり、
無闇

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『終わりが見えてきて』

『終わりが見えてきて』

この病棟で、
自立歩行で24時間
トイレに行ったりして良いのは、
気がつけば私一人。
歩行器を使用している方もいなくて、
車椅子も
ベッドからの乗り移りが自由な方もいない。

リハビリ時間中は、
以前よりも歩行器や
杖利用での歩行練習をする方が、
随分と増えた様に感じます。

年末年始と
間に合うものなら家族と過ごしたい
と思っている方々が、
回復の進行を早めているのでしょうか。

私は独身の一人

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『この地の歴史』

『この地の歴史』

病院食に刺身が出たことで、
気持ちが弾みました。

ささやかなものではありましたが、
間違いなくお刺身。
開院82周年に
ちなんでのことだそうです。

建物の古さに納得です。

82年前と言うと1939年。
昭和14年、第二次大戦前です。

以前同室だった昭和4年生まれの方が、
開院初期の頃にあった
勝手に帰宅した入院患者の話しを
されていましたが、
そこまで古い話だとは
思ってませんでした。

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『揺れる心情』

『揺れる心情』

数ヶ月の入院期間と
リハビリによって、
随分と回復した。
が、
それだけ元のようになったからか、
退院後に対しての不安が、
一気に増したように思う。

回復を褒められても、
以前ほど
できなくなっていたことがないと、
あまり
心に響かなくなってしまうようで、
今ひとつ集中度などが上がらない。
そこには、
回復しても
せいぜい元通りに感じられる程度で、
世間では
どれほど受け入れられるか分からない。

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『変化』

『変化』

同じ病棟に制服姿の人を見かけると、
先生と呼んで、
何かお願いしようと声をかける
94歳の方がいらっしゃいます。
半ば名物的な存在になっています。

その方のお願いに
今まで聞いたことのない内容が
加わりました。

"暫く会っていない
お婆さんに会いに行きたい"

会いに行きたいお婆さんは、
一体おいくつなのでしょう・・・。
今まで、
物忘れが目立っていた方でしたが、
今回のお願いごとを耳にして、

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『考えるは食』

『考えるは食』

バランスや持久力に
まだ回復不足なところが
あるものの見た目は、
入院患者とは思えない状態まで
回復していると思う。

そのせいか、
リハビリ以外の時間は、
食事が楽しみでならない。

何か豪華なものが出るわけではない。

むしろ、
脂質制限があるから、
ルーで作る様なカレー、
トンカツや揚げ春巻きなどの様なものは
無く、
鶏料理には皮が無い。

その上に塩分制限まであって、
なんともおとなしいも

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